耕作放棄地と自然災害 その2
「そうだなキャロット。よく覚えていたな。」
そう言ってお父様はキャロットちゃんの頭を優しく撫でてあげた。
「えへへっ」
「でも、お父様。よくあることでしたら、そんなに心配することもないのではないですか?」
「そうよあなた。わざわざ朝の団欒を不吉な予兆で壊さなくても良いのではなくて?」
「ふむ、母さんの言うことももっともなんだがな。私たちは領民の生活を預かっている領主一族だぞ。何かあってから対応していては遅いだろう。」
なるほど、お父様は、病気や災害、需給のバランスをあらかじめ予想して対策しておこうってことね。そういえば、おじいちゃんも天気予報とかニュースとかはしっかり目を通していたし、毎日田んぼや畑で稲や作物の様子を観察していたな。思えば他の田んぼや畑で、被害が出てた時もうちだけはそんなに被害がなかったな。
「確かにそうですね。お父様。仮に被害が大きくなるのなら小さなうちに摘み取るなり対策しておけば、被害はグッと小さくなりますね。」
「その通りだよ。アカネ。もしかしたらうちのところでも起こるかもしれないというのが大事だ。」
「確かにそうだね。父さん。お隣のオーツ領でもきっとうちは関係ないし、大丈夫と油断していたから今回の被害になって、損害がでかくなったのかもしれないね。」
「マッシュその通りだよ。何事も自分事にして置き換えて、本当に大丈夫か?もしそうなったらどうするかが大事なんだ。うちだけは絶対大丈夫なんて、うまい話は、ないからな。」
「でも、お父様、全てを自分事にしてしまったら、すごく考えることが大きくなって、頭がパンクするのではありませんか?」
「もちろんその通りだよ。細かいことの積み重ねだからな、自分に関係ありそうなことと関係なさそうなことで、振り分けないと全部が全部一切合切考えては普段のことが頭に入らないからな。」
それはそうよね。私は農家育ちだから、農作物の病気や虫の発生は関係あるけど、普通の学生にしたら全く関係ないのよね。逆に加工場の子だったら銅や金属の値段が上がるのは関係あるけど、私には関係ないからね。全く関係ないわけじゃないけど、農具を買うのには、金属を使っているから価格が上がるからね。
それでも影響は微々たるものだわ。最終的な影響度合いについて、大きいものについては考えた方がいいのかもね。でも、関係あるなしって、相当訓練を積んでないと分からないんじゃないかな。今回の件にしたって、私は聞いてもうちに影響あるとは微塵も思わなかったもん。




