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異世界召喚 魔法と剣の国エクスピア  作者: 武蔵野純平
北部遠征(第四章)
64/75

災厄の日アルフレッドの日(63話)

今回は短めです。

戦闘シーンで過激な描写があります。


 アルフレッド・ドラゴ・バーグマン。颯真伯爵家一門家令。

 彼はドラゴンと人間のハーフである。


 彼の体は父親のドラゴン譲りで身体能力は非常に高い。

 力や速さは、人間の基準では測れない。ドラゴンを基準にしなくてはならない。


 彼の戦闘スタイルは、殴る、蹴る、踏んづける、つかむ、ぶん投げる、叩きつける。

 剣の刃も彼には通用しない。ドラゴンの様な頑丈さを誇る皮膚が鉄の刃をくだいてしまう。


 そんなアルフレッドと戦う事になった男爵家家令ロドリゲ配下の兵士にとって、アルフレッドは災厄その物であった。


「俺の名はアルフレッド・ドラゴ・バーグマン。颯真伯爵家一門が家令……。戦闘スタイルは肉弾戦、殴り、蹴り、握り潰し、踏みつぶす。あるじに歯向かう全ての生きとし生けるものを肉塊に変える事こそが、俺の望み……。」


 アルフレッドは名乗りを上げると、兵士達に襲い掛かった。


 手近な兵士の頭を鷲掴みにするとそのまま片手で放り投げた。

 投げられた兵士は窓を突き破って、城外に飛んで行って落ちて死んでしまった。


 次の兵士は横からただ顔面を殴られた。

 それだけで、首がねじ切れて死んでしまった。


 その次の兵士は腹を蹴り上げられた衝撃で体が浮き上がえり、天井に激突した。

 内臓が破裂し死んだ。


 そのまた次の兵士は、上から平手で叩かれ床にメリ込んでしまった。

 肩から上を潰されて死んだ。


「うわははははは! 鍛え方が足りん!」


 アルフレッドの戦いが終わった。

 彼の手には仕留めた兵士の血と脳漿が付いていた。


 優雅な手つきで胸元のハンカチーフを取り出し、手の血汚れをゆっくりとぬぐい取る。

 アルフレッドは、血まみれのハンカチーフを、男爵家家令のロドリゲに投げつけて怒りのこもった声で告げた。


「お前を殺すのは俺の仕事じゃない。もう少し待ってろ」


 その隣では楓隊の戦いが行われていた。

 年上の美月が陽菜ひなに冷静に告げた。


「その大きい男は任せます。迷わず斬り捨てなさい」


 陽菜ひなの前には大男が大ぶりな剣を両手で構えていた。

 対する陽菜ひなは刀を右肩にかつぐ様に構えていた。


 大男は、陽菜ひなの持つ刀が陽菜ひなの背中に隠れて見えない。

 陽菜ひなの刀の間合いがわからず、攻撃を仕掛けられずにいた。


 陽菜ひなは戦闘経験が少なかった。しかし、迷いはなかった。

 背中にしょった刀を大きな軌道で遠心力を付け、刀の重さをあわせて大男に遠い間合いから打ち込んだ。


 陽菜ひなの刀は、幅が太く長い特別にこしらえた太刀であった。

 遠い間合いから打ち込まれた陽菜ひなの一撃は男のこめかみから刃が入り、頭部、頸部、胸部を斬り、脇の下を抜けたところで止まった。


 大男は袈裟に斬られた斜めの線で、体がずれ落ちた。

 相手を斬り伏せた陽菜ひなは不満そうにつぶやいた。


「もっと実戦を積まないと……」


 陽菜ひなは右手にいるアルフレッドをチラリと見た。


(一人くらい回してくれても良いのに!)


 陽菜ひなの心の声はアルフレッドには届かなかった。

 アルフレッドは自分の戦いを終え、腕を組み楓隊の戦いを眺めていた。


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