人外と借金少年
お久しぶりです。山吹莉狼です。
まず初めに投稿が非常に遅くなってしまい申し訳ありません。
あと前回は誤字だらけでこれまた本当に申し訳ありません。
課題でかなり忙しくこれからも投稿頻度はクッソ遅いと思いますが温かい目で見守ってくれると嬉しいです。
それでは楽しんでいってください!
俺が空に向かって手を伸ばしたその時だった。
手のひらから光に包まれた何かが生み出される。
それは少しづつ生き物のウロコのような形を形成していく。
次第に光は弱まっていき光が収まった頃には透き通るような水色をした大きな一枚のウロコと思われる板になった。
「なんか出た…」
あまりの出来事に良い言葉が見つからないくらいにまで動揺しているのが分かる。
俺はたった今創り出したばかりのウロコを日にかざして眺めてみる。
…これ高値で売れるかな?
「なるほど…、夢幻の力ですか。…彼なら、成し遂げられるかもしれない」
コンクリートで出来たビルの間の細い路地で一人の男が静かにたたずんでいた。
その男は口元に小さな笑みを浮かべるとその路地をさらに進んでいった。
「鈴木龍雅か…。彼女には君が必要だ。」
「ただいまあ~」
「おそかったですね。龍雅さんのことですからもっと早くに帰ってくると思ってました」
「お前俺をなんだと思ってんの?」
あの後ウロコを売りに行こうとしたが、あいにくこの町に疎い俺は迷子になってしまい、結果的にギルドに辿り着き、そこで簡単そうなクエストをこなしてきた。
「きっとコヤミちゃんも僕と同じ考えなんだよ。クズな君が真面目に働くわけがないってね」
「おうそうかい!お前には俺がどんな風に映ってるのかがよーくわかった。で、誰がクズだって?」
「君がクズだって言ったんだよ。おそらく金目の物を探してふらふらしてたけど見つからなかったってとこだろう?それともあれかい?金目の物はあるけど換金できる場所を知らないとかそんなところかな?」
こいつ…‼クソガキのくせになんでそんなしっかり俺のこと見透かしてるんだよ‼
「上等だコラァ‼こんな狭い小屋じゃ狭いからな!表出ろやあ‼」
「今小屋って言ったかい⁉この家は魔王軍をやめてお金も住処もないときに建てた僕のすべてなんだぞ‼」
「もう!二人とも喧嘩しないでください‼」
数分後、
「落ち着きましたか?」
「ああ、少し大人げなかった…。反省してる。」
はあ、病人に叱られるって情けねえ…。
「リアちゃんも落ち着きましたか?」
俺は反省したとわかると次はリアに声をかけるコヤミ。
「落ち着けるわけがないだろう⁉この家はサイズのわりにお金がかかってるんだぞ‼一体僕がどれくらいの借金をしたと思ってるんだ⁉」
…‼…借金?
「こんなのに借金なんてしたのか?」
「こんなのって言うな!僕だって好きでこんな家に住んでるんじゃないさ!だけど五百万もはらってこのサイズしか買えなかったんだ‼人間にはわからないだろうな!人外の気持ちなんて‼」
「なあコヤミさっきリアが言ってた人外ってなんだ?あと人間がどうとか言ってたけど?」
俺の問いにそんなことも知らないのかという目を向けてくるコヤミ。
はあ、と一度ため息をついてコヤミは話し出した。
「人外ってのは人間じゃないでも『ヒト』であることには変わりない人類のことをいいます。一概にそうとは言い切れませんが人間よりも何かが秀でている代わりに足りないものがあるといわれています。そのことは人間にとっては好都合でした。様々な人類が存在し彼らは決まった生息域を持っていました。ですがある時を境に人間が自分たちの住処を広げていきました。それぞれの種族が個々のやり方で応戦しましたが結果は何処も敗戦。これが人間革命。この戦争後は人間中心の世界が創られていきました。人間に都合のいいように創られたこの世界では人外は差別の対象、言わば奴隷のような生活を約束されました。それが何百年、数千年も前の話。今となっては奴隷的拘束はなくなりましたが今でも差別は根強く残ってます。リアちゃんもおそらく霊能力者だからという理由だけで不当な金額で購入させられたんでしょう」
人外差別、不当な金額での商売…。
「はあ…」
「どうかしましたか?」
「…いや、何でもねえよ」
どこの世界も世知辛いって思ったくらい、かな。
「リアはいるか?」
次の日のクエストの帰り、
「換金所なら教えないよ」
「誰もんなこと聞いてねえだろ!」
俺が声を荒らげるとリアはじゃあ何の用だ、とでも言いたげな表情でこちらを見つめる。
「お前まだ借金あるだろ?いくらだ?」
「な⁉関係ないだろ!」
まあ、大方予想道理の反応だな。
「いーや!関係あるね!こっちはお前に住まわせてもらってる身だ。借りは作ったままじゃダメなことぐらいアリンコでも知ってるわ!」
「借りってほどのことではないだろう。君はあくまで友達の連れ、言わば他人なんだよ」
「でも他人である前に同居人でもあるだろ?」
俺の反論に面倒なことになった、という表情のリア。
「なんでもするぜ?」
「だから他人にそこまでしてもらえないっt…」
「俺はお前のことをダチだと思ってたんだが違ったのか?」
うつむいてだんまりをきめるリア。
「何k…」
「三千万…」
「は?」
ポツリとつぶやいたリアに俺は思わず聞き返した。
「三千万だって言ったんだよ!元々魔王軍に入った理由も親の作った借金の返済が目的だったんだ‼親が作った借金と今回の借金、合計で丁度三千万なんだよ。聞き出したのなら何とかしてよ…」
そういって俺の服を掴み俯いたまま肩を震わせるリア。
「ダチなんでしょ?」
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。作者の山吹莉狼です。
はい、前回コメ欄で投稿頻度遅いよって怒られました。本当にすみません。
あとコメントありがとうございます。善処します。
はい、というわけで今回はこの物語のカギを握る重要回でした。
人外差別、リアの借金、謎の男。
次回あたりから絡む予定のネタもありますね。
それとそろそろ新キャラを下す頃ですね!
たのしみです。もう八月なのに四月の話をダラダラと…。
まあ言ってても仕方ないんで、夏休み‼頑張ってみようかなと思います!
…課題終わってから…。
ということで、今回も最後まで読んでくださった皆さんが楽しんでいただけたのなら幸いです。
それではまた次回‼