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東方学園の怪談話  作者: アブナ
狂宴の刻
70/82

『JOKER』

書きだめをしていたので連続的に更新ができて嬉しいです!

……ただちょっと短いですけどね泣





ドオオオオオオオンッ


地底前の平原──即ち戦場。


ここでは、至る所で爆発が起きている。


「うおおおおお!!」


「おおりゃああ!!」


白蓮と神子の二人が天子に斬りかかる。

白蓮は魔人経巻を剣状にして、神子は腰にさしている剣でそれぞれ攻撃している。


ガキィンッ!!


「ふんっ…!」


天子は二人の攻撃を右手に持つ緋想の剣で防ぐ。

二人の剣を弾き、空中を一閃した。

すると斬撃が発生し、二人の向けて飛んでいく。


「はっ!」


それを神子が弾き飛ばす。


「やっ!」


白蓮は神子の背後から火炎魔法を飛ばす。

神子はそれを身を屈めて避けている。


「へえ……」(自分の体を使って魔法を隠してたのね)


天子は感心しながら魔法を掻き消した。


「おおっ!」


魔法に続くように神子が天子に斬りかかる。

天子はそれを躱して神子に反撃する。


ガキィンッ!!


「ッぐっ…!」


神子は何とか防いだが、凄まじい重さの天子の攻撃に少し怯んだ。

そこへ天子がもう一撃加えようとするが……。


「はあっ!」


「!」


白蓮が斬りかかってくる。

天子はそれを躱し、白蓮を右足の回し蹴りで蹴り飛ばす。


「うぐっ!!」


「ちっ…!」


神子は白蓮が飛ばされた方に瞬時に後退した。


「無事か!」


「ええ、問題ないです!」


「よし!」


再び二人が天子の方を睨む。


「……肉体強化による攻防の強化……それを()()()ともなるとそれなりの量の魔力を使うはず。いつまで保つか見ものね」


現在は白蓮の強化魔法を神子と自身の二人に掛けている状態である。

それをやっても、未だに天子が優勢だった。


「……正直な話、あとどれくらい保つ」


「15分くらいですかね……」


「充分だ。…行くぞ」


「ええ!」


二人が天子に向けて突撃していく。


「ふふっ……その不屈の精神、お見事。


さあ、存分に楽しませてよね」







各戦況はさっきまでのような一方的な展開ではなく、どこもほぼ互角の戦闘を繰り広げている。






ドゴォッ


「くっ…!」


「むっ…!」


華扇と神奈子が互いの左手をぶつけ合っている。

二人は一旦距離を取った。


「それっ!」


「!!」


その時、神奈子の背後から諏訪子が出現し、弾幕を放ってくる。

華扇は全て躱し切り、右手の包帯を龍の形状に変えた。


「龍符『ドラゴンズグロウル』!」


その龍を象った包帯が伸び、諏訪子へ襲いかかる。


「はっ」


諏訪子は鼻で笑いながら、両手を合わせる。


「神具『洩矢の鉄の輪』」


手を広げると、そこから鉄の輪のようなものが出現する。

その輪を龍に向けて飛ばす。


ドオオオオオオオンッ!!


輪が大爆発を起こし、龍が消し飛ばされた。

包帯が元の右手に戻っていく。


「くだらない技だね」


「流石は神さま、強いわね…!」


諏訪子が神奈子の隣に降り立つ。


「二対一なのによく粘るじゃないか。褒めてあげよう」


「できるなら神の慈悲が欲しいところなんですけどね……」


「試練を課すのもまた神の特権だよ、茨華仙」


「そういうこと!」


神奈子が再び華扇に突撃していく。


「やっぱそう来るわよね…!」


(さあて、少しきつくなってきたかも…!)








そんな激化していく神と仙人の闘争とは裏腹に


ドガッ


「ぐおっ…!」


別のところで起こっていた一つの戦いが今、終わった。


「……思ったより大したことなかったわね……」


幽香が先の青年を倒していた。

幽香の方に傷はない。


(ただ、なかなかいい動きだった。強敵とまではいかないけど、『強かった』とは言えるわね)


「ま、相手が悪かったとしか言えないかな。相手が私じゃなかったら、あるいは」


幽香が歩いていこうとした、その時。


ゾクッ


「…ッ…!?」


電流のような凄まじい悪寒が、背筋に走る。

思わず幽香は立ち止まった。


「……今の、感覚……」


背後に倒れている青年によって出されたものではないことはすぐにわかった。

何故なら、幽香は一度この感覚を味わっているからだ。


そう──




『危機感のない連中は──生きていても邪魔でしょう?』




フランドール・スカーレットと対峙した時の、あの得体の知れない『恐怖』そのものだった。


「……ああ、最初から勝てるなんて思っちゃいないさ……」


「!!」


それに便乗するかのように、倒れていた青年が起き上がり怪しい笑みを浮かべる。

ただ、幽香はその行動に特に動揺することはしなかった。


「……でしょうね。何が目的だったかは知らないけど、貴方は自分の実力がわからないってタイプじゃなさそうだもの。


となると、他の援護に行かせないための時間稼ぎかそれとも何か作戦があったのか……まあ、時間は随分稼がれちゃったかな。そういう話で言えば貴方の勝ちかもね」


「ああ………あんたは強いからな……あんたを少しでもこの場に抑えるために指揮官は俺に時間稼ぎをさせた……その推理は()()()()だ。


──ただ、俺は何の時間を稼いでいたのかな?」


不敵な笑みを浮かべて幽香を睨みつける。


「何の…時間?」


「……王女……仰せの、ままに……」


青年が地面に倒れ伏せた。

その表情は、安心しきっている。


「……」


(奴は明確な理由があって『私』を止めていた、これは確かだ。他の誰でも良かったわけじゃない。

だとすれば、他の連中には無い何かを私が持っているということ。


強さで言えばこの場にいる連中にそこまでの大差はない。かといって私の能力は『花を操る』。そこまで奴等にとって厄介にはならない。


何かあるはず。奴が私を狙った理由が──)


幽香が瞬時に思考を巡らせる。


『王女……仰せのままに……』


『フラン様はやはり、敵側からしても重要人物だったというわけか』


──王女ってのはフランドールのことで間違いない。だとすると、さっきの悪寒は何か関係があるのかもしれない。


まず何故奴等は一番最初に地底を狙ってきた?

こちらが地底を本陣にした事など一切奴等には伝わっていないはずだ。


……読んでいた?地底に集まることを?

いいや、違う。確かにフランドールや咲夜が敵にいるのなら遅かれ早かれ読まれていただろうが、そんな一瞬で読むことはできない。


奴等は用心深い故に、更なる可能性も考慮する筈だから。

絶対に地底にいる、とは決め付けない。

他のところにも幾らか軍隊を送るはずだ。


だがそれをしていない。

それはつまり『確信』と『確認』があったということ。地底にいることが『確定』していたということだ。


何故それがわかった?


どうやって知った?


そしてそれをどうやって短時間で知らせた?












『自分の配下になるなら、話は別なんだってさ』











(──諜報員スパイ……!)





「そういうことか…!」


途端、凄まじいスピードで幽香が走り出す。

今までの思考は、ほんの数秒で行なっていたようだ。


(この事実を早く伝えないと大変なことになる……!誰が奴等の回し者かまでは目星はつかないけど、一先ず無線機を使って霊夢に──)


その時だった。





「!?」


ドッ!!


空から、何かが幽香の目の前に落下してきたのだ。

重いものが落ちる音だった。


「何……?……!」


それは───全身焼け傷だらけの、うつほだった。


「……この、傷跡」


(この星型の、火傷……)


「まさ──」









ドッ




「──はっ…?」


幽香の左胸を、一本の虹色の光線が貫いた。


「よくそこまで勘付いた。あと数秒思考の時間を与えていたら危うくバレるとこだったな。


ああ、そういえば……」


「……ぅぐっ……!!」


幽香が膝をつく。

辛うじて、声のする方を見ると、そこには──













挿絵(By みてみん)






「『パレード』の情報伝達、ご苦労さん」


とても邪悪な笑みを浮かべた、魔理沙がそこに立っていた。


ドンッ






「──さて……『レミリアの孤立』『幽香の始末』『結界の穴』……これで私の仕事は終わったな。大成功と言っていいだろう」


魔理沙が先ほどの青年の方に歩いていく。

魔理沙の周りにはジャミングが施されており、周りからは姿が見えることはない。ただし、目の前まで来ると話は別である。


()()()も、上手く侵入できたかな?」










「〜♪」


鼻歌交じりに歩む、奇妙な羽を持つ金髪の少女。

少女の周りは───数多の死体に満ちていた。


「──becoming(たのしくな) enjoyable(ってきたね)





諏訪子のスペカはキルドライバーを意識していただければ。わかる人にしかわからんなこれ

ゲス顔って何であんなに描いてて楽しいんだろう…?

もっと上手く描けるようになりたいぜ…!

言ってなかったけどウチの魔理沙は深秘録服です。

あの服好きなんですよね……帽子ミスったけど……

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