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東方学園の怪談話  作者: アブナ
序章 東方学園へ
6/82

悪夢の前兆

「…咲夜、どうなってこうなったの?」


「え、えーとですね……」


紅魔館のロビーには、レミリアとパチュリーが手首と足首を縛られて吊るされていた。


「離せーーッ!!」


「うるせえなぁ…どうせ俺らには何もできないんだからこのまま吊るされて隙をついて逃げればいいだろ…」


「妹様の分身がお二人を倒した後、私に任せて消えていったじゃないですか?」


「うん」


「あの二人の傷が凄いスピードで治り出したのでどうにか縛ろうと思ってああいう状態に……」


「……なるほど…まあ面白いからいいか」


「…フラン、お前って結構Sだよな」


「そんな事ないよー伸介!私は悪い奴らをもう死にたいと思えるくらいにいじめたいだけさ」ニヤァッ


「顔が!顔がやばいよフランさん!」


「吸血鬼と魔法使いに取り憑くなんて大した奴ね、こいつらも」


霊夢がレミリア達の前まで浮いていった。


「んなっ…!!博麗の巫女ぉ!?何で!?」


「フラン達に呼ばれてねぇ……あんたらをお祓いに来たのよ」


「ちょっ、待って!話せばわかる!」


「NO〜!馬鹿言っちゃいけねえよ……」


霊夢が何かの札を二人に貼り付けた。


「ぎょえぇーー!!」


「ぎゃああああ!!」


二人から、何かの霊体のようなものが出てくる。


「それっ!」


霊夢がその霊体を、お祓い棒で殴りつけ、札を霊力で縄状に固めて飛ばし、二つの霊体を縛り付けた。


「さーて、後はこいつらの経緯を調べた上でどういう処置かを決めるだけね……んじゃ、私の仕事はこれでお終い。またね」


霊夢が縄状になった札を掴んで、霊体を引き摺りながら歩いていった。


「ありがとう霊夢〜!お疲れ様ー!」


レミリアとパチュリーが、地面に降ろされていた。


「…んん〜…ん?あ、あれ…」


レミリアが目を覚ます。


「…!お姉様!」


フランが途端にそこに駆けつけた。


「フ、フラン?どうしたのそんな慌てて……」


「!べ、別に…」


「…あら、もしかして私の心配してくれてたとか!?も〜私の妹は可愛いわね〜!デュフフ」


レミリアがフランに抱きつきに行く。


「気持ち悪い」


フランがそれを躱した。


「ガァァーーン…!!」


レミリアが躱された事と気持ち悪いという一言にショックを受け、その場に蹲った。


「フラン……お姉ちゃん悲しいわ……」


「……いつもの…お姉様だ」


「…よかったな、フラン」


伸介がフランの後ろからそう声を掛けた。


「……伸介……!」


フランが伸介に抱きついた。


「おいおい……今はオレじゃねーだろう」


「うぅん……!伸介が居てくれたから…お姉様は元に戻ったんだ……」


「…そうかい」


伸介はフランの頭を優しく撫でた。


「…し〜んす〜けく〜ん……何があったのか説明してくれないとこのままじゃ私妬ましすぎて死んじゃうわ」パルパルパルパル


「んー、フランがオレの事好きなんだって」


「!?」


「……なん……だと……」


「ち、違うよ!!何言ってんの伸介!」


「すまんすまん、レミリアの反応面白えからつい」


「嘘かよ!伸介ちょっとこっち来なさい!!」


「えーやだよ。フランの方が素直で可愛いし」


「んな!?」


フランが頬を赤く染める。


「世の中にはツンデレっていう素晴らしい言葉があるんですー!!ていうかフラン!顔赤いわよ!?」


「!…伸介、冗談でもやめてよ……私そういう風に言われるの慣れてないんだ」


「え、マジ?学校でいっつも平気そうにしてんじゃん」


「学校ではね……異性から、しかも結構親しい人から言われるとその……照れる、っていうか……さ」


フランが恥ずかしそうにそう言うと、伸介から少し離れた。


「だ、だからね?その…伸介に言われると……て、照れるの」


「おい、この可愛い生物オレが貰っていいか」


「やらないわよこのロリコン!!」


「うっせー!実際は結構年齢行ってる事ぐらいわかってるわ!あーあー、何でフランはこんな純粋に育ったのにレミリアは捻くれたのかな〜」


「散々言ってくれるじゃないのこら!私だって素直になる時だってある……と思うわ!多分」


「自信ねえーのかよ!」


「うるさいわよ!だったら私もフランと同じようにしてやるわ!フランが可愛いことはよーく知ってるからね!!」


伸介とレミリアが喧嘩しだした。


「……もー…!二人共相変わらずだなぁ」


「そんな事よりフラン……私達はどうなっていたの?」


パチュリーが起きて、フランのところまで歩いて来ていた。


「……幽霊…悪霊に取り憑かれてたんだ。それで色々と……」


「…!そういう事ね……フラン、悪いけど少し記憶を復元させてもらってもいいかしら」


「いいよ」


そういうとパチュリーは、フランの頭に手を当てる。


しばらくした後、パチュリーの手に一つの本が現れた。それを、パラパラと読んでいる。


「……ごめんなさい、フラン」


「気にしないで、あれはパチュリー達がやった事じゃないんだから」


その時、パチュリーの頭にレミリアの靴が当たった。


「いった…!」


「パ、パチュリー!?」


「あんたの行動は下心絶対あるわよねぇ!?」


「あったらとっくに手ェ出してるよ!」


しかし、それには全く気付かず喧嘩を続けていた。


「…あんたらいい加減に…!!」


「まーまー落ち着いてパチュリー。ここは私に任せといて」


「フ、フラン?」


フランが手に何かを持って歩いて行く。


「こうなったら肉弾戦よ!!一回殴らせなさい!」


「嫌なこった!」


二人が一旦距離を置いた。


「さあ、カモンカモン!」


「っしゃあやってやろうじゃないの!行くわよ伸介!」


その時、フランがレミリアの後ろに現れた。


「アナタモスキネェ


シャッチョサーン」


レミリアに頭から水筒に入れた冷水をぶち撒けた。


「つっめたぁ!!っていたただだだ!!流水!流水はやばいってフラン!!」


「確か◯魂の高杉◯助も同じような事を…」


「いや違うからそれ!沖田くんの方だから!しかも状況全然違うから!コカコーラとコカコーラゼロくらい違うから!」


「あーそんなに」


「つーかこれツッコミなの!?ツッコミってよりブッコミなんだけど!ツッコミのテンション高杉!!」


「はいはーい、落ち着いたねー。というわけで喧嘩おーしまい」


「いやでもちょっとこれはやりすぎだと私は思います。許しませんよ、断固反対です」


「許せレミリア、これで最後だ」


フランがレミリアを軽く小突いた。


「いてっ!兄さんはそうやってすぐに……じゃねーよ!何でフランがそっちやるのよ!?むしろ私でしょ!?」


「あ、じゃあお姉様の目ちょうだい?」


「永遠の万華鏡◯輪眼でも作りたいの!?」


その後、何やかんやで色々あって、一先ずこの事件は幕を閉じた。


後日、学校のレミリアによる支配は終わり、平和で楽しい学園へと変わっていった。


「フラーン!一緒に帰ろうー!」


「あ、お姉様……こいし、お姉様も一緒でいい?」


「うん、いいよ!…ところで、下剋上の話は……」


「…ふふ、無しで!」


「だよね!」


「下剋上って?」


「あーお姉様は気にしないで」


「あ、それ逆に気になる奴なの」


「じゃー我慢して」


「そんな!」


「あははは!」


ーーーー。


「……?」


フランが学校の方へ振り向いた。


「?どうかしたの?フラン」


「……いや、何も」


「あ、そうよフラン!今日咲夜がご馳走にするって言ってたわよ!」


「お、それは楽しみ!」


「えーいいなー。けど私はお姉ちゃんの料理が一番好きだからいいや」









午後10時、学校にて


「すっかり遅くなったな……」


夜の学校に、仕事をしていて帰りが遅なったのか一人の人物がいた。


銀髪のロングヘアーに深紅の瞳を持ち、髪には白地に赤の入った大きなリボンが一つと、毛先に小さなリボンを複数つけている。上は白のカッターシャツで、下は赤いもんぺのようなズボンをサスペンダーで吊っており、その各所には護符が貼られている。


名は藤原妹紅。学校の一年B組の担任である。


「にしても、今日はえらく時間がかかったなー…」


妹紅が教室のドアを開け、外に出ようとする。


「…ん?」


しかし、ドアが開かなかった。


「おっかしいな……何でだ?鍵は開いてるし…」


その時、背後から何かの音が聞こえる。


ピチャ……ピチャ……


「……」


水に濡れた何かがこちらにゆっくりと歩いてくるような音だった。


「……誰だ」


妹紅が振り返った。しかし、そこには誰もいない。


「……」


−幻想郷には妖怪がたくさんいるんだ……幽霊だっていっぱいいても普通だろう。


「出てこいよ、何が目的だ」


その時だった。


ガタァンッ!!


「!?」


机が妹紅に向かって飛んできたのだ。

慌ててそれを避ける。


「っとぉ!あっぶな…!」


そして、またあの足音が聞こえる。

今度は、妹紅のすぐ後ろくらいからだった。


「……!?」


−…近付いてる…!?


「くっ…!」


後ろを振り返るも、また何もいない。


「……これ、やばい奴じゃないか…!?」


妹紅はドアを無理矢理蹴破り、急いでその場から逃げ出した。


「いくら私でも怖いもんは怖いってんだ…!早く帰る!!」


妹紅は走りながら、慧音に連絡を取るためにとり開発の通信機を出した。


「もしもし慧音!?聞こえるか!」


『ああ妹紅。どうかしたのか?』


「この学校にやばいのがいる!!今から慧音の家に行くから鍵あけといてくれ!!」


『やばいの…?ま、まあわかった。鍵は開けておくよ』


「ありがとう、もうすぐ行くか…ら…」


しかし、学校の門が閉められていた。


「うっそだろお前!飛び越えられる高さじゃないし……!」


『そんなに焦らなくてもいいだろ…!お前は不死身なんだ』


「不死身っつってもなぁ!怖いもんは怖いんだ!」


妹紅が急いで門の鍵を開けていく。


その時だった。


ピチャ……ピチャ……


「ひっ…!?」


ピチャ……ピチャ……


『ん?どうかしたのか妹紅?』


−お、おい…近くないか?


『おい?妹紅?』


「はあっ…はあっ…け、慧音……学校に……学校に幽霊がーー」


ガッ


「うぐぅっ!?」


『!?妹紅!?どうした!?妹紅!!』


妹紅の口を、何者かが塞いだ。


ーーねえ、お姉ちゃん。


「……!!」


オウチニカエロウ?


「…ひっ…!!


ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」








「妹紅!?おい、どうした妹紅!どうして急に叫んだ!!返事しろ!おい!!」


プツンッ


妹紅との連絡が切れた。


「……!!」


慧音は急いで、他の学校の教員達に連絡を取り出した。


「もしもし藍か!?私だ!慧音!今すぐ他の教員達に伝えてくれ。


今すぐに、学校に集合だって!」







序章 東方学園へ 〜完〜







突然のホラー要素!

こ、この季節のこの時間に投稿する俺の気持ちを考えろ!

ガクブルだよ!笑

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