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死は文の最後に着くピリオドのようなものでそれなしで人生が終わることはない。むしろ終わりというのも死をそう言い換えたものである訳だ。
事故死、病死、他殺、自死、老衰。死に方には色々ある。主人のために全身に矢を受け止めたり、敵の軍勢に単騎突進したり、そんな英雄的な死。人生の最盛期。そこでの死。それを過ぎ、ただ朽ちていくだけの右肩下がりの人生を暮らすのではなく絶頂において死ぬべきなのだ。
僕の人生において最適な死に方は決まっている。愛し愛された女性に殺されるのだ。
人生における最大の幸福こそが愛し愛されることである以上、その愛に陰りが見えた瞬間、上昇に陰りが見えた瞬間に死ぬ。これこそが僕の人生の最後にふさわしいはずである。だから僕は僕を殺してくれる人を探している。




