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16.Extra Story ~再会~

「おかえり、和康。美鈴ちゃん来てるよ。」


自宅に帰ると母がそう言った。リビングには美鈴が座っている。


「ただいま。来てたのか。なんか用?」


結局、子供の頃の俺が彼女と仲良くしていたという記憶は蘇らなかったが、「同じ中学の同級生」ということで思い出話が盛り上がり、たまに顔を合わせるようになった。親同士も以前の様に交流しているようだ。


「仕事帰りにわざわざ寄ったのに、『なんか用』とはつれないね。借りてたものを返そうと思って。引っ越しの荷物を整理してたら、出て来たんだよ。」


「何か貸してあったっけ?」


彼女がリュックから取り出したのは、古びた漫画だった。


「これ、中学を卒業するときに和康君が貸してくれたんだよ。覚えてる?」


表紙には「神様がお仕置きよ!」と書かれている。


「ごめん。覚えてないな。でも、この漫画は見たことある。」


「そりゃそうでしょ。君の漫画だもん。『この女の子の神様が超可愛いんだ』って力説してたよ。」


話を聞いていた母が「プッ」と吹き出した。


「昔から変わらないね。可愛い女の子に目が無いのは。」


「おふくろは黙っててくれ。」


美鈴が笑う。


「やっぱりね。女子を見る目が上品とは言えないかな。昔から。」


そう言われた俺は、自分の視線が「大人になった彼女の胸」に向いていたことに気づいて顔をそむけた。


「用が済んだら帰れ。漫画サンキュ。」


母が憤慨した。


「追い帰すことは無いだろう?美鈴ちゃん、ご飯食べていきなよ。折角来たんだから。」


「いいんですか!?じゃぁ、そうさせてもらおうかな。」


そう言いながら「ニッ」と笑ってこちらを見た彼女に、俺はこの先ずっと敵わないのではないか?という気がしていた。


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