表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/75

わたしぃ、颯真とエッチしたのぉ(32話)

「そうまぁ~!朝だよぉ~!おはようのきしゅぅ~!」


「うおっ!おお・・・。」


俺は、リナの声とキスで目が覚めた。


「ふふふ・・・、そうまぁはね。お腹出して寝てたよぉ。」


リナがベッドの上にうつ伏せになって、機嫌良さそうに尻尾をユラユラと揺らしている。

俺に小悪魔的な笑顔を向けている。


昨夜のリナは女豹めひょうだった。

俺はリナと関係を持つことを躊躇ためらった。


リナが子供っぽく見えるので、なんとはなく、罪の意識を感じたし、かえでに悪い様な気もしたのだ。

かえではリナと相談して一日交替で俺の夜の相手のローテーションを組んでくれたのだが、そう言う事が、果たして許されるのか悩んでしまった。


だが、女豹めひょうとなったリナはのがしてくれなかった。

俺はリナの餌食えじきになった。


・・・すごい良かったッス!


「ねぇっ!もう一回ちゅうぅ!」


リナが上から俺におおいかぶさってきた。


「・・・ん。」


リナと唇を合わせる。

幼い見た目に似合わずリナのキスは凄いと言うか、とにかくキスだけで感じさせられてしまう。


俺は、煩悩ぼんのうを振り払って朝の支度をする事にした。

昨日の朝は、かえでとしていた為、城への出仕しゅっしが遅れてしまい、あっちゃんと執事から、冷やかされてしまった。

何度もあれはまずい。


リナは服を着替えに自室に戻り、俺は服を来て1階のキッチンへ降りた。

かえでがせっせと朝食の支度をしている。


俺はかえでに対して気まずいのだが、思い切って朝の挨拶をした。


かえで!おはよう。」


振り向いたかえではツカツカとこちらに近づいて来た。

やばい!リナと寝たのは、なんだかんだでかえででとしては、面白くないのか?と俺は身構えた。


かえでは俺の正面に立つと俺をグイッと引き寄せ、キスをして来た。


えええ?!このタイミングで?!また?!


訳が分からない。

なぜこのタイミングで俺にキスして来るんだ?

昨日に続いて、又、だ。


かえでは俺の口に舌を差し込むと、強引に舌を出し入れして来た。

最初、混乱した俺だったが、徐々にかえでに合わせて舌を出し入れした。


長いキスが終わると、かえでは両手を俺の首に巻き付けたまま、笑顔で朝の挨拶をしてきた。


「おはようございます。ご主人様。今夜は私を可愛がってくださいね。」


*************


城に着くと執務室へかえでとリナと三人で向かった。

執務室は家具が入ってすっかり立派な部屋になっていた。


「しゅごぉーい!」


リナは大はしゃぎで、ソファにゴロンと転がたっり、仮眠用のベッドで飛び跳ねたりしている。

俺の執務用の立派な机がドン!その手前、入り口から見えるところにアシスタント用の机が用意されている。

今は空っぽだが、本棚や食器やお酒を入れる棚もある。


応接用の3人用のソファが2つ、一人用のソファが2つ、応接テーブルを囲んで配置されてる。

窓際には、ちょっと大きめの食事や作業が出来るテーブルが一つ。部屋の奥には、仮眠用のベッドが衝立ついたてに仕切られて目立たない様にセットしてある。


椅子は空いている壁際に多めに配置されていて、ちょっとした会議ならここで出来そうだ。

全体的に重厚過じゅうこうすぎず、かといって安っぽくない印象で、若い俺には丁度良い。

ブリューナに任せたのは正解だったかもしれない。


かえではこの机を使え。」


「よろしいのでしょうか?」


「リナは気ままにその辺でゴロゴロしてるだろうから、アシスタント席はかえでの席で良いいだろう。」


「はい。ご主人様ありがとうございます。」


かえでは、自分の席が出来て嬉しそうだ。


「ご主人様、今日はいかがいたしましょうか?家の荷物の整理や掃除を済ませたいと思っているのですが、リナを執務室に残しましょうか?」


そうなのだ。

家の方は、ベッドやら机やら大物はセットされていたのだが、皿とか細かい物は、木の箱やカゴにまだ入ったままなのだ。

俺は困らないが家事をするかえでが困る。


「今日は家の整理を頼む。俺は訓練で一日城にいるから、護衛はなしで大丈夫だろう。リナ!かえでを手伝って家の片づけな!」


「はぁ~い!」


リナが元気に返事をしたが、どれくらい家事の戦力になるかは未知数だ。

なんとなーく、だめそうな気がする。


それと俺は気になっていた事を、かえでに相談する事にした。


かえで、ショウユってわかるか?黒い塩辛いソースなんだ。東の方にあるらしいのだけど・・・。」


「ああ、醤油ですね。王都で扱っている店がありますよ。」


やった!やった!やった!

大正義醤油ですよ!


ずっとエクスピア風の塩味系料理だったから、正直飽きて来たんだよね。

イチロー・タナカさんの手紙に東の方に醤油があるって書いてあったから、ダメもとで聞いたんだけど、いや~良かった!


「それ!今日買っておいて!俺の国では醤油で味付けするのがメインなんだよ!」


「私の故郷、東の武士団も味付けは、醤油ですよ。じゃあ、今夜は私の故郷の料理にしましょうか?」


「いいね!ひょっとして、米?味噌とかもある?」


「はい、手に入りますよ。ご主人様は、お米がお好きなんですか?」


「うん!白いご飯に味噌汁!」


「かしこまりました。では、今晩は、東の武士団風の食事を用意いたします。」


本当に嬉しい!

今日でこの世界に来て7日目だけど、思ったよりも早く日本食にありつけそうだ。


かえではニコニコ笑っている。

故郷の料理を食べるのが嬉しそうだ。

リナはソファにゴロンと転がりながら、こちらの話を聞いて、かえでの料理に期待した顔をしている。


「それ、僕もお願いしていいですか?」


あっちゃんが、満面の笑みで顔を出した。


「おー!あっちゃん、おはよ!」


「おはようございます、颯真そうまさん。かえでさん、お金出しますから僕の分も買ってください。銀貨2枚くらいで大丈夫ですか?」


あっちゃんは、かえでに銀貨を握らせた。


「はい!一緒に買っておきます!」


これをきっかけに、オレ、あっちゃん、かえでで、朝から料理談義が始まってしまった。

俺が豚の生姜焼きの話をしたら、かえでは作れそうだと言ってくれた。


大正義!豚の生姜焼き定食だ!

楽しみが増えた。


リナはニコニコと三人の料理談義を、俺達の横に来て聞いていた。

あっちゃんがリナに話しかけた。


「リナちゃんだよね?昨日は話し出来なかったね。僕はあつしです。よろしくね。」


リナが幼顔のせいだと思うが、あっちゃんは子供に話す様な調子で、リナに挨拶した。

リナは、話しかけられたのが嬉しかったんだろ、甘える様な声を出した。


「よろしくねぁ~。あつしはぁ~、そうまぁと仲良しなのぉ?」


あっちゃんがニコニコと、親戚の子供に話しかけられた様に返事した。


「そうだよ。僕はね、颯真そうまさんと同じ部屋にいたんだよ。」


「あたしもぉ、昨日同じ部屋だったよぉ。」


「・・・。」


いかん、あっちゃんの顔が凍り付いてる。

リナいけない!その先は言ってはいけない!


「うふふぅ~、あたしね。昨日颯真そうまとエッチな事したのぉ。」


リナが嬉しそうにピョコピョコねている。

あっちゃんは、目をつぶって、何かブツブツ言っている。


ダメだ!

真面目なあっちゃんは、絶対俺の置かれている状況を許してくれない。


かえでが口を開いた。


「さ、リナ、お家の片付けに行きましょう。」


「うん!じゃあ、そうまぁ、ばいばい!今夜はかえでの番だから間違えないでねぇ~。」


お前ら絶対ワザとだろう・・・。

部屋には俺とあっちゃんだけが残った。


颯真そうまさん、どうなってるんですか?」


俺は、その後たっぷりとあっちゃんに説教された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ