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レイダー・エピクロス  作者: 大和伸二
2/2

Pert 1 「つまんね」

午後特融の優しいまどろみの中で静かに眠る。

「おい、狩音!寝るんじゃない!授業中だぞ!」

静かな教室に男性特有の野太い怒鳴り声が響く。

心地良い眠りを邪魔された狩音と呼ばれた青年は、ゆったりとした動作で起き上がり、

「でけぇ声で怒鳴んじゃねぇよ、授業中だぞ。」

と、ダルそうなトーンで煽る。

「なんだと貴様!ふざけるな!貴様は『救世主』になる資格は無い!出て行け!」

煽られた教員は何も考えずに煽りにノってくる。

狩音は「アホだな~」と心の中で教員の事を断定すると共に、この教員から学べることは何もないと確定した。


それなら、もう何も怖くない。と、

自分自身の全身全霊をもってこの教員を叩きのめそうと決心した。


「おっ、そうだな」

と、一言言って荷物をまとめ立ち上がり、出口へ向かって歩いて行く。

出口へ向かう途中、様々な声が聞こえる。

「アイツほんとヤベーよな」

「頭おかしい」

「顔はカッコいいのに、性格がねぇ」

いつもの事なので狩音はさして気にしない。

むしろ、獅子の美しさに嫉妬する負け犬の遠吠えと思い、その声に狩音は悦びさえ覚えていた。

そして、出口に着いた狩音は去り際に

「あっ、そうだせんせー」

と、思い出したようなフリをして

「あの浮気相手のリサさんだけどね、その手では有名な結婚詐欺師だから気を付けてねー」

と、とびきり凶悪な顔で柔らかくアドバイスをした。

「な、なんで、それを、、、け、結婚詐欺師?え?」

自分の中で一番ヤバい秘密を暴露され、混乱する教員。

対して狩音は、教員が予想以上の良いリアクションをしてくれて楽しそうに嗤う。

一拍置いて教室が騒めきだす。

「え?浮気ってマジ?」

「うっわ引くわー」

「これは狩音ナイス」

狩音は、教員の評価が自分と同じレベルまで下がったのを見て満足し、教室を立ち去る。

そして、再度眠るために屋上へと向かう。


屋上に着いた狩音は横になり、美しく雄大に広がる蒼い空を見上げ

「つまんね」

と短く呟き、深い眠りについた。



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