序章の前 ~少女との出会い~
どれだけ走ったんだろう…。
暗い森の中を私は全力で走っている。
なぜ走っているのか忘れてしまうほどに…。
心臓と肺がもう限界を達して自分の存在を自己主張してくる。それでも私は走り続けている。
一心不乱に走っていたが、何かに足をとられ転んでしまった。
唐突なことだったので、受け身もなにもできずに倒れこんでしまう。
痛みが込み上げてくる。
(痛い…だけど痛いなんて言っていられない…。)
立ち上がろうとするが周囲がなにも見えないことに気が付いた。
ナイトビジョン(暗視)の魔法が解けてしまっていたらしい。
すぐにナイトビジョンの魔法を再発動する。後ろを見ると、何人かが近づいてきているのが見て取れた。
また立ち上がろうとする…が立てない…。なぜ?と思い私は足を見た。
…私は目を疑った。
右足の太ももの部分に大きな円形型の穴が開いていた…。
(なにこれ…?こんな穴みたいなものふとももにあったっけ?)
今の状況が呑み込めないのか、思考の中では現実逃避を行っていた。
だが、現実はあまりにも残酷だ。
現実逃避を行っている間にも血が容赦なく太ももの穴からだらだらと流れ出しているのが見える。
視界の情報と思考の情報が混ざり合ってきた。思考の中では混ぜてはダメだと思いつつも視界の情報は
容赦なく思考の中に飛び込んでくる。
(ぇ…。う……そ………)
視界の情報が思考に伝わり、自分の現状を認識、意識をした瞬間、激痛がはしる。
「ァ…ァァァ…!」
思いがけない痛みが襲い、小さな叫び声が周囲に響く。
声を出してしまうのは仕方のないことだ。私はこんな痛みを人生で初めて体験しているのだから…。
追手のことを、ふと思い出し我に返った。
すぐに口を塞ぐが、遅かった…。
兵士A「おい! 向こうのほうから微かに声が聞こえたぞ!」
兵士B「なに!?行くぞ!絶対に逃がすな!」
(気づかれた…! どうしよう…どうしよう…どうしよう!)
激痛をこらえながら考えようとするが…なにも思いつかない。
違う…。考えられないんだ…。
(い…たい…。どこか…隠れられそうなところは…!)
茂みの奥に大きな木が一本だけ月に照らされている。まるでこちらを誘っているように…。
(あそこなら…隠れられるかも…)
たぶん、運命なのだろう。私はなんの疑いもなく木を目指すことにした…
傷口を抑えながら、目標地点の木を目指す…。
一歩一歩、右足を庇いながら前に進んでいく。
進んでいる途中なんども痛みに負けて倒れそうになるが、なんとか木の近くまで着くことができた。
目指す場所が決まっていると、不思議と力が出てくるとはこのことなのだろう。
近くに来てこの木の大きさに驚いてしまった。
周囲の木とは比べ物にならないほど大きく、根も地中からむき出している。
こんな、大きな木を見たのは生まれて初めてだろう…。
そんなことを思っていたその時、茂みの向こうから声が聞こえた。
兵士A「血だ!まだ新しい…」
兵士C「近いね…。」
兵士B「隊長!血の跡が茂みの中に続いています! 行きましょう!」
隊長「よし行こう! 血の跡から目を離すな!」
兵士A「了解です!」
兵士B「血はこっちに続いています!行きましょう!」
兵士C「りょ~かい」
兵士達が近づいてきている…。
木の根と根の間に隠れられそうなスペースを見つけた私は躊躇なくその間に隠れた。
兵士たちの足音が大きくなっていく。私は、身を小さくして、来ないでと願うことしかできなかった。
数分もしないうちに意識が朦朧としてきた。その原因は明確なのに応急措置をする体力も残されていない。
朦朧とする意識の中、母の形見のネックレスをとりだし、それに助けを求めた。
(お母さん助けて!…お母さん助けて!!……。)
今の私には、ネックレスに助けを求めることしか思いつかなかった。
…だが助けなど来るはずもなく、待っていたのは非情な声だった。
兵士C「みぃ~つけた…。」
悪魔のような声に私は我に返った。
「ァ…。」
怖くてなにも声がだせない。
どんどん視界が黒く染まっていく……。
死にたくないと願いながら…………。
初投稿です。
何も考えないで書いたので
訳がわからないあらすじ+本文になっていますが、生暖かい目で見てくださ~いm(__)m
まだ、どういう話にしようかすら決めていません(汗)
「ここを、こうしたほうがいい」「設定をこうしたほうがいい」という意見がありましたら、コメントしてくださるとうれしいです。