表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/24

12 元姫、おばあちゃんやった。

「元姫、さん?」


 あたしが遠慮がちに聞くと、そのおばあさんはゆっくりと頷いた。

 えーーーー! そんなことってあんの?

 いや、ありえへんことではないけど、でも。普通、元姫と言われておばあさんは想像せえへんやろ。

 同い年くらいの子か、少なくともクイン王妃らへんの年くらい? おばあさん、世話されてへんと家出たらええやん。まあ、今さら出たら余計大変やけどな。

 いつからここにおったんか、それが気になる。


「って……ニコル、なんで驚かへんの?」


 あたしは、ふと隣にいるニコルの顔を見てそう思った。このおばあさんが元姫と分かっても、普通の顔をしている。え、まさか知ってたとか?

 そうなんやったら、最初に教えてくれたらええのに。なんやねん、もう。


「なんでって……当たり前でしょ? 姫をやめさせられた子はね、1年経つとおばあさんになっちゃうのよ」

「どええええええ!」


 頭が吹っ飛ぶかと思った。1年で、おばあさんになるん!? あたしも!?

 ニコルの体を揺さぶりながら問い詰めると、ニコルはいろいろと説明をしてくれた。ただ、ニコル。

 ――――もうちょっとまとめて話してくれへん?


「えーとねー、なんかよく分かんないんだけど、とりあえず1年くらい経ったある朝、気付けばおばあさんになっちゃった~……みたいな? 私もそんなに知らないよ、姫じゃないもん」


 ニコルはてへっみたいなポーズであっけらかんと言った。開いた口がふさがらない。


「じゃ、じゃああたしも?」


 驚きながらそう尋ねると、彼女は笑顔でうなずいた。


「もちろん! 1年経ったらおばあさんになるよ」

「もっとはよってや!!」


 あたしは力の限り叫んだ。なんで、そんな大事なことを誰も教えてくれへんの!? ひどない!?

 異世界、薄情者ばっかりやな! マジひどい、マジひどい!


「え、え、それって、おばあさんになったあと姫になってもあかんの?」

「うーんと、まず姫の適正年齢が15歳までで、16歳以上は受け付けてないんだって。16歳になった姫が、王妃になるみたいな感じ?」


 ニコルはにこにこしながらそう答える。いやいやいやいや、それ、にこにこして言うことちゃうと思うねんけど。


「でも、見た目はおばあさんでも中身は6歳――――」

「この国は、見た目重視だから」


 どんな国やねーん。棒読みでツッコんでみたけど、なんか寂しかった。

 どうしよう、つまりはさ。タイムリミットあと一年ってことやん? それまでに姫にならんかったら、おばあさんになって一生そのままってわけやん? 姫にもなられへんくなるわけやん?


 ――――急げよ、あたし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ