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東方学園の怪談話  作者: アブナ
第1章 学園の怪奇
8/82

学校の謎

お久しぶりです

まあ色々とあって、活動を休止させていただいてました笑

これからは前ほど頻度は高くないにせよ、更新はしていくつもりですので、よろしくお願いします!






ーー夢を見た。


つるぎの丘で、私は誰かと戦っている。


剣と剣がぶつかり合う音。剣が折れ、彼方此方にある剣を手にし、また敵に向かっていく。


敵は両手に剣を持って向かってくる。

私はそれを、様々な方法で受け流し、弾き、敵へと反撃する。

敵は私と距離を取ると、口を動かし何かを喋る。


声が聞こえる。

はっきりと、鮮明に。

夢とは思えぬ程に、鮮明に。

何者かとも知らぬはずのなのに、酷く聞き覚えのある声がーー。


「ーーー決して、違えないで」


その一言を最後に、辺りは光に包まれた……








「…あれ…」


私は、見覚えのある部屋で目を覚ます。

私の部屋だった。


「…夢か……」


体を起こし、学校へ行くために身支度をする。


「……」


−お姉ちゃんが昨日言ってたけど……ミスティアちゃんが心霊体験の被害者だなんて……。

今学校に何かが起きてる。それの正体を掴みたい……。


「今日学校で聞いてみよう…」


その時、私の部屋の入り口の扉が開く。


「こいしー…って起きてたか。今日学校休みだそうよ」


「え!?」







「…んー……」


やる事もないので地底から出て学校へと向かっていく。

学校で何か起きている。その何かを掴むためには直接行くのが一番いいだろう。


「あれ、こいしじゃん。どったのこんなところで」


「ん?」


ぬえとフランが私に話しかけてきていた。


「あ、フラン!ぬえも!どうしてこんなところに?」


「…別に異変も起きてないのに学校休みだなんて、普通じゃないよ。学校で何か起きてるんだと思う」


「…やっぱフラン達もそう思う?」


「うん……」


「よし、私達三人で学校に侵入して調べてみよう!」


「OK!」


「迂闊に行くのは危険だと思うよ……先生の一人でも連れて行った方が…」


「いいよそんなの!行こうフラン!」


「わわっ、ちょっ…ちょっと!」


その後、私達は学校へと向かった。

学校は物静かで、辺りは静寂に包まれていた。


「……誰もいない?でも校門は少しだけ空いてる……」


「中にいるんじゃないかな?私達の担任の先生探すために」


「妹紅先生のこと?もう丸一日は見つかってないのに、まだ学校を探すの?手分けして幻想郷中を回った方が絶対早いのに……」


「…まあともかく、入ってみよう」


ぬえと私は、校門から学校に入った。


「……現状、これといって変なところはないね」


「だね……よし、まずは私のクラス、1-Bから行こう!」


「うん」


私たちが移動しようとしたその瞬間……。


ガンッ


「…!?」


校門が閉ざされた。


「え!?」


それと同時に、先ほどまで何も感じさせなかった学校内から不穏な空気を感じるようになった。

ものすごく、嫌な予感がした。それはフランも同様だったらしい。


「え、え!?」


「こいし!何が何でもここから出よう!」


「うん!」


「こ、こんなものぶっ壊せば…!」


ぬえが門の破壊を試みたが、門には謎の結界が施されていた。

ぬえの放った大きな弾が掻き消されてしまう。


「何これ!?」


「…結界…!?」


「あーあー…今日に限って入っちゃったか」


「「「!?」」」


背後から、女性と思しき声が聞こえる。


「ここは言わば監獄のようなもの……教員すらも知らない隠された真実……」


「誰!?」


私たちの後ろには、ウェーブのかかった長い銀髪の、黒いローブを身に付けた、私と身長の大差ない少女がこちらを見つめていた。


「あたしの名前はメイジ。貴女達と同じ、ここに閉じ込められた者の一人よ」


「…閉じ込められたって……どういう…!」


「…月に一度…この学園はある化け物がここにいる奴を閉じ込めて一生出られないようにしようとするんだ。そいつは気まぐれで、放課後の七時から十時までの間に、門の封鎖をする」


メイジと名乗る少女が、私達に歩み寄ってくる。


「でも今日はおかしいね……今は夕方の三時半……随分早い」


「…貴女はいつからここに?」


フランが真剣な表情で聞いた。


「…さあ、いつからかなぁ……もう覚えてないや」


「つまり、そんなに昔からいるって事?」


「ま、そうなるね」


「脱出する方法は?」


「脱出する方法、ね。次のチャンスは来月だよ」


「……なるほど」


フランは納得したようで、そこで質問を終えた。

私達はさっぱりである。


「え?え??つ、つまりどういうこと?」


「だって明日には学校再開するし……それにここからどうやったって出られないわけじゃ…」


「それが出られないんだな〜…残念な事に。門はおろか、この学園全体を縦30Km、横は学園の幅と同じようにして結界で囲ってあるからね」


「なっ…!」


「で、でも明日から学校は再開するし…!普段あんな結界無いよね!?」


「二人共、落ち着いて聞いてね」


フランが私たちの方を見て説明を始めた。


「ここは私達が入ってしまった時点で、別の空間になってしまったんだ」


「…えぇ!?」


「本来の世界……つまり私達の暮らしている幻想郷とは違う場所に飛ばされちゃったって事」


「な、何でさ!?」


「わからない…けど、事実ここはもう幻想郷ではないよ。ましてや東方学園でもない。校舎の方、見て」


言われるがままに校舎の方を見る。


「…え!?」


校舎は、まるで廃校のようにボロボロになっていた。

窓ガラスは所々割れていて、校舎の壁には亀裂が入っているところもある。さらに、霧も発生していて、植物は生い茂っていた。

一目見て、整備のされていないところだとわかった。


「何、あれ…!?」


「ここが何処なのか……どうしてこんなところに飛ばしたのか……飛ばした者が何なのか……まだ何もわかっていないわけじゃないでしょ?」


フランがメイジに問う。


「…そうだね。まずわかってる事から説明していこうか。まずここは、そこの金髪の子が言ったように東方学園じゃないよ。ましてや幻想郷でもない……ここは完全に世界から隔離された空間。言うなれば……


夢の中の世界かな」


メイジがそう言った瞬間、辺りが揺れ動き始める。


「な、何!?」


「そら始まったよ……走る用意」


「え!?」


「ぬえ、こいし。全速力で走って」


「え?」


フランが私達の背後を見つめながらそう言った。


「いいから早く!」


「え!?ええ!?」


フランが私とぬえの手を取り、走り出した。

その際私は、少しだけ背後から何が迫ってきているのかが見えた。

一言で表すとしたら……ゾンビ?


「ヴオオオオオオオ!!」


「な、何あれぇ!?」


「ありゃあこの学校に閉じ込められて最終的にここに取り憑く悪霊さんの魔力に侵され、理性を失いただ元の人間に戻ろうとする化け物、死人アンデッドさ!」


「…!?つ、つまりあれは元々は……」


「そ!あたし達と同じ妖怪や人間ってわけだ!気をつけな!あいつらに咬まれるだけでお仲間の一員だ!」


「うそぉ!?」


「倒そうなんて思うなよ!あいつらは不死身だからね!死にたくなかったらあたしについてきな!」


「…!こいし、ぬえ!メイジについていこう!」


「…わかった!」


その後、何とか私達は逃げ切った。


「ここなら安全だ……学食の食堂。割と広い上に置物がないから、色んなものを置ける。おまけに電球、蛍光灯、コンセントまで設備されてるときたもんだ……便利な場所だよ」


食堂と呼ぶには相応しくない、随分と生活感のある小屋のような場所で、私達は一息ついていた。


「地面にはカーペット……コンセントは延長コードで多くしてる。そりゃあショートとかもしちゃう可能性はあるから、冷蔵庫、電子レンジとかは別のところに挿してあるよ。偶然三人分はベッドはあるし、食料も約4ヶ月分はあると思う。ついでにキッチンもまるまるあるわけだし、食には困らないよ」


「…食堂の調理場のところを、バリケードで向こう側からはこっちが見えないように工夫して拠点にしてたって事か……」


「そゆこと♪それに偶然にも洗濯機、お風呂まで備わってるというね!」


「はぁー…はぁ…!な、何なのあれ…!何で急に地面が揺れて、あんな奴が現れてきたの…?」


ぬえがメイジに問いかけた。


「揺れたのは学校自体があたし達を……つまり生存者を捕まえようと動き出したっていう合図みたいなもんだよ。ああ言うわかりやすい合図出してくれるなんて親切な悪霊だよね」


「追ってくるのはあいつだけなの?」


私は気になり、それを聞いた。


「いや?もっといっぱいいるよ。今回は一体だけだったけど……本来は何十体何百体……いや、下手したら何千体といる」


「!?な、何でそんなに…!」


「それだけ悪霊に捕まっちまったって事だろうよ。まあ、頑張って逃げるしかないよ」


「あいつらを一時的に活動停止にする方法とか……ないの?」


「…さっきは逃げさせるために不死身だなんて言ったけど……実は不死身ってわけじゃないんだよ。あいつらは脳を……即ち頭を吹き飛ばせば殺せる」


「な、何だ…!それなら簡単じゃ……」


私がほんの少しだけ希望を見出したその瞬間。


「今の自分の状況がわからないの?ほんっと鈍いねえ古明地こいしは」


メイジが言葉を遮って言った。


「こいし、学校の決まりを思い出して」


「え?」


「あんたもそこの黒髪の奴も、綺麗な金髪の子も……今は人間なのさ。……金髪の子は随分と察しがいいね…頭の回転も機転も早いし」


「そう、かな。私の種族は元々吸血鬼だから……変化には気付きやすいだけかもしれないよ」


「…ま、ともかくだ!これからは私があんたらを守ってやる……これからよろしくね」


「…よろしく」


「そーだ、あんたらに武器もあげないとねえ」


「武器?」


「私もつけてるからね」


よく見ると、確かにメイジは腰のあたりに二本の短刀、ナイフを巻きつけていた。

背中には、拳銃も仕込んであると言う。


「ま、とりあえずこの中から好きなものを選びな。細かい話とか説明は、武器選び終わってからにしようか」


そう言うとメイジは大量の武器を引き出しから出した。

私はメイジと同じように、短刀二本、拳銃一つにした。


「……」


フランが無言でナイフと拳銃を弄っている。

おそらくあの二つを武器にするのだろう。


「これにしよ」


ぬえはナイフと槍のようなものを手に取った。


「それ、大きくて持ち運びにくそうだね……」


「ま、いざという時は捨てるなり何なりして構わないから。


よっしゃ!これからは私達四人で頑張っていこう!」


「お、おー!」


これから始まる生活にほんの少し恐怖したが、みんなと一緒なら大丈夫だと前向きに考えた。

そんな中、フランが難しい顔をして何かを考えていた。


「…フラン?どうかしたの?」


「うん?いや、何でもないよ」


「そ、そう?」


「これから、一緒に頑張っていこうね。こいし」


「うん!」




「……」


−この学校が出来たのはつい最近。なのにメイジは”ずっと昔から”ここに閉じ込められていると言った。

メイジは東方学園の生徒じゃないのに、その存在を知っていた。メイジが幻想郷の住民という風にも見えない。

メイジとこの学校には……まだ他に何か謎がある。


フランはハンドガンの手入れをしながら、この先のことについて考えていたのであった。




休止してる間に文章力が若干落ちた気がしないでもない

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