第2話 何故か美少女と帰ってる件について
第2話〜!
何だか話が進みそう…!
入学式の日といえば普通帰りが早い日なのだが…
「…暗っ!」
図書館に入り浸っていたら、日が沈みかけてる時間になってしまった。
何斗科西高校は比較的最新鋭の高校である。
故に、本もいっぱいある!!
にしてもさぁ…なんか一言言ってくれてもいいじゃん…
なに?基本的は放置主義なの?ならしょうがないけど。
「はぁ…帰るかぁ」
あ、もちろん友達なんていない。いたら図書館で寂しく本なんか読んでない。
でも、やっぱ誰か1人くらい知り合いはいた方が…。
「ねぇ、そこのあなた」
…危ねぇ、反応するところだった。反応したら自分じゃなくて向こう側の友達に呼びかけてるみたいなパターンでの辱めだなぁ、これは。
知ってるよ。おれじゃない。おれに女子の知り合いなんていないもん
「ちょっと、そこのあんただってば」
……違う、絶対に違う
たとえ、この図書館に俺と誰かに話しかけてる奴の二人だけだとしても
俺ではない。
「そこのぼっち君よ」
「あぁ!?誰がぼっちクソコミュ障根暗野郎だ!」
「そこまで言ってないけど…」
はっ!しまった!反応してしまった上に怒鳴ってしまった
振り返ってみれば、そこにはクラスの奴らが美人と騒いでた「皇 椿」がいた
やべぇ、やっちまった
「あ…あ、あの、ごめ、あ、すみません…」
謝罪でさえ気持ち悪いとか俺もう泣きそう。
「いいのよ、変なこと言っちゃった私も悪いし」
あ〜、もう気を遣わせてしまったよ…
ホント俺というやつは…
「あ〜、別に気を遣ったわけじゃないわよ」
「えっ!?あっ、はい…」
ナチュラルに心読まれた。
「あっ、あっ!それより、何か俺に用があるんじゃ…?」
「あぁ、そうなのよ」
俺に用とかもうパシリ以外考えられないけど。
「あなた、さっきから推理小説ばかり読んでたわよね」
「えぇ、まぁ、はい、好きですし」
というか、この人なんで俺の読者風景なんか見てんだろ
この人も相当に変人なのか
「そこで、あなたに折り入って相談があるのよ」
さぁ、こい!パシリでも何でもいい!
「少し、私に付き合ってくれないかしら?」
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これぞ、春の夜の夢のごとし…
少し前に付き合ってくれと言われて皇さんと一緒に帰ってるなう
何がどうなって、万年ぼっちと絶世の美女が一緒に肩並べて歩いているのだろうか。呪われそう
もう一度言う。ただ春の夜の夢のごとし…それ死んでるやつじゃん
「えっと…あの…皇さん?」
「椿でいいわよ、あと敬語もやめて」
笑顔で言ってくれてるが、難易度たけぇっす…
まぁ、お言葉に甘えようか
「じ、じゃあ改めて、椿」
「何かしら」
椿は満足気な笑顔を見せた
かわいい(切実)
「俺らはいったいどこへ向かってんだ?」
「んー、事務所?かしらね!」
えっ!?事務所!?あれか!?体に刺青とか、髪の毛剃ってサングラスつけてるムキムキの人たちがいっぱいいる…
「ヤクザの事務所じゃないわよ?」
本当に怖い。心読まれてるだろこれ
「事務所に関しては着いた後説明するわ」
「そ、そうか…あ、それと、なんで俺なんだ?」
「あなた、読者好きって言ってたじゃない?それも推理小説」
「そ、そうだな…」
「何か頭良さげじゃない!」
目をキラキラさせて言った。うん、この子あれか、さては馬鹿か?
「何失礼な事考えてるのよ」
「いや、もうほんと怖いわ、心でも読めるの?」
「あら、ホントに考えてたの?残念ね…」
げっ!墓穴掘った…
「私ね、昔から勘はいいのよ」
「にしても、すごいな…」
だってここに来るまでに3回は読まれたもん
「って、ホントに頭が良さげって理由だけなのか?」
「あと、もう一つあるわよ」
もう俺に残された取り柄は…
あ、ちょっと運動神経がいいぜ!
まぁ、椿が知ってるわけないか
じゃあ、もうないじゃん。それに読者好きが取り柄とも言えんわ。
「あなたの名前が気になったのよ」
「名前?」
たしかに、シオンって中々…変?
いや、変とかいうなよ。そこそこかっけぇだろ
変なのは俺であって…
「あなたの名字が気になるの」
「は?名字?」
「さ、着いたわよ」
事務所と称されるその場所はレストランだった
え?まさか、事務所と偽って俺とお食事…
「馬鹿なこと考えてないで、入るわよ」
また、心読まれた…
終わりぃ!
第3話で色々わかります…!
設定だったり人物だったり!
じゃあ次回で!