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風土病にはご用心6

『7人の小人』


私は、二人が完全に居なくなったのを確認して、小人さん達を召喚した。2人がいると使えない魔法が多くて困っちゃうんだよ。お母様と約束してきた手前そうやすやすと魔法をしようできないのが難点だよね。


小人さん達は、召喚されたなりに、私の怪我している足を手当てしてくれる。


「ありがとう。走るのは無理だけど、歩くならなんとかなるかな。と言っても、この穴をよじのぼらなきゃならないんだよね。なにかいい案あるかな?」


と小人さん達に感謝を伝えた所、7人で円陣になって、相談し始めている。


 私も人に任せてばかりでないで考えないとね。熊が来る前に穴を出て安全を確保しないと。


 魔法は大体使える様になったけど、後で二人に説明するのを考えるとあまり安易には使えない。説得出来るか考えて使わないとね。


 私の使える魔法だと、『発酵(フェルメンテ)』はこの場合は使えないんだよね。『梱包』『圧縮』、『加速(アクセラレイト)』、『遅延(ディレイ)』もこの場合もどうやって使って良いのかわからないし。


 唯一転移だけが、このピンチを乗り切る魔法なんだけど……、転移先のポイントが私の部屋っていうのはね。ごまかし様がないよね。


 湿ったままの服で家に着いてしかも靴は泥がついてるし。玄関を通らないし、マッシュ兄さんやキャロットちゃんより早く着くとなんでって?感じなんだよね。


 はーっ、別に最終手段があるからピンチではないんだけど、現状を打開する手段が思いつかないんだよ。こんなことなら、山の麓に転移ポイントをこっそりアンカー埋めておけばよかったかな。思ってても後の祭りだよね。


 今後のために、転移ポイントを複数箇所に埋めておこうかな。転移までの距離が伸びると、必要な魔力が多くなるから、距離は小さい方がいいからね。


『転移アンカー』


 これで穴の中ではあるけど、転移ポイントは作成した。これが地表なら、転移してすぐに脱出だったんだよね。私っておバカさんだわ。でも、これでもし薬草が間違ってても私がこっそり取りに行って、薬草を持って帰って来れば万事解決だよね。


 ふふっ、ベジタル家の女は、二度同じミスは繰り替えさないんだよ。


袖口が引っ張られるので、そちらを見ると赤い服の小人さんが私の服を引っ張っていたんだよ。


 どうも話合いが終わったみたいでそれのご報告みたいなんだよ。ジェスチャーを読み取ったところ、小人さん達が肩車をして、穴を登るみたいだね。ちょっと?いやかなり難しいと思うけど、小人さん達の考えを尊重してものは試しとやって見ることにしたんだよ。


 赤い小人さんの上に黄色の小人さん、その上にポンポンと乗って行って、7人が肩車をして、赤い小人さんが辛そうな顔をしている。


 中学校の時にした運動会の組体操でもそうだったけど、下の負担は半端ないんだよね。重みを分散しているとはいえ、重いものは重いんだよ。でもね、我慢して踏ん張らないと、上がぐらついて危ないんだよね。


 一番上の紫の小人さんが手を伸ばすけど、当然地面には届かないんだよ。というか、私の肩にも届いてないんだよね。その仕草がとっても可愛い。赤い小人さんが辛そうな顔を、してきたので、ぐらついて倒れる前に私が一人ずつ小人さんを降ろしてあげる。


 そして、また小人さん達が円陣を組んで話合いを行う。会話とジェスチャーを、して、コミュニケーションをとっている姿はとっても可愛い。次はどんな案が出るのかな?


 また、袖口を引っ張られる。次は青い小人さんだったんだよ。またジェスチャーをしてくる。青い小人さんと私を指さして、地面の方を指して、ボールを投げる様なポーズをする。


「こういうことかな?私が小人さんを地表に向けてほうり投げる?」


青い小人さんがその通りと言わんばかりでに大きく頷く。


「でもそれって危なくないかな?小人さんが着地する時に怪我しない?」


青い小人さんがブンブンと首を横に振り、右手で胸をぽんと叩く。


 自信は中々おありの様だけど、小さな生き物を投げつける行為は私としては酷く嫌なんだよ。


 そう思って青い小人さんを見ていると、小人さんが服の中に手を入れて、モゾモゾとしながら、一枚の青い布を取り出した。


 それを両手で持って、両足で残りの布の裾を挟み込む。これはあれだね。昔お父さんがやってたっていう。二人の髭ブラザーが亀をやっつけてお姫様を救いに行くゲームであったやつかな?あの時はマントでふわふわと飛ぶけど小人さんは、その大きな青い布で衝撃を和らげると。


 それにしても小人さんの服の中って一体どうなっているんだろう?あの大きな布が入っている様にはとても見えないのに。まるでどこぞの猫型ロボットだよ。


 青い小人さんは、私に伝えたいことが伝わったのか、また胸をポンと叩いて、右手を地表に向けて突き出した。


 でも、地表に小人さんが向かってどうするんだろう?私をみんなで引っ張りあげるのかな?私ってかなり重いし、小人さんじゃ持ち上がらない気もするんだよね。


 自信満々だから任せてみようかな?

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