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第5話 明日の昼飯どうしよか・・・

なんか話題が全然思いつかないし、今回はつまらんと思います


 豚ばら肉を小さく切って炒める。次に、多めの油をひいて、卵を炒める。まだ火が通りきってないところでご飯とさっき炒めた肉を入れて炒める。酒、塩、こしょう、化学調味料、しょうゆで味付けをして更に炒めれば完成だ。一般家庭のコンロでは火力が低いため、カッコつけてフライパンを宙に浮かせないように炒めた方がいい。


「飯できたぞー」


 すでに椅子に座ってスタンバイしていた凪沙の前に完成した料理を置く。まあ見てわかるように、チャーハンだ。ついでにウーロン茶も用意しとく。2人の「いただきます」の言葉がちょうど重なって昼食を食べ始めた。カツカツとスプーンと皿がぶつかる音を鳴らしながら、食事を進める。心なしか、凪沙はうまそうに食べてる気がする。


「凪沙。春休みの宿題は?」


 あ、今の父親みたい。と思いながら俺はウーロン茶を飲んだ。


(・・・麦茶の方がいいかな?)


 実はウーロン茶はこっちに来てから初めて飲んだ。まずいというわけじゃないし、ウーロン茶も十分おいしいけど、慣れ親しんだ麦茶の方がやっぱ好きかな?と思ってたら、凪沙がさっきの質問に答えた。


「あとちょっとです」


 要するにまだ終わってないと・・・・・わからないところがあったらぜひとも聞いてほしいものだ。なんて考えてる俺はちょっと父性に目覚めてきたのかも。いや、年齢的には兄か?俺には弟がいたわけだし、こういう会話してると昔を思い出す。そういえば、弟と凪沙は同い年だな。


「そうか、なら心配ないな・・・・・・ところで、ウーロン茶と麦茶はどっちが好き?」


「麦茶」






 明日は俺の高校の入学式がある。今はその準備をしているところだ。と言っても、必要なものは特に無いし、制服とか鞄とか必要なものがちゃんとあるかを確認しているだけだ。

 すると、コンコンとドアをたたく音が鳴った。そして、ドアが開き、凪沙が頭だけひょっこりとのぞかせてきた。


「どうした?」


「明日小学校の入学式です」


 高校と小学校の入学式が被るのは結構珍しいことだ。俺の通う学校が私立だから被ったのかもしれないな。


「俺も明日入学式なんだ。小学校は午前だけ?それとも午後もある?」


「午前」


「あいよ。昼飯は俺が作るから、もし俺より早く帰って来たら悪いけど待てってくれ」


「わかりました」


 そう言うと凪沙は首を引っ込めて、俺の部屋のドアを閉じた。

 ・・・・・・同居が始まって1週間が経つが、前々から思っていたことがある。凪沙は、俺に対して敬語を使うのだ。別にダメと言うわけじゃない。むしろ、あの歳でちゃんと敬語を使えているのは逆にすごいと思う。でも、やっぱ他人行儀だよな。まだ信用されていないのか、それとも気を使ってくれているのか。・・・なんにせよ、そうそう心を打ち解けてはくれないらしい。と言っても、まだ1週間しか経ってないから無理ないか。



 俺たちの住んでいるマンションのこの部屋は4LDKだ。その内の一部屋は炬燵とテレビが置いてある和室だ。今は春で気温もちょうどいいくらいだから炬燵は使わない。さらにはこの部屋自体全然使っていない。要するにテレビも炬燵も使ってない。

 ということでこの部屋を改造したいと思う。テレビは俺の部屋に。炬燵は物置部屋に。そしてこの部屋を・・・・・・どうするかは特に考えていない。趣味部屋にするか?・・・・いや、俺はフィギアとか集めてないし、マンガが少しある程度だ。どうしたものか・・・・・・



 結果:保留


 ・・・・暇だ。暇すぎる・・・とか呟きながらゴロゴロしてたら知らんうちに5時になっていた。なんか1日無駄にした気分。気を取り直して夕飯でも作ろうかな。めんどいし・・・・・野菜炒めでいいかな。ご飯は今から炊いて1時間後だから、それくらいに完成するように作ろう。


 とりあえず冷蔵庫をあさって使えそうな野菜を探す。まぁここはシンプルにキャベツ、にんじん、ピーマン、豚肉でいいかな。

 キャベツって俺は最後に入れるけど、なんか火が通りにくいんだよね。俺の技術がないだけかもしれないけど。今はそれは置いといて、だから俺は別々に炒める。他の人がどう作ってるか知らんが、俺はこうやって作ってる。最後に焼いたものを合わせて軽く炒め、焼き肉のタレで味付け。こんな感じにパパッと簡単にできるから俺は野菜炒めが好きだ。


「凪沙~飯できたぞ~」


 しかし、返事は帰ってこないし、凪沙が部屋から出てこない。


「凪沙、入るぞ」


 ノックをしても返事がないから仕方なく勝手に入ることにした。凪沙はベットの上で静かな寝息をたてて寝ていた。「ははは、こいつ昼寝してやがる」とか「可愛い寝顔だな」とか「やっぱ小学生だな」とは思わなかった。俺が思ったのは・・・


(夜寝れずにベットの上ゴロゴロして朝を迎えるんだろうな)


 ほんと、俺って親みたいな思想してると思う。

 いつから寝たのかは知らんが、これ以上寝ると夜さらに寝れなくなるから、仕方なく起こすことにした。声をかけながら体を揺らすと、凪沙は寝ぼけ眼を掻きながらすぐに起きた。でも寝起きにすぐご飯を食べるのはあまりオススメしないため、少し時間が経ってからもう一度野菜炒めを温めなおして食べることにした。ちなみに後で聞いてみたら、まだ寝て10分くらいだったらしい。なら夜寝れるだろう。寝たくても寝れない夜ってのはかなりキツイからな。よかったよかった。


 


 俺は暗い部屋のベットの上で、寝るまでの間考え事をしていた。さて、明日は入学式なわけだが・・・・俺だって一人の普通の人間なんだ。もちろん、不安なことがたくさんある。友達はできるか、とかそう言った不安だ。友達と一緒にいなきゃ寂しくて死んでしまう、というわけではない。友達と一緒にいて楽しいのは確かだが、どちらかというと一人でいる方が落ち着く。


 ま、変に目立たないように気の合うやつとテキトーに過ごしてればいいか。

 

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