第六話 夢
見てくれてありがとうございます。
そよ風が気持ちいい。
ここはどこだろう?
俺は確か会社でいつも通りに仕事をしていた筈だ。
「………」
「…ガ…」
「…?」
「…リガ…ル…様…」
「リガル様!」
リガル様…誰だっけ?
「いやぁぁーーーーーーーーー!!!」
あれ…?この感じ…?
「リガル様、ご命令を。」
リガル…俺か?
「死ね!」
店員の首が吹き飛ぶ。
これは…俺がまだ仲間と一緒にいた頃の記憶か…
となると、これは…夢?
「お前も死ね!」
ドガーーーーーン!!
ダダダダダダダダダ!!
「そこまでだ!化け物共!」
「ふん、やってしま―――」
そうだった。あの時はこんな感じだったんだ。
「お前らの魔法とやらの対策はしてある!」
「殲滅開始!」
銃声が鳴り響く。
俺は巨大な火の玉を出して一気に倒そうとした。
でも―――
「対策はしてあると言っただろう?」
「?!」
戦車によってかき消された。
そして、
バン!
「う…!」
「はっ!大丈夫ですか!リガルさ―――」
砲弾が俺達に向かってくる。
直撃した。
空中に舞い上がる俺達。
この時は死んだと思っていた。
でも、生きていたんだ。
しかし―――
「おはよう。諸君。」
「う、動けない…?」
「君達の目が覚める前にとある薬剤を投与した。なんだと思うかい?」
「知らねぇよ!バーカ!」
「…そう言えるのも、今の内だよ。」
「なにが今の内だ!死ね!」
「…」
俺は拘束具を魔法で破壊しようとした。
でも…
「……あれ?」
「答え、教えてあげようか。」
「まさか…嫌だ…聞きたくない…!」
「君たちはね…」
「やめろ!」
「魔法が使えなくなったんだよ。」
あぁ、もう駄目だ。当時の俺はそう思ったかな。
「…そういえば、俺の仲間は…?」
「そう言うと思ったよ。着いてきなさい。」
「従うしかないか…」
そこには
「?!」
「リガル様!」
「ほら、君達の仲間だよ。これから何されると思う?」
「リガル様…!助けて下さい!!」
「俺達の仲間に何をする気だ!!」
「見てれば分かるよ。」
そして、ガラス越しに仲間と人間共としばらく歩くと
そこに待っていたものは……
「…は?」
「…残念だなぁ、本当に残念だよ。」
絞首台が人数分置いてあった。
「さぁ、ここに立て。」
「や、やめてくれ…」
「お前はここだ。」
「リガル様!私達、何されているんですか…!」
「…」
「平和的解決が出来なくて残念だよ。」
「目隠しを。」
仲間達にアイマスクを被せる人間達。
俺に出来ることは見守ることしか出来ない。
「執行してください。」
「…はい。」
「やめろ…そのボタンを押すな…」
「もう、遅いよ。」
ガタン!!
「っ!」
「リ……ガル…さ…ま……」
「…」
縄が軋む音がする。
目の前で仲間達が死んだのだ。
当時の俺には凄くショックだった。
「あ…あぁ……」
「死亡確認。」
「…はぁ」
俺だけ生かされた。
「次あのような真似をしたら本当に死刑だからな。」
あの言葉が今でも心に残っている。
あの言葉とショックで自分の名前を忘れてたしまったらしい。もう、あいつらには会えない。
そう思うと胸が苦しくなる。
目が覚めた。
…仕事を終わらせないと
第七話へ続く
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