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「そういや、悠人聞いたか?」


 非常に退屈な授業の前半戦が終わり昼休みになった。

 すぐさま俺の席にまで来た敬司は、唐突に質問をなげかけてきた。


「何を?」

「噂だよ、ウ・ワ・サ。今話題の夢のカードについてさ」


 食堂に向かいながら、俺たちは歩き出す。


「たしか、持ち主の意思にそった形になって、最後は持ち主が死亡して終わるってやつだろう?」

 と答えると、ヤツはげんなりとした。

「おまえ・・・はしょりすぎ。あげく、噂じゃなくてニュースでやってる猟奇殺人と混ざってね?」

「あれ?違ったか」


 食堂は昼休みが始まったばかり。

 広い食堂にはまだまだ人が入り始めたばかりで、まだ席に余裕がある。

 食券販売機へと向かい、定食を選択。今日は生姜焼き定食らしい。

 成長期の俺たちにはうれしいボリュームたっぷりのランチメニューをはじめ、種類は実に豊富。

 それこそファミレスよりもメニューの幅が広く、断然安い。

 カウンターで料理を待っている間にも、ニュースを始めスポーツ、芸能などの話をする、が。



「とことん、流行だの芸能だのには興味ねぇのな、おまえ。話を戻すが、まず、夢のカードってのはな――――――


 表面にはカードの四隅に赤、青、黄色、緑の丸い陣があり、それを金の縁取りがつなげてあるだけ。それ以外は、ただ黒一色。裏面には黒の下地に銀の六芒星を中心に複雑な紋様を描かれているという。

 厚さはおよそ1センチ。

 これだけならただのカードだが、肝心なのはそこからだ。

 カードの表面。この黒一色の中心部分に望みのものが映し出されると、それが手に入る。

                                  ―――――――どうだっ?」

 定食を受け取り席を探すと、ちょうど2人分の席が空いていたのでそこに座りつつ感想を言う。





「………胡散臭い」

ゴンッ


「どうした?」


 桂司は食堂のテーブルに激しく頭をぶつけた後、勢いよく顔をあげ詰め寄ってくる。


「お、おまえは、この話にロマンを感じないというのかぁ!?望みのモノが手に入るという、まさに、夢!ロマンじゃないかっ!!特に、俺たち思春期にしてみれば、理想の異性がこの手に入るっ!迸るこの若く熱きパワーーーーーーーーーーーー!!!それがその夢のカードがあれば叶うんだぞ!!?」


 食堂でのこの大騒ぎ、だが連日でのこいつとのやりとりもまた、この場所での名物になりつつある。おかげで、やたらと目立つことになってしまったのだが。

「珍しく女以外の話かと思えば、それか。胡散臭さを通り過ぎて眉唾物になったぞ?」

「ふふん、この話を聞いてもまだそんなことがいえるのかね、悠人君?」


 もったいぶった口調。何事においてもストレートに話す奴がこういった話し方になるということは。


「え、マジ?」

 桂司は体勢はそのままに顔をよせ、静かに、だが確かにこう言った。

「そのカード、実際に手に入れた奴がいるって噂なんだが、どう思う?」


 なるほど、そんな噂が流れるほどとなれば………


「一気に真実味が………」

 俺の言葉にウンウンとうなずく敬司。


「………沸くような沸かないよな」


 がくぅっと、崩れ落ちる。


「お・ま・え・なぁあああああ。もったいぶっても結局それかよ」

「まぁまぁ。俺は完全否定したわけでもないんだが?」

「ほほぅ、ならばその根拠を聞かせてもらいたいもんだなぁ」


 とジト目で問い詰めてくる敬司に俺は苦笑を返しつつ。


「これは仮定の話なんだけどな。第1にその噂の時点で、そのカードが実在してると確信・・してるやつがいるわけだ。まぁ、本当に信じてるかどうかはわからないけど。んで第2に、炙り出しをやっている人物がいる可能性だな。火のないところに煙は立たないというけど、先に煙を出したら、自然と見つかるだろう?んで、最後に―――ッ」


 金の…双眸


「どうした?」

 怪訝な顔をしてこちらを伺う桂司。


「あ、いや。なんでもな、い……」

 背筋を嫌な汗が流れていく。

 周囲を何かに囲まれている感覚……


「なんでもねぇ、って顔色でもねぇな。―――飯も食い終わったんだ、とっとと戻ろうぜ。気分転換だ」

 そう言って、俺の腕を無理やり取り中庭へと引っ張る桂司はいつにも増して真剣な表情だった。

 そんなことを考えながら、俺の意識は途切れた―――



 青い 蒼い 暗く透明な空間。


 すぐ目の前で、今にもこちらを押し潰すような圧迫間を感じさつつも、どこまでも透き通り見渡せる蒼の世界。

 手を伸ばせば、すぐ壁に触れそうな印象とどこまでも進んでいける錯覚。



 ―――――パキッ



 (なんだ?)


 なにかが鳴った。

 そのせいか、夢の中で自我を持った感覚になる。

 そもそもとして、ここは一体なんだ?

 その疑問とともに振り返ると、視界に映ったのは、金の双眸。

 

 その双眸を見た瞬間、動悸が早くなる。


 (おまえ、はなんだ?)


 疑問を投げかけたと同時に、金の双眸は蒼の世界に滲むようにして消えた。

 すると、蒼の世界は徐々に明るくなり、更には色を失って白くなっていく。


 (まぶし、い――――)



 

???「相変らずの更新速度だな」

悠人 「まー、作者が気分屋だしねー」

???「大体、いつになったら本筋に入れるのだ?」

悠人 「さぁ?設定作ってて、書いてるうちに設定忘れて、それを思い出すのに1週間とかかかってるし・・・」

???「………間抜けだな」

悠人 「だね、少しずつ進みますので、よろしくお願いします」

???「わかった」

悠人 「ところで」

???「うん?」

悠人 「誰?」

???「………」

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