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【完結&短編追加中】TS転生して悪役令嬢に?〜短編集〜 【3000PV】  作者: 近衛 愛
[短編2]耕作放棄地と自然災害

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耕作放棄地と自然災害 その7

「私も詳しいことは知らん。亡くなった爺様から領地を継ぐ時に聞いただけだからな。爺様は、体験していたようでとても震えて話しておったよ。蝗害はイナゴやバッタが大量発生して農作物を食い散らかす災害だ。爺様の話では、空が黒く覆われて、それが次々と農作物や家や木に向かっていって食べたんだそうだ。あーうん、朝食時に言うべきことではないか、動物や人間も食べられたらしい。爺様は運良く生き延びたみたいなんだが……。その後はイナゴに食い荒らされた無情な光景が広がっていたんだと。」


みんな顔がどよーんとしている。私だってそんなこと起きるなんで信じられないし、生きている動物を虫が食べるなんてありえないとも思う。


 だからそうでないと願いたいし、もし仮にそんなことがあったとしたらと想像すると気分がどよーんと落ちてしまう。


「父さん、虫なんだから仮に大勢で来たとしてもだよ?家の中に隠れれば防げるじゃないの?爺さんが運良く生き延びたってのがよくわかんないんだけど。」


「マッシュ、言っただろう。木も家もと…木材で出来た家は、バッタやイナゴの食糧に、すぎないんだよ。絹や麻の服だって同じだよ。」


「えっ、爺さんの時はこんな家でもなくなったっていうの?嘘だよね。爺さんがちょっと大袈裟に言っているだけだよね?」


「さー、どうなんだろうな。私もみたわけじゃないからそれが事実か、どうかなんて分からんよ。ただ、明るい爺様がそれを話す時はすごく真剣にそして震えながら話しているのをみて、果たして嘘だと思えるか?」


「思えませんわ。」


「なら、私たちは蝗害で、そう言うことが起きるという前提で動かなくてはならんだろう?」


「うん」

「はい」


  実際問題私たち人間って、起きたことのない事象に関しては夢物語と同じだしね。うちは大きな川の近くにあるから、小学校の全校集会でその川が氾濫した時の当時の様子を被災者に話してもらうことが毎年あったし。


 戦争にしたって、当時の様子や悲惨さは毎年8月に定期的に講和されている。


 地震も数年おきに大地震が起きている。避難訓練やハザードマップも対策されているみたいだし、被災者も少なくなってはいるみたいだけど、ゼロにはなっていない。


 これはきっと私たちがそう言う自然の脅威や災害を体験したことがないからなんじゃないかな。




 私は地球にいた時は意識を失っていて、巨大地震がその時発生して死んだらしい。らしいというのは、私に死んだと言う実感がなかったんだよね。その時の地震で私の家族や同級生たちも一緒に亡くなった。


 これは転生する際に神さまから聞いたことだし、本当のこと。おじいちゃんやおばあちゃんやお父さん、お母さんたちが対策を していなかったわけではないと思う。


 耐震設計の家にしたって聞いていたし、棚や高いものが振動で倒れない様に突っ張り棒もしていたし、我が家では避難訓練も一年に一度はやっていたから。


 でも、やっていても結局は体験したことのないものに対応していても、想定以上のことが起きた場合には意味がなかったってことなんだろうと思ったの。


 だって無限の対策にはお金もかかる。震度6は滅多に来ないから、これまでに多かった震度5に対応して家を設計しようってなると思うの?

  

 リスクを高く見れば見るほどそれに対応する費用って、比例式に増えていくと思うんだ。だから、私たちが日常をつつがなく送れるレベルで可能な限り起こりやすい災害への対策になると思うの。



 だから想定外の震度6やもしかしたら、震度7が来た場合にはその対策は意味をなさないんじゃないかな。


 私が転生した時の地震はかつてない規模だったっていうし、きっとそういうことなんじゃないかって思うの。

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