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東方学園の怪談話  作者: アブナ
狂宴の刻
74/82

番外 バレンタインSP(?)

バレンタインに託けて何か描きたかったんだ…。

これは本編の話とは関係ないIFストーリーと思ってね。





「ねえ伸介。買い出しなんだけどさ、ついでに買ってきて欲しいものがあるんだ」


「んー?何だ?」


「ノートとシャーペンの芯。2Bの奴」


「りょーかい。ノートは何でもいいのか?」


「うん、何でもいいよ。ありがと」


「そういやお前、最近髪伸びてきたろ。今度切ってやろう」


「えっ……い、いいよそれくらい自分でやるから」


「自分でやるより誰かにやってもらう方が好きだろ?お前。咲夜やイザベルに切ってもらってる時顔が綻んでるからな」


「うっ……」


「というわけで、今度は俺が切ってやろう。まー安心しな、こう見えて巧いぞオレは」


「う、うん。…楽しみに、してる」










「……くそ、じれってーな……オレちょっとやらしい雰囲気にしてきます!」


「待てイザベル。


いきなり入ってはせっかくのピンクい空気を壊す可能性がある……いては事を仕損じる!ここは慎重にいった方がいい……」


物陰に隠れてヒソヒソと話す、イザベルとこいしの二人。そこへレミリアがやってくる。


「……あんたら何やってんのよ」


「あ、レミリア。今伸介とフランが良い感じの雰囲気になってるからそれを見守って…」

「おい、バカ……相手を誰だと思ってる!」


「あっ」


振り返るとそこには既にレミリアはおらず……。


「伸介ぇ……吸血鬼の面汚しめ!この紅魔館のど真ん中にお前の墓を建ててやる!!」


「いきなり出てきてどうしたんだお前は」


「お、お姉様?」


「言わんこっちゃない……」


「ああぁ……せっかく良い感じの雰囲気だったのに……あの野郎!」


「待てこいし、気持ちは大いにわかるがここで私達まで出てしまったらそれこそ本当に終わりだぞ。よく見てみろ、あの空間」


「…!親族だけが集まっている…!」


「そうだ……では次に彼らの思考を考えろ」


「……フランは伸介が好きで、伸介はその感情には気付いていないもののフランのことは大好きで……レミリアはそれを止めたい」


「そうさ……つまりこの後レミリアと伸介の痴話喧嘩が始まる。そうなるとフラン様はどんな行動を取るかな?」


「またか…と呆れるか、止めようとする……はっ!」


「気が付いたようだな…!そう──




ラッキースケベチャンスだ」




「伸介とレミリアを止めようとするフランは必ず二人の近くまで歩いていく。その時に我々で何かを仕掛けるというわけですな…!」


「その通りだこいし君……そしてもちろん攻撃する相手は伸介だ……現在フラン様の身長はおよそ6〜7歳児程度……120cm程にまで成長されている。


ただし胸に関しては別だ。ほんとに幼女?ってくらい大きい。オレの体が証明している。

そして伸介の身長は170cm、後ろから小突けば確実に手が胸に当たる…!


それを見たレミリアは確実に発狂する。その一瞬の隙をついて我々が奴の口を塞ぎ、あわよくば気絶させる…!」


「何という完璧な計算……!流石です、イザベル先生……!」


「だが計算が出来たとしても、それがそのまま起こり得るとは限らない。我々にかかっているぞ…!」


「はい…!気を引き締めていきましょう…!」






「あんたまたフランを誑かして!!」


「聞き捨てならんなぁ、誰が誰を誑かしたって!?」


「そうやってまた逃げようとする!あんたがフランのこと狙ってんの知ったんだからね!?」


「狙ってねえよバーカ!オレのは家族としての純愛だっつの!」


「ま、まあまあ二人とも……」





「──今だ!!(小声)」


「控えめの埋め火!(小声)」



ドンッ



「うおっ!?」


「えっ」


突然伸介がバランスを崩してしまう。

そして──




むにゅんっ




「……」


「…ッ…」




「……──し、しんす──」


「おっと」


「ここはお静かに」


「ファッ!?」





「……悪い」


「う、うぅん。事故だもん、仕方ないよ」


「……そうか。…それにしてもお前……


でかいな……その見た目の割に……」もみもみ


「んなっ……!」


伸介がフランの胸を揉み始めた。


「レミリアは絶壁と言ってもいいくらいなのにな……やっぱ素直な子はよく育つの──」

「離れろォーーッ!!」


バチィィーーンッ!!


「サロンパスッ!!」









「や、すまんかった。ほんとに」


頬に綺麗に右手の痕が残っている伸介。


「……」


フランは顔を真っ赤にして、胸元を抑えている。


「ミッションコンプリート…」パチィンッ…!


「ふっ…」


その二人の背後で、イザベルとこいしがハイタッチをしていた。


「な、何趣あるハイタッチしてんの…!ていうか、お姉様どうしたの……?気絶してない…?」


「ああ、お嬢様!一体どうされのでしょうか!?フラン様、ここは私とこいしにお任せください!貴女は伸介と共に買出しへ!」


「えっ!?い、いや……」


「遠慮しなくてもいいよ!レミリアのことなら任せて!それじゃあねー!」


二人がレミリアを抱えて去っていった。


「……何なんだ?あいつら」


「さ、さあ……」


「まあでも……そうだな。せっかくだ


一緒に行こうぜ、フラン」


「……うん、行く」








「ッッしゃあっ!!」


「大成功と言って良いでしょお!!」


イザベルとこいしがガッツポーズを取っている。


「さあ進展しろ…!フラン様もご自分の気持ちをそれ以上隠す必要は無いのです…!」


「確かに伸介はフランにとって兄かもしれないが、それはあくまで義理!真の意味で血は繋がっていない……即ち!」


「「結婚できる!!」」


「フラン様の幸せは近い…!もうすぐそこだ!」


「そうだとも!あの二人を結婚させることは私達の使命や!」


「とは言ってもまずはお付き合いからだろうがな!フラン様は純粋だから!」


「体の関係に至るまでどれくらい時間がかかるかわからないが、その時はその時!」


「俄然良い展開になってきたじゃあないか…!ここから先はオレ達が付いていく必要もあるまい!」


「いや、どうだろう。フランは伸介に対して恋心を抱いていることに『罪悪感』を感じている。伸介は家族なのだから、そんな感情を持ってはいけないのにと懺悔している!いやまあ口には出してないけど!」


「つまり、伸介に告白せずに終わる可能性が高いということか!?」


「そうなんですよ先生!あの子ほんっとに良い子だから!天使すぎるから!」


「ぬうぅっ……!流石は我らがフラン様……身も心も美しい……美しすぎる…!」


「我々も行きましょう!もし何事もなく終わりそうなら我々でどうにかするしかない!」


「左様か!よし、行くぞ!」


「イエス・マム!」









「しかし久しぶりだな、こうしてお前と二人でショッピングってのも」


「確かに。何十年振りだろうね」


「いくらでも行く機会はあったろうに、何でだろうな」


「まあそういうこともあるよ。ところで伸介」


「ん?」




「今日、


何の日か知ってる?」


優しげな微笑みを浮かべ、伸介を見つめている。

伸介には、思い当たるものが一つだけあった。


「……バレンタイン?」


「正解!流石の伸介も知ってたか」


「おい、それじゃあまるでオレが世間知らずって言われてるように聞こえるぞ」


「ふふふっ……それはそれとして、そういうわけだからさ。


はい、バレンタインのチョコレート。いつも買い出しとか勉強とか……イザベルの時とか。


色々お世話になりました!これからもよろしくお願いします」


そう言って、一寸の照れもなく満面の笑みで差し出す。


「……ああ。


たとえこの先何が起ころうと……これからも、オレがお前を守ってやる」


「ふふっ、頼りにしてるよ、お兄ちゃん」








「……」


「先生……こういうのを尊いと言うのでしょうか…!」


「ああ、そうだよこいし君……心なしか視界がボヤけているだろう」


「はい……めちゃくちゃボヤけてます……どうしてでしょう……」


「あまりの尊さに……涙が止まらないのさ……」


「納得……」


「我々が出る幕は無かったのだ……今の関係があの二人にとって最も幸せだったのだ……!」


「レミリアがどう言った心境で止めていたのかは知らないけど……こういうことだったとしたら謝罪しなくちゃいけないね……!」


「……さて、こいし」


「ん?」


イザベルが懐から一つの小包を取り出した。

こいしはその小包の中身に心当たりがある。


一瞬、ドキッとした。まさか貰えるとは思っていなかったし……相手が、『フランと同じ姿』だから。


「先の光景を見たのだ、余計な言葉は不要だろう」


「…!」


イザベルは、いつのまにか紅悪魔状態を解除していた。




「──ハッピーバレンタイン。これからも、どうかよろしく」













「───的な同人誌作ろうと思ったんだけどどう?」


「却下に決まってんだろがいッ!!」


「えぇっ!!」


「何だ急にお前らは……」


「元気なのは良いけどもう少し静かになさいな、せっかく映画良いとこなのに」


「お姉様随分くつろいでるね…」


「そりゃあおめえ、番外だもの。くつろぐよ」


「せやな」


「あ、ちなみに今までの番外も紅魔館のレクリエーションルームで撮ってまーす。映像とか観れるし暇になったらチェスとかオセロとかあるしね」


「そういえばお前らなんで揉めてんの?」


「作者が変な同人誌作ろうとしてたから」


たっとい作品なのよ?多分イザベルとこいしはOKっていう」


「……確かに言いそう……」


「ちょ、フラン様?」


「私達そんな目で見られちゃってんの?」


「だって今も私の写真コレクション見せ合いっこしてるでしょ?」


「……何か問題でも?」


「ありまくりだよ!!」


「な、何で!?」


「肖像権んん!!」


「でもフラン様満更でもないでしょう?」


「……い、いや……まあ……」


「パシャっ」


「はっ!!」


「よし、照れ顔いただき」


「でかしたイザベル!」


「よーし!もう怒った!全てを破壊する!!」


「そんな厨二チックに言わなくても!あと勘弁してください!」


「楽しそうだなー」


「うーむ、犯人こいつじゃなかったのか……真犯人は誰だろう……」


「……案外ミステリー好きだよな、お前」


「サスペンスよこれ」


「え、そうなの?にわかだから違いわかんねえわ」


「まあ面白ければなんでもいいわよね。正直」


「まあ確かに。ところで真犯人誰だと思う?」


「私はグレイかな。映画の中で一番出番が少ないし、喋ってる描写も殆ど無いし」


「確かに一理ある。ただオレは逆にアンドリューだと思うな、出番が多い故に疑われにくいし、思えば事件が起きてる場所には必ずアンドリューも一緒にいたし」


「む、確かに。主人公である探偵ルーナの助手というポジションから疑いの念を掛けられることがほぼ無いからこそ、犯行に及びやすいと……可能性有りそうね」


「だろ?」


「……さて、それぞれみんなが仲良くし始めたところで。


今回は、伸介と現在のイザベルについての紹介です。現在イザベルは利き腕である右手を損なっており、服装もほんの少しだけ変わっていますので、伸介と同じフランを大切に想うものということでついでに紹介しようというわけでございます。


例によって例の如く挿絵による紹介となるのですが……いかんせん私には絵心がありませぬ。

大変下手くそな絵になっていますが、容姿の設定さえわかっていただければ後は自由に美化してくださって構いませんので…!


というわけで、どうぞ!こちらが今の二人の容姿です」







挿絵(By みてみん)








「うむ……いや、うーむ……下手い……小学生の落書きかぁ……?しかも色の塗り忘れが多いし……


ちなみに伸介の髪の色は少し藍色寄りの黒。リストバンドも黒で、上着の色は灰色。中に着てるシャツは黒。ズボンは亜麻色です。

イザベルはフランと基本的には一緒で、服装の色がフランなら赤のところがイザベルは黒になってます。あとはサイドテールに結んでいません。


こんな絵を本人達に見られたらバカにされかねないので隠れてやってるんですけど、容姿の設定としてはこんな感じなんです。本人達はもっとイケメンだったり美人だったりするのですが。


一先ず設定上の容姿の確認という意味でも、絵に表しておいた方が読者の皆様も想像を働かせやすいかなと思いまして。そんなこんなで描いてみた次第です。はい。


伸介の設定としては、ざっくり書くと……」


ケアル・シンスという吸血鬼と矢坂愛莉という人間の間に生まれた、吸血鬼と人間のハーフ。

両方の良い要素が掛け合わさって、吸血鬼の強大な力を持ちつつ、通常の人間と全く同じように生活を行うことができる。

しかし、欠点もある。

それは若干人間寄りであることだ。

再生力も通常の吸血鬼に比べればかなり控えめで、力も同様。

不死身と言えるほどの生命力は持ち合わせておらず、腑を抉られれば下手をすると死に至るし、再生にも時間がかかる。

ただし魔力に関しては通常の吸血鬼の比ではなく、凄まじい質と量を持っている。

食料も血を摂取する必要がなく、通常の人間と同様の食べ物だけで生きていける。

ただし、吸血鬼なので血を吸うことはできるし、それにより寿命も延びる。


伸介の両親は特殊である。

ケアルの方は、同族の者達から使いっ走りにされていたり。

愛莉の方は日本から海外へ移住してきた日本人であったり。


二人は少し境遇が似ていたこともあり、すぐに交際は始まった。詳しくは本編廃校篇の『3日目・中』参照。


矢坂の姓を名乗っているのは、ケアルの提案である。

『この子には愛莉の姓を名乗ってほしい』と愛莉に提案したのだ。愛莉は快く了承し、名前は矢坂伸介となった。


伸介の名前の由来は、ケアルの『日本人っぽい名前』と、愛莉の『あなたの名前に似ている名前』という希望の両方を叶えられる名前を探したところ、『シンスケ』というフレーズが一番近いと感じたのだ。

そして、伸び伸びと育ち、誰かの手助けになれるような立派な人に育つようにと、『伸介』という字が当てられた。


伸介はハーフのため、フランやレミリアに比べると肉体の成長が少しだけ早い。

現在の伸介の身長は172cm程である。

日本の成人男性とほぼ同じ身長だ。

実年齢は500歳を超えているが。


「全然ざっくりじゃないやんけ!ま、まあ多少はね?

完全オリキャラだから設定が多いな……


伸介は二歳から四歳になるまでの間は母親と一緒に仲良く暮らしていました。父親が金目になりそうなものを置いていったおかげでそこそこ裕福な暮らしができていました。


その後、偶然散歩中のレオールとフリーダに出会って旧紅魔館に養子として引き取られると……そんな感じ。あとは本編に事の経緯は書いてあるのでよろしければ読み直してやってください。イザベルについてもそんな感じっす。


と、少し適当な感じになってしまいましたがこれで終わりです。バレンタインに託けて何か番外やりたいなと思ったんだけど話が思い付かなかったので無理矢理番外を作りました。無念。


本編も随時更新していきますので、もし見てくださっている方がいらっしゃれば、楽しみにしていただけると幸いです。思ったより執筆デジタルに時間がかかるというか、時折アニメとかの影響で余計な展開を挟みそうになって物語を考え直したりで更新に時間がかかっちまって申し訳ない。


これからも頑張っていきますので、完結までどうかこの作品をよろしくお願いいたします!」


「あ、どこに行ったかと思ったらこんなとこにいたのね。何してんの?」


「うえぇ!?れ、レミリア!別に何も?」


「そう?今誰かに話しかけてるようにも見えたけど」


「いやいや、そんなことない。とりあえず早く戻んない?ところで何でこんなとこを?」


「クローゼットの奥の方から小さく声が聞こえるなーと思って。泥棒だったらいけないから念のために開けたらあんたが居たのよ」


「あーなるほど……」


「やっぱ誰かと話してたんでしょう?別に疑ってないけど教えなさいよ」


「い、いやいや、知らなくてもいいことって世の中にはあるよ」


「ええそうね、これは知っていいことだと思うわ」


「で、ですかねぇ……」


「おーいレミリア、そろそろ次の話始まるぞー」


「おっといけない!まあ話したくないならいいけど。あんまり怪しいことしないでよ?もし開けたのがフランだったらやばかったかもよ、あんた」


「は、はい。気をつけます」


「よろしい。とりあえずクローゼットから出なさいな。一緒に映画観ない?」


「んー、観たいかも」


「でしょ?ほら、フラン達もいつまでもわちゃわちゃしてないで一緒に観ましょうよ」


「う、うん!観たい!私すっごい映画観たい!」


「同意見だなこいし!オレも観たい!」


「イザベル何で紅悪魔なってんの!?」


「フラン様に言ってくれぇ!」


「コワスコワスコワスコワスコワス」


「何があったんや…!?」


「あーあ、怒らせちゃったのか。ちょっとあんたら下がりなさい」


「え?」


「コワス…コワス…」


「まあまあフラン、落ち着きなさいな」


「コワス…オネエサマ?」


「一緒に映画観ましょ?ね?」


「…うん」


「よし!」


「……仰げば尊し…」


「最高でした…」


「そんなだからブチギレられんのよあんたら」


「……おねえしゃま……」


「あ、完全にトロけてら。そうなった時のフランクッソ可愛い」


「わかる。わかるよ伸介」


「オレも何度かそれ経験してるからなぁ」


「え、イザベルあんの!?私無いんだけど!羨ましいんだけど!」


「フランは完全に甘えモードに入ったらこうなるのよね。任せきってるというか」


「そうそう」


「つ、つまり私は任せきるほどの信頼を得られていない…?」


「こいしこいしこいしこいしよォ〜〜〜、自信を持て。オメーの包容力(ママ味)はその気になりゃあ何者にも負けねえ程じゃあねえか。そうだろう?自信を持っていいんだぜ。オメーの能力をよォ〜」


「そ、そうかい…?」


「そうさ……!思い出すんだ。廃校篇の時お前はフラン様に甘えられたはずだぜ?」


「た、確かに…!」


「……ねえ、イザベルとこいしってはたから見ればバカップルじゃない?」


「……確かに。結構お似合いだしな……」


「おねえさま…しんすけ……」


「おう、どうかしたか?」


「はやく映画……見よ?」


「よし、大至急再生よ」


「おう。だがまずその鼻血を拭え」


「貴公もだ、伸介」



「……は、はい!とりあえず今回の番外は終わりますね!これからもこの作品をよろしくお願いします!


それでは……ありがとうございました!」








ついでに伸介達の紹介も済ませてしまった。

絵心の無さを痛感します。

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