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溺れる、連鎖  作者: miz
第1章 赤
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0. はじまりの事件はどちら?

【7月29日】


 これはこれは。わざわざお出でいただきありがとうございます。

 まあお出でいただかなければこうして会えないのですからショウガナイですよね。

 あれ?笑えませんか。ちょっとしたジョークだったのですが……。

 そんな恐い顔しないで下さい。良い顔が台なしですよ。

 ……もしかして僕のこと覚えていませんか?

 ああ、名前ですか。はじめてあなたと出会ったときは違う名前を名乗っていましたものね。

 (まき)、これは偽名です。

 怒っているのですか?でも僕がこうなることはあなたが一番分かっていたはずだ。そうでしょ?

 でなければあなたをこうしてお呼び立てしませんよ。

 さあ本題です。

 僕があなたを呼んだのは"××山荘殺人事件"についての真相をお話しようと思ったからです。

 真相。そう、真相。真実ですよ。

 はじめに言っておきますが、今からお話しすることは誰が犯人だとか、どうしてこのようなことが起こったのか、つまり動機を供述するためではありませんし、ましてや僕の罪を軽くしたいわけでもありません。

 変な勘違いはしないで下さい。

 ただあなたの胸に留めておいてくれればいいのです。間違っても口外はしないで下さいね。

 だったらなぜ話すのか、そうですね。

 数週間前に"××山荘殺人事件"の唯一の生き残りの青年が自殺したと新聞で読みましてね。

 彼がいなくなったのであれば黙っておく必要はないと思ったからです。でなければ彼が浮かばれないと思ったからです。

 僕は、彼を愛していましたからね……。

 ゲイ?いえ、それとはちょっと違います。そういう愛ではありません。

 いや、もうそれはいいでしょう愛について談義したいわけではありません。

 しかし、暑いですね。

 あなたと出会ったころを思い出します。あなたと出会ったころもこんな蒸し暑いときでした……。

 そうだ。今から思えば"××山荘殺人事件"は13年前に起きた"××通り魔連続殺害事件"からはじまったように僕は思います。

 つまり僕とあなたが出会った、あの事件です。

 "××通り魔連続殺害事件"の詳細を教えていただけませんか?

 あの頃交番勤務だったあなたが今はこうして立派な刑事になったのですから以前よりか事件の詳細が分かったのではありませんか?

 もちろん話せるところだけで結構です。


 お願いしますーーー

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