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2:図書館

 少し前に図書館が舞台の漫画にハマった。もともと図書館が大好きなので、興味深く読んでいるしより図書館のことが好きになったしもっと図書館と本のことを大切にしようと思うようになった。

 そんなわけで今日は図書館の話。

 幼い頃から読書が好きだった。絵本や児童書や図鑑を読めば知らない世界にいけるし実際にあることを知れる、実際にはなくても想像の世界の広さを知れる、とても素晴らしいものが本だ。特に物語の本が好きで小学校高学年くらいには大人が読むような小説も読んでいた。難しい言葉があれば調べたし、単語にはかっこいい響きのものがあるということに気づいてからは「こんな難しくもかっこいい単語を知れるなんて最高だぜ」ぐらいのことを思っていた。そしてかっこいい単語を知ってる自分にもかっこいぜと思っていた。

 知らないことを知れるのは楽しい。単純な探求心だった。

 だからそんな楽しいものをたくさん提供してくれる図書館、図書室は私にとってはパラダイスだった。

 小学生の時、中学生の時、高校生の時、大学生の時も図書室、図書館で過ごした思い出、好きだった本や思い出のエピソードを今でも覚えている。

 小学生の頃は学級文庫もあってそれも好きだったし、朝読書の時間というのがあった。その時流れていた朝読書をお知らせする音楽が今思えばクリスマスソングだったのは謎だけど、そういう音楽まで覚えている。楽しい記憶だったからだろう。小学校の図書室の好きな本がある場所は入口入って右を少しいったあたりだったな、とかまで覚えている。

 中学は調べ学習を図書室でした時もあったな、校舎のどこにあったかも覚えているし、思春期こじらせていたので中学で読んだ思い出の一冊はあれだな、とか覚えている。

 高校になると雑誌が図書室に置かれていたので、絵本雑誌とか読んでた。わりと図書室行っていたので司書の先生とたまに話したな、とかも覚えている。

 だが、いつからか図書館が本の置き場という認識から、自分にとっての居場所になっていた。


 はっきりとそれを感じたのは大学生の時だったと思う。

 中学生の頃に人間関係をこじらせて以来、合わない人に無理に合わせて疲れるよりは一人でいいやと思うようになった大学生の時、友達もなく広い大学で授業の隙間時間(90分)を消費するには明確な居場所(物理)が必要だった。カフェやラウンジにも物理的居場所はあったが、特に飲食店は毎回お金を払うのもなんだし、ラウンジはぼっちが長居するには不向きに思えたのだ。そうしてやや消極的な理由で選ばれたのが図書館だった。図書館は素晴らしい、もともと大好きな本がたくさんあるし、入場料もないし、誰かが一人で座っていてもなんの違和感もないのだ。

 大学の図書館ではまず入ってすぐに新聞を読むようになった。読む新聞は昔実家でとっていたからという理由である一社を最初に読む。そしてもうひとつはなんとなくでいつも二番手になってる某社。そのあと気分がのったり時間がたっぷりあれば他の二、三の新聞を読む。とはいっても読むのは一面と四コマ漫画と、めくっていてなんとなく気になった記事と、歴史や文化や美術が関係しているような文化欄ぐらいだった。新刊書評とか博物館情報とかも好んで読んでいた。いろんなお仕事の人がお答えする悩み相談コーナーみたいなのもわりと読んでいた。

 たぶん今も新聞読むのも好きだけど今はあんまり時間がなくて読んでいない。

 そして新聞を読み終えた後は、小説コーナーに行くことも多かった。大学生の頃が人生で一番たくさん本を読んだと思う。ゆっくりと書架の間をめぐって背表紙に書かれたタイトルのみで想像をめぐらせて興味が出た本を手に取ってみて冒頭の数行だけで読むことを決める、という時間が今も大好きだし、とっても贅沢な時間なんだと思える。

 大学の図書館なので自分の専攻した分野の入門書や中級向け本や、専門書が置いてあるのも楽しかった。授業でならったこと、習っていないけどめちゃくちゃ面白くて興味が出たことを本で知れて、夢中になって読んでいた。今からしたら勉強熱心というほどではなかっただろうけど、図書館でそういった専門書を読めることもすごく楽しくてハマっていたし、知識が増えるのが嬉しかったんだと思う。

 こうしてどんどん図書館が素晴らしいところ、すべてを教えてくれるところという認識が深まっていく。

 はじめはぼっちが行くところがなくて仕方がなしに行きはじめたような図書館だが、普通に読書好きなので自分にとってのお宝がたくさんある天国だったというわけだ。


 ちなみに一応自分は図書館司書の資格を持っていて、それは大学で必要単位を取ればもらえる資格ではあるんだけど、その必修授業も楽しくて日本の図書館の仕組みを知ることができて嬉しい! 楽しい! 小学生の時に日本の物語本の背表紙に「913」って書いてあったことに気づいてたりしたけどあれは日本十進分類法のことだったのね、と伏線回収したりもした。

 当時も真面目に受けてたけどもっともっと勉強して図書館の授業を楽しんでいたらよかったなとも思った。

 司書資格の授業を受けているところからして、実は図書館で働きたいという夢もあったりしたが狭き門だったので働けていない。働きたいと思った場所なんだから、大学の時にまず図書館バイトでその世界を経験したらよかったのに、と今になって思う。

 働くわけではなくただお話を聞くだけの授業だから思うのかもしれないけど図書館学の授業楽しかったな……。基本的に自分の興味のあることの話を聞くのは大好きなので。


 そして図書館は社会人になってから資格をとるために勉強をしはじめた時に更に私に居場所を提供してくれた。

 私、家で勉強できないんですよね!(大文字)

 家だと別のことして遊んじゃうので……。最初に勉強をする場所として選ばれたのが図書館。だが図書館にも限界があり閉館日、閉館時刻もあるので毎日とにかく退勤後にひたすら勉強したい(実際毎日集中できているかどうかは別)のでカフェやファミレスで勉強をする時もあった。この単元終わらせたいから図書館閉館のあとはカフェだ! みたいな。

 だが飲食店はおしゃべりをする人々が来る場所でもあるので、集中ができない。図書館の静けさがかけがえのないものだと気づいた(もちろん図書館で一言もしゃべるなとまでの厳しいことは思わないけれども)。ファミレスはとにかく料理を頼みまくりたくなるのも問題だった。

 そんなわけで図書館の落ち着いた空間がホッとすることに改めて気づいた。

 だからコロナで最初の緊急事態の頃、図書館が一ヶ月単位で閉館した時には衝撃だった。当然閉館中は本を借りられないし、物理的に居場所がなくなるわけだし、けっこうショックだった。閉館する数日前に閉館予告があったので閉館前に飛び込んで何冊か本を借りたものだった。


 総合して趣味読書だからというだけでなく、ぼっちにも金欠の人にも勉強したい人にも優しく居場所をくれる図書館という場所に感謝しかないのである。ソフトだけじゃなくハードも大好き、それが図書館(?)

 資格の勉強が終わった今でも図書館に行くのは大好きだし、用がなくても行くし、図書館は神羅万象を教えてくれると私も思っているので、今後も通い続け借りた本を大切に扱っていこうと思う所存である。

 ちなみに図書館の漫画は『税金で買った本』というタイトルなのでお仕事もの、図書館が大好きな人にはオススメの漫画である。ぜひ読んでほしい。

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