耕作放棄地と自然災害 その5
あっもう一つあった。難民がこっちに来るってことはオーツ領の人口が減るってことだし、来年の収穫量にも影響するね。それでどんどん減っていったら領地の維持が出来なくなるんじゃないのかな。
確かにお父様の言った通り、たった数文字の言葉だけど、かなり不味いことになるわよね。でもこんなこと言われないと気づかないよ。
やっぱりお父様は、ベジタル領地を治めているだけあって凄い人だな。
「分かりましたわ。お父様」
「おおっもう分かったのか。ではキャロット答えてみなさい。」
「はいっ、不作でしたので、領地の食糧も、減っているので、お腹を空かせている人がたくさんいると思います。」
「そうだよ。その通りだよ。不作だから王都に出荷すると残りがオーツ領の分だからね。そこから来年の種を取っておくと、残りが食糧になるわけだがとても少なくなるな」
「なるほどそう言うこともあるな。」
「マッシュもそう言うなら別の考えがあるんだろう?」
「ええ、僕は、麦の不作により、麦の相場が高騰すると思いました。あとは、労働者が給料をまともに貰えなかったので多分生活出来なくなるからより稼ぎのよい都市部へ出稼ぎに行くと思いましたよ。というか行かないとキャロットじゃ無いけど食べるものがなくて飢え死にしてしまう。」
「マッシュの言う通りだな。うちの麦は通常通りだったが市場価格は例年よりも高かった。それと出稼ぎの件もあっている。働ける人は家族を残して都市部に行くだろう。アカネはどうだい?」
「ええ、二人の言う通りだと思いますわ。。。。」
「アカネどうしたんだ歯切れが悪いけど。」
「お姉様はどのように考えたのですか?とても興味がありますわ。」
「アカネ、二人と考えが違っていてもいいんだよ。さっきも言った通り厳密な正解はないし、どれもが正解でもある。」
「なら、ええと、考えすぎのような気もしますが、大量難民が隣の領地のここに来るのではないですか?それに加えて、来年のオーツ領地の労働者が不足するので更なる不作になるのかなと思います。領地の維持が難しくなるのではないですか?」
あれ?やっぱり何か間違えたかなみんなポカーンとした顔でこちらを見つめている。やっぱりちょっと考え過ぎだったよね。そんなことになる前に対処してるわよね。
「あーごめんなさい。行き過ぎでしたね。取り消します。」
「いやアカネそれも正解だよ。いやはやすまん。すぐに回答出来なかったのは移民が来ることはあるが、それが領地の経営に影響を与えることは結びつかなかったからだ。確かに労働者が減れば、単純にいえば栽培面積が減るが、それも一人当たりの栽培面積を増やせば賄えるからな。とはいえ、それにも限度があるからな。」
「そうです。お姉様、キャロットには思いもつきませんでしたわ。お腹が空かせているならうちの食糧を分けてあげればいかなと思ってましたので。」
「そうだよ。アカネ、移民が来るなんて考えもつかなかったよ。都市部に稼ぎには出かけるけど、残った人の食糧が、ないのは変わりないもんな。裕福な領地に移動するのが当たり前だな。」
あっててよかった~。学校でも私一人だけ意見が違うことが多かったからこういう場で考えをいうのってちょっと苦手なんだよね。受け入れてもらえてよかったよ。
「キャロットちゃんもマッシュ兄さんもありがとう。私も二人の考えは想像がつかなかったので勉強になりましたわ。お父様。お父様の考えはどうなんでしょう。」
「みんなが考えたことはもちろん困ったことであり、由々しき事態でもある。私が言うことは歴史を見てきたから分かることなんだがね。」
歴史か、学校で勉強したけど年号や何か事件が起きたとかであまり興味がなかったわね。テストのために勉強することはあったけど、勉強したから何になるんだろうね。




