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姿形と当然の旗

容姿、格好の説明回です。

書いてる途中に二回消えたのは内緒なんです。

 ここは『ハーティア』という名前の異世界。地球と同じ365日で一年が過ぎ、ちゃんとした四季もある。


 異世界召喚は珍しくはなく数十年に一度行われ、夥しい数の魔物への対抗策として有力視されているが、召喚された者達が単純に強いというわけではなく、強い潜在能力を持って召喚される事が多い。


 心の在り方に合った種族、特性などが構築されるので、ただの人間が召喚されてもハーティアではエルフになったりドワーフになったり、突拍子も無い特性を持っていたりする。

 その中でも主に強者の可能性を秘めているのが『純心種クリアハート』と呼ばれる上位種族。

 吸血鬼や竜人などの『純心種』の中でも希少種ともなれば、他を寄せ付けないくらいの潜在能力がある可能性が高い。


 今回召喚されたのは学園――蛍たちが通っていた、黒月学園――の寮、そこに居た十二名が召喚されており、恐らくは全員が『純心種』であるという、非常に珍しい召喚結果になっている。

 恐らくというのは、種族を鑑定するのはギルドと呼ばれる組合であり、そこで身分証明書を発行するまではっきりしない為だ。

 明日、全員で発行しに行くと決まっているらしく、こんな中でも少し楽しみになってしまうのは仕方ない。


 その中でも、蛍と虚を含めた先程の五人は学園でも有名な問題児五人組だった。

 御主人様命、何よりも御主人優様先、更に性同一性障害の『白雪 蛍』。

 身内命、真実の様に嘘を吐き、他者を蹴落とし、明確な害は徹底的に排除するが身内に激甘な理事長の孫の『黒月 虚』。

 妹命、二人の時間が何より大事、友人以外には辛辣な『赤井アカイ 蒼黄ソウキ』。

 兄命、ストッパー役なのに、兄にコロっと懐柔される『赤井アカイ 蒼華ソウカ』。

 筋肉命、授業は筋トレしながらするのが当然であり、学校とは肉体を酷使する場であると戯言(たわごと)をぬかす『如月キサラギ 奏士ソウジ』。


 完全にマイペース過ぎる集団である。蛍は両親が既に他界しているし。蒼華、蒼黄、奏士の三人は孤児なので、身寄りも無い。虚は虚で何よりも蛍が大事である、残してきた両親に思うことが無いわけではないが、二の次ではある。


 何より、見知った面子がいるせいか寂寞を感じる事も無い。少々の不安はあれども、リアルよりファンタジーを感じる今の現状に心を躍らせるのも当然ではある。


「それにしても、皆随分とイメージ通りの格好ですよね」

「確かになぁ…俺もそう思うよ」

「でも、一番は蛍が可愛いところよね、元々可愛かったのに更に可愛くなってるもの」


 太腿まであるストレートの銀髪に、ピコピコと動く狐耳。小柄な体躯に見合わぬ大きいそれ(・・)、胸元にある深く透き通った青い宝石が処女雪の様な穢れの無い白い肌によく映える。幼さが目立つ顔に、瞳は左が赤く右が青いオッドアイになっており、綺麗に輝いている。太腿は程好くふにっとした肉付きで背には艶やかに光るオーロラの様な天使の羽。何故か服をすり抜けてふりふりと揺れている狐の尻尾が愛らしい。


「ありがと、です……蒼華も綺麗です」

「お世辞でもありがとね、蒼黄とアタシはエルフっぽいけど……変じゃなくて良かったかな」


 蒼華は起伏が少ないスレンダーな美人だ。エルフ特有のピンとした長耳に、蛍と同じ配色のオッドアイ。少し切れ長の瞳は強気な雰囲気を漂わせるが、健康的な肌色の肌や本人の雰囲気が活発さも表しており冷たい雰囲気は無い。透明感のある淡い水色の真っ直ぐなセミロングの髪に、女性にしては少し高めの身長も相俟って正にエルフの女性といった感じである。


 蒼黄も同じようにスマートに見える。長耳に、蛍と蒼華とは逆の配色のオッドアイ。肌の色は蒼華よりも少し焼けた色をしており、同じように少し切れ長の瞳。本人のストイックな雰囲気のせいか蒼華と違って柔らかく見えず、冷徹な狩人のように見える。サラサラの金色の短髪は特に手を入れたような感じではないが様になっており。背は高めで顔も良しのクールな雰囲気を纏ったイケメンエルフだ。


「美男美女カップルめ、爆ぜればいいのに」

「フッ、俺より顔が良い奴などいくらでもいるさ、蒼華が飛び抜けて綺麗なのは認めるがな」

「あーはいはい、御馳走様……蛍の方が可愛いがな……しかし、俺と奏士は酷いもんだな」

うんざりしたような顔をしながらも蛍を褒める虚に、鼻で笑いながら怯まず妹を褒める蒼黄、当人は二人とも照れて微笑しているが、他に人が居たのであれば間違いなく虚よりもうんざりとしていただろう。


「ん? 私は気に入っているぞ、身体の調子も良いしな!」

奏士はどこからどう見ても獣人である。赤茶色の立派な鬣が背と肘まであり、上半身は裸である。鍛え上げられた肉体、茶色の瞳、整っていながらも精悍な顔つき。野性味が溢れ過ぎており、元からこの様な(なり)だったと言われてもしっくりくる。どう考えても武器は肉体である、剣や槍など一般的な武装が全く似合わないのだ、この世界で彼がどうなるか非常に気になるところではある。


 最後に虚だがイメージは陰鬱な魔王というところか。黒い無造作な短髪、濁った血の様な昏い瞳、濃い隈が目立つ少し幼さが残った顔。頭の両サイドから立派な巻角を生やしており、禍々しい悪魔の翼と、憂鬱気な雰囲気のせいで、邪悪という言葉が相応しい容姿である。言ってしまえば、声の掛けにくい胡乱なオーラを纏っているのだ。


 服装も着ていた私服が皆召喚された際に変わっており。蛍は黒をベースに紫が混じった装飾が多々盛り込まれたドレスアーマー。虚は漆黒のマントと燕尾服に近い服に革靴で、中のシャツが深いワインレッドになっている。蒼華は高貴なエルフのイメージそのままの様な、所々に金属をあしらった面積が少な目の緑色の布の服と、青いマントを着ている。蒼黄は膝上までのショートパンツ、首から胸元より少し下までの腕が出た肌着、衣服はどちらもぴったりと身体にフィットしており、ロングブーツと手の甲から肘までをガードする金属の篭手、狩人の装いである。一番シンプルなのが奏士、上半身は裸、下半身は黒の道着である、彼はどこに向かっていくのか。

 纏めたイメージだと。姫騎士――闇――。執事魔王――鬱――。エルフ――魔法使い――。エルフ――狩人――。筋肉――肉体美――といった感じである。


「見た感じ、明らかに虚は敵役ですね」

「どう考えても、味方には見えないな」

蒼黄と蛍はまじまじと眺めながら零す。実際蛍も人のことを言えない程度には味方らしくないカラーリングなのだが本人は気づいていないようだ。


「ま、見た目で威圧出来るかもしれないのは良いかもな」

「楽観的ね、アンタって……そういえば、蛍は身体大丈夫なの? 急に女の子になったわけだし……」

「フム、何かあれば私達に直ぐに言うんだぞ!」


 自分の身体をペタペタと触る蛍は、首を傾げながらも「特に、大丈夫な気がします」とは言うが、元々の性別が変わるという事自体が本来ならば有り得ないので注意しておくに越したことは無いだろう。


「でも、蛍の身体がそうなったって事は、よくある話とかだと主人公枠よね」

「えっ」

蒼華の唐突な思い付き。


「それもそうだな、白雪はもしかしたら世界最強……都合が良すぎるか」

「そ、そうですよ、ボクに力があっても困りますし……」

それに対し、言われてみればと少し思考を巡らせる青黄。


「でも、俺達より色々付いてるよな」

「えっ」

少し困惑した蛍を眺めてニヤニヤしながら悪乗りする虚。


「フム、確かにそうだな!」

「いや、如月はシンプル過ぎるだろう、比較対象にならない」

「あ、あの……」

そもそも上半身すら裸だしある意味一番インパクトあるのはお前だよと言われても仕方がない奏士。


「よし、白雪がチートだった場合には俺達で魔改造しよう」

意外な事にラノベや携帯小説が好きな蒼黄により、白雪改造計画がここに始まる。


「いいわね、それ」

「蛍に自衛能力は必要だしな」

「ええっ?!」

単純に面白そうだからという蒼華に、心配性な虚が真面目な顔で賛同し。


「まずは、筋肉だな!」

「ふざけんなおい」

「却下だ」

「奏士は参加しちゃダメね」

「流石にそれはボクも……」

奏士の案に皆が引く。


「なんだお主等……つれないな……」


 現状が把握できず、困惑も覚えている中で、不安を紛らわせようと五人は和やかな雰囲気を作る、『世界最強』というその言葉が強ち間違いではない事を知るのは明日である。


「……平穏に生活できたらいいんですけど…………」


 ここにフラグが、建った。

男性陣はともかく、女性陣の服のイメージはこんな感じ。

蛍:ネクロアーマーちゃん

蒼華:神撃のフィトちゃん(SR)

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