街外れのアンティークショップ
「えっ? アンティークショップ?」
「うん、そお♪ この間、ステキなお店見つけちゃって。マカ、今日一緒に行かない?」
マカの頭の中に、従兄の経営するあの店が浮かんだ。
「良いけど…。そこって小物専門?」
「う~ん…。人形とか家具専門かな?」
あの店のイメージに、思いっきり大きな×印を付けた。
「なら、良いわよ。たまには息抜きしないとね」
「やった! じゃあ行こう!」
ミナの案内で、マカはとあるアンティークショップに案内された。
店は街外れの住宅地の中に、ぽつんとあった。
「あっ、ここよここ!」
ミナははしゃいだ様子で、ショーウィンドウの中を覗き込む。
「ここのお人形に惹かれたの! マカも見てみて!」
「はいはい」
あんまりにミナが楽しそうにするので、マカは苦笑しながらショーウィンドウの中の人形を見た。
しかし人形をその眼に映した一瞬、マカの眼が赤くなった。
だがそれは瞬きする間のことで、ミナは気付かなかった。
「ねっ、キレイでしょ? 可愛いでしょう?」
「…そうだね」
マカは答えながらも、目線は人形に向けていた。
飾られているのは3体のアンティークドールだ。
一体は黒い巻き髪で、茶色の瞳を持つ少女。
そしてウェーブの金髪で、緑色の瞳を持つ少女。
ショートの赤髪で、橙色の瞳を持つ少女。
それぞれタイプは違えど、美しいアンティークドールだ。