2
「中もスゴイんだよぉ。入ろうよ」
ミナに手を引かれ、マカは店内に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。…おや、ミナさん」
「こんにちは、カガミさん」
店内には1人の青年がいた。
優しい顔付きをしており、メガネをかけた長身の青年だ。
「今日は親友のマカを連れて来たの!」
「それはそれは」
青年はマカを見て、にっこり微笑んだ。
「はじめまして、マカさん。わたしはこの店の店主をしております、カガミと申します。ミナさんからお噂はかねがね」
「それはそれは。どうせロクでもないことでしょうけど」
マカは顔で笑いながらも、眼は笑っていなかった。
「ひっどぉい! ちゃんと親友だって、言ってたもん!」
「はいはい。それよりお気に入りを見せてよ。その為に連れて来てくれたんでしょ?」
「あっ、そうだった! あのね、家具もステキなんだよ。カガミさん、良い?」
「どうぞ、ミナさんは見てくれる常連さんですからね」
「んもう! だってお店の商品、高いんだもん」
「コレは失礼。しかしわたしの店の物は全て1点ものですからね。値が張るのはしょうがないんですよ」
マカは店内を一通り、見た。
そして感じていた。
この身が疼く感覚を…。
「あっ、マカ、こっちよ!」
ミナはマカの異変に気付かず、無邪気に案内をする。
案内される途中で、マカの眼には様々な商品が映る。
ナチュラルな白さの食器達、美しい糸のようなモノで繊細な刺繍をされたハンカチ、そして文字通り血石のアクセサリー達。