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東方学園の怪談話  作者: アブナ
序章 東方学園へ
5/82

紅魔館の怪奇




「…なーんて、かっこつけてみたけど……私の予想が当たってたとしてそれでどうするかって話なのよね……」


「とりあえずあいつら二人の事調べてみたらいいんじゃね」


「あーなるほどね………ところで……


何で伸介がここに居るの?」


伸介がフランの隣に座っていた。


「やっほー」


「やっほーじゃないっすよ。ここ屋根の上なんすけど」


「そこはまあオレは天才だからさ……」


「理由になってないよ」


「まーんな事はどうでもいいからよ、それより、レミリアの変化の謎が解けたのか」


伸介は真剣な表情になってフランを見つめた。


「…うん」


「…マジか。すげえなおい」


「別に大した事じゃないよ……お姉様と毎日一緒に過ごしていればすぐにわかるような……そんな事」


フランが、ある物を自分のスカートのポケットから取り出した。


「…そいつは……確か…」


「そ、お姉様が家族と命の次に大事にしてるものだよ」


それは、紅い宝石で作られたペンダントだった。


「…あ〜なるほど、そういう……」


「伸介は察しがよくて助かるよ……


つまり、今のお姉様はお姉様じゃないって事だね」


「あいつ、そのペンダント死ぬほど大事にしてたもんな……フランと同じくらいに」


「お姉様は家族をこれ以上失うのを怖がってる。…伸介もよく知ってるでしょ?」


「……まあね。んで?どうすりゃいいんだい、あいつらを」


「多分…っていうかほぼ絶対取り憑かれてるだろうから…それを祓えばいいんじゃないかなー…って事で私達は何もできないね」


「デスヨネー。…お祓いって事は、霊夢か?」


「そうなるね。お姉様達に見つからないうちに急いで博麗神社に行こう」


「フラーン、それフラグだからやめてくれ」


フランが紅魔館から飛び立とうとする。

しかし…


「ちょい待ち」


伸介がフランの肩を掴んで止めた。


「…っと…ありがと、伸介」


「おうよ。…でもさ、これって……バレてるって事でいいよな?」


「結界なんて貼られてるんだからそうだろうね………んー、もしかしたら何か別の事かも?」


「え、そうなん?」


「えーとね、私の体から作った蝙蝠がパチュリーの服の中に忍び込んでるんだ。それでわかるんだけど、どうやら何か別の事で結界を貼ったみたいなの」


「ふーん……でも何で?」


「さあね……もしかしたら知られたくない事でも始まるんじゃないかな……」


「フラン、お前蝙蝠で話聞けるんだろ?そのまま盗み聞きしてりゃいいんじゃね」


「それは残念ながらできそうにないや」


「何でさ」


「バレちゃったから」


フランが伸介の後ろを指差した。


「……笑えないっすよーフランさん」


伸介の後ろには、蝙蝠で作られたレミリアの分身体がいた。


「伸介は館から出る方法探して!私はお姉様達とやるから!」


「まーそう焦るなって、ここはひとつオレの能力に任しとけ」


「…ああ、そっか。忘れてた」


伸介がフランの肩を掴むと、二人がその場から消えた。


「!?」


突然の出来事に、レミリアは驚いた。







「いやー、バレたな。見事に」


「にしても便利だね、その能力」


「だろ?」


「…さて、どうしよっか。これで下手に行動することが出来なくなったけど」


「どうするも何も、何が何でもここを出るしかあるまいよ」


「それもそうか……」


「ところでフラン、ここどこ?」


「…へ?」


フランが周りを見回すと、そこは”壊れた”ものでいっぱいになっている部屋だった。


「ここって……」


「……わりぃ、嫌なもん思い出させたな……別のところに飛ぼうか」


「……いや、いいよ。ここならあの二人には絶対に見つからないから」


「…そうか。すまん」


「もう…らしくないね伸介」


「…ああ、ごめん」


伸介は明らかに落ち込んでいる。

その様子を見て、フランが近くにあった埃かぶっている椅子の埃を払い、伸介の横まで持ってくる。


「座りなよ、伸介」


「…!ああ、どうも」


伸介が椅子に座ろうとすると同時に、フランが椅子を引いた。


「いって!!」


伸介はそのまま尻餅をついた。


「ぷははは!騙されたね伸介!」


「くっ…殺せ!」


「ちょっ、伸介がその台詞言ってもさ…!」


「くっ殺!くっ殺!」


「うるさいっつの!…いつもの伸介に戻ったね」


「!……その、何だ。ありがとよフラン」


「どーいたしまして!少し休んで行こう?その間に紅魔館ここをどうやって出るかを考えよう」


「ああ、そうだなー……」






紅魔館、ロビー

レミリアとパチュリーが、そこで待機していた。


「あいつらどこに行った…?」


「見失ったのか?」


「ああ…逃げられた」


「仕方ない、ここで待ち伏せておこう。それが一番手っ取り早い」


「…いや、待てよ……フランドールには確か破壊の力が…」


その時だった。


二階の方から、窓の割れる音が聞こえてくる。


「やっぱりか!窓の強度を上げたところで意味がなかったんだ!!」


「ど、どうする!?」


「お前はここにいろ!俺が行く!」


「お待ちなさい」


「「!?」」


二人の背後から、突然声が聞こえる。


「お嬢様は”俺”という一人称ではありませんよ……偽物さん」


そこには、高身長の女性が一人立っていた。

銀髪のボブカットで、もみあげから三つ編みを結っていて、髪の先に緑色のリボンを付けている。

服装は青と白の二つの色からなるメイド服で、頭にはホワイトブリムのカチューシャを付けている。

その女性が、怪しい笑みを浮かべ、手にナイフを持ちレミリア達に話しかけていた。


「前々からは思っていましたが……妹様から何もするなとご命令を受けていたので何も出来ずにいました。ですが先ほど許可がおりましてね」


「…い…!!」


「妹様がこう仰っていましたよ。


『今宵、決着をつけよう』と」


「十六夜…咲夜…!」


「な…何で…!!」


「何でも何も……私はここのメイド長なのですから、ここにいて当然です」


「…!!」


「今まで私が何もしなかったのは妹様から止められていたからです。許可がおりたのなら……阻む物はなにもありません」


瞬間、咲夜がいた場所から消えた。


「!?」


「貴方達には少し……痛い目を見てもらう必要がありそうですね」


咲夜が二人の真後ろに移動していた。


「ぐっ!!」


「やるぞ!!こいつをぶっ殺せ!!」


レミリアがそう叫ぶと、咲夜に向かって突撃していく。


「おやおや…私と戦うと?」


咲夜の目が赤く光る。


「いいでしょう、ならばこの力、慎むこと無く存分に振るう事とします」


「…!!」


「怯むな!ニ対一だ!!負ける事はねえ!!卑怯だとは言わせねえぜぇ!!お前には時間停止があるんだからな!!」


咲夜が、その言葉を聞いた瞬間、また怪しい笑みを浮かべる。


「…ニ対一?」


その時、レミリアの背後から足音が聞こえてくる。


「…!?」


「禁忌……」


『カタディオプトリック』


巨大な紅い弾が飛んでくる。


「うわぁ!!」


レミリアはギリギリでそれを躱した。


「なっ…!!」


さらに、ロビーの右側と左側の廊下から何者かが高速で飛び出してくる。


「残念


”四対ニ”でした♪」


フランのフォーオブアカインドの分身の三人が、咲夜の前に並び立った。


「フラン…!!」


「大人しくなってもらうよ!」


「妹様、一気にやっちゃいましょう!」


「うん!」






博麗神社


「ってなわけで紅魔館に来て欲しいんすよ」


「なーるほどね…で、そんな面倒な事を私にお願いしに来たと」


「お、お賽銭ならあるよ…!お願い霊夢!お姉様達を助けたいの!」


「……いらないわよ別に。誰も行かないなんて言ってないでしょ」


「…!ありがとう、霊夢!大好きっ」


フランが霊夢に抱きついた。


「…矢坂、あんたこんな事いつもされてんの…?」


「うん、されてる」


「羨ましいわねこんちくしょうめ」


「あれ、博麗の巫女も人肌が恋しいお年頃になりましたか」


なぐるわよ」


「悪かった。あとその漢字で言われるとものすごい迫力あるんだけど。まだ土に還りたくねえわ」


「早く行こうよ霊夢!」


「はいはい、あんたほんとにレミリアの事になると必死で可愛いんだから」


「…!い、今のはその……霊夢を連れていくためにやった演技で……」


「もう遅いわよ」


フランと霊夢と伸介が、博麗神社の階段を降りていった。






今作のフランちゃんのキャラは可愛い系にしたいと思ってる所存。

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