斬る13
病院について三日後、サルージャは意識を取り戻した。
「おー、やっと目が覚めたか」
椅子に腰かけていた陸はサルージャの顔をのぞき見る。
「……陸さんかい」
まだかすむ視界の中で、サルージャは声を頼りに答えた。段々と覚醒していくにつれて、視界も開けてくる。同時に右腕も痛み出した。少し顔をしかめるが何とか耐えられそうである。辺りを見渡せば、ここはどこかの病室のようだ。つまり、自分は生きており、陸もいるということはちゃんと勝ったということなのだろう。体を駆け巡るように充実感と安堵の念が満ちていき、それが溜息となって出ていった。
「俺はどのくらい寝てたんだ?」
「三日だよ。お前が寝てる間に、色々あったんだぜ」
「ほう?」
サルージャは続きを促した。
「まず、ゲリラ軍団と政府が停戦協定を結んだよ。んで、他の国の軍隊も帰って行った。今町はお祭り騒ぎだよ」
サルージャは思わず起き上がろうとして、体に電撃が走った。どうやら腕だけではなく、全身にガタがきているらしい。サルージャは、まあ、それもそうかと一人で納得した。
「そうかい、そりゃあ――」
サルージャは感慨深そうにこくりとうなづいた。
「何よりだねえ」
「そうだな」
陸も同意する。
「お前さんはこれからどうするんだい?」
「俺か?俺は……」
陸は少しうーんと悩んでから続けた。
「国へ帰るよ。もうこんな思いはこりごりだ」
陸はそう言って笑いかける。
「そうさな、うん、それがいい」
今度はサルージャが同意した。陸が会話を続ける。
「グリオン達は村人たちと協力して村を復興するってさ」
「そうかい。なら、俺もそれを手伝おうかねえ」
「そうだな」
会話が途切れ、しばしの間の沈黙。しかし、気まずくはなかった。思えば二人は知り合ってから数日しかたっていない。陸が日本へ帰ればもう会う機会はないだろう。だが、二人が共に過ごした密度はとてつもなく濃いであろう。
「じゃあな。しんみりしないうちに俺は行くよ」
そう言って陸は立ち上がった。
「そうかい。気をつけてな。色々と楽しかったよ。ありがとう」
「俺もだよ。ありがとう。よし、じゃあ、行くぞ」
サルージャは怪訝に思った。今彼は誰に向かって声をかけたのであろう。すると、部屋の隅の方からあのゴスロリ少年が出てきたのである。
「陸さん、あんた……え?どうして?」
サルージャの呼びかけに陸は振り返ると、気まずそうに苦笑した。
「いやあ、色々あって、こいつに金払わなきゃいけなくてさ。まあ、そこら辺はグリオンにでも聞いてくれよ」
陸が振り返りざまに手を振って歩き出した後、サルージャはゴスロリ少年と目があった。ゴスロリ少年はちょこんと頭を下げると、陸についていき、病室を後にした。
あっけにとられたサルージャは色々と考えようとしたが、どうにもめんどくさいのでやめることにした。あの飄々とした日本人の言うとおり、あとでグリオンにでも聞いてみよう。サルージャは起こしていた上体をゆっくりとベットに預ける。体重がマットレスに吸収されていくようで心地よい。まだ体力が回復していないせいか、少しうとうととしてきた。
と、突然にサルージャはくつくつと笑顔になる。
「お前さんは、本当に不思議な男だねえ」
読了ありがとうございました。余談ですが僕の管理ミスで最後だけ文章量が少なくなってしまいました。ごめん東……
本人談:
おわったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお。いやもうマジでホントに終わった。やっと終わった。長かったー。何この満足感。達成感!!いやー気持ちいい。めっちゃ時間かかったけど何とか書きあげることができました。東洋です。もう何がうれしいってあとがきが書けることですよ。書きあげたからあとがきできるわけですよ。プロってすごいなあ。さて、この『斬る』なんですが、いかがでしょうか。まあ、色々と文句はあると思いますが、僕としてはこんなに悩まされながら書いたものもないので愛着もあったりします。これを書いていて、色々と学んだことというか、反省しなきゃいけないところだたくさん出てきました。まあ、こんなの常識だろってものばかりですが。それではここからはつらつらと自己反省的なものを上げていくので、読者の皆様はどうぞ読み飛ばして下さいませ。と思いましたがやっぱり後で書こうと思います。テンション高くてすみません。
さて、改めて思うことなのですが、たぶんというか、きっと、今回僕が書いた物は所々というか、殆どの部分が読みにくいような気がします。本当に見苦しくてごめんなさい。書いている自分も、読みづらいだろうな、と思う部分が多々にあります。それでもここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。途中で投げ出された方も、少しでもお目を通していただきまして本当にありがとうございます。特にちゃんとした戦闘シーンを描いたのは初めてで、その難しさを体験しました。
最後の方なんかは本当に自分でもご都合主義だなあと思います。長いし。もっといろいろ勉強していきたいと思いました。長々と失礼いたしました。ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。感謝の思いは尽きませんが、それを表す語彙もないのでこの辺りで失礼いたします。
それでは、また次の話で。




