4
「よし! いただこう!」
「ありがとうございます」
2人が会計に向かっている間、ミナはこっそりため息をついた。
「あ~あ、売れちゃったぁ」
「なぁに? 欲しかったの?」
「結構ステキだったから。でもスッゴク高いんだもん。見るだけでいいや」
「そうしなさいな。ミナには可愛い家具の方が似合うわよ」
「えへへ、そうかな?」
笑顔のミナに、マカも笑顔で返す。
「もちろん。…ああいう家具は、もうちょっと大人になってからね」
「そうだね。ちょっと早い気がするし。う~ん…。でもあのお人形は、ちょっと本気で欲しいカモ」
「人形…」
「うん、でもお人形の方が家具より高いし、人気があるからすぐ売れちゃうの。入荷し辛い商品だから、嬉しい悲鳴だって、カガミさんが言ってた」
「そう…ね。確かに手に入れるのは難しいかもね」
マカはぎゅっと唇を噛んで、カガミの方を向いた。
男性は上機嫌でカードで支払っていた。
しかし会計の途中で、カガミはショーウィンドウに飾っていた人形を紹介する。
すると男性は興奮し、3体とも購入した。
「あっ、あ~。お人形まで持ってかれたぁ」
「お人形じゃなくても」
マカはミナに満面の笑顔を見せた。
「私がぬいぐるみを作ってあげるわ。可愛いウサギとクマの」
「えっ!? ホント? 嬉しい!」