風土病にはご用心
イイね、高評価、ブックマークありがとうございます。
とても嬉しいです。これからも宜しくお願い致します。
「いただきまーす」
ベジタル家は朝から大忙し。パン焼いて、唐揚げ揚げて、と天ぷらも揚げて、朝からそんなヘビーなもの食べて大丈夫って感じだよ〜
「アカネちゃん、パンがなくなりそうだから、今焼いてるやつ取って来てくれる?」
「はーい、お母様」
〜〜〜以下、これまでの概略〜〜〜
私の名前はベジタル・アカネ。日本に住んでる時の名前は、黒沢茜、男の子。不幸なことがあって、こちらの世界に転生してきたんだけど、今どきで言う悪役令嬢のレディアント・ガーネット嬢に転生したんだよね。
王子様と婚約してたらしいんだけど、おいたして、婚約破棄されて辺境に売り飛ばされた所に私が転生してきたんだよ。魔法の使える世界も驚きだったけど、憧れの女の子になれた私はガーネットには悪いけど、とても感謝している。
〜〜〜詳細は本編をお読み下さい〜〜〜
私は熱々のオーブンから焼き立てのパンを取り出して、お皿に並べ食卓へ運んだ。
「はい、追加のパンですよー」
持ってきた熱々のパンは、お父様やマッシュ兄さんにまたたくまに持って行かれた。
それを二人は美味しそうにもぐもぐと食べる。
「うっぐぐぐ。」
お父様が苦しそうに喉を押さえ、床に倒れてしまった。
「父さん」
「あなた、はい、お水よ。」
お母様はパンを喉に詰まらせたせいかと思い、コップに水を入れて持っていった。
「母さん。違う、喉が…喉が焼ける様に痛い……。」
???どういうことなのかな?普通は、お餅や飴を喉に詰まらせるのを想定するんだよね。喉に食べ物が詰まって、空気の通り道がなくなり、窒息するから。
でも、お父様は、喉が詰まっている訳ではない?詰まっているなら、話すことはできないものね。空気を通して、音を発することで話してるんだから。
「ちょっとあなた、手を離して見せて!」
お父様は、苦しみながらも喉に当てている手を離した。喉は、真っ赤にはれ、ブツブツと腫れ物が出来ている。これは何?この世界特有の病?
「うわっ、何これ。母さん大丈夫なの?」
「マッシュ…少し不味いかもしれないわ。」
お母様が、お父様の額に手を当てる。
「やっぱり熱も高いわね。」
さっきまで普通に食べてたのに、そんなに悪化するのが早いものなの?
「母さん、一体なんなの?」
「お父さんを床に寝かしとく訳にはいかないわね。マッシュ寝室まで運んでくれる?アカネちゃんは、桶に水を張って、タオルと一緒に持ってきて。キャロットちゃんは、コップとお水をお願いね。」
「「「はい、マム」」」
揺るぎないお母様の判断に皆が従って動き出す。