紅い悪魔 その2
久しぶりの更新です〜
アイデアは思い浮かぶけれど書く暇がない笑
こいしが上空に飛び上がり、スペルカードを発動させる。
「恋の埋火!」
ハート型の弾幕がクロ達に向けて飛ばされる。
「ふふ、そのような小細工が私たちに通じると?」
「いいや、あれは陽動だな。レミリアの攻撃を確実に当てるための囮……と言ったところか」
「…なるほど」
「同志よ、少し油断しすぎだ。如何に不死身であろうと奴等には封印という手段もあることを忘れるな」
「…ええ、その通りね。少し考えを改めるとしましょう」
「レミリア!」
「!」
イザベルの真後ろにレミリアが現れる。
「私狙いか?ふふっ」
イザベルがレミリアの方を振り返りながら戦闘態勢を取る。
イザベルの背後からこいしの弾幕が飛んでくるが……。
「ふん」
クロがそれを右手の刃で全て斬り伏せる。
「何っ…!」
「我々も二人だと言うことを忘れてもらっては困りますね」
イザベルは右手に魔力を集中させ刃を作り、レミリアはグングニルを左手に出現させた。
ガキィンッ
「ちっ…!」
「残念でしたね、お嬢様?」
その時、レミリアが不敵な笑みを見せる。
「……あんたがね」
「…何?」
イザベルの背後にこいしが現れる。
無意識能力によってクロを切り抜けてきたのだ。
「ほう…?」
「もらった…!」
こいしが刀剣発動による双剣でイザベルに斬りかかる。
しかし……
ドゴッ
「がっ!!」
横からクロがそれを蹴り飛ばす。
「なっ…!こいし!」
「甘いな、この体が無意識に反応できないはずがあるまい」
「…今度こそ、残念でしたね?ふふっ」
「…!」
−不死身からの油断か…?こいしに攻撃されそうになっても大して驚いていなかった……。
口では改めると言いつつも、結局は油断しているようだ……。
一旦下がり、こいしのもとまで瞬時に移動する。
「こいし、無事?」
「うん、大丈夫。…フランの体だから…無意識能力に反応できるみたい」
「そのようね…全く憎たらしい」
「でも、もう一つわかったことがあるよね」
「…ええ、そうね」
「レミリア、そういう系の魔法とか技とか持ってる?」
「ええ、一応。そこまで強力ではないけれど、あの程度の奴なら問題なくやれるわ」
「そっか。じゃあ、私がクロを引きつけるから、その隙にやっちゃって」
「了解」
こいしとレミリアの様子を見て、クロがイザベルに呼びかける。
「奴らまた何か仕掛けるつもりのようだ。…気を付けろ」
「一つ聞きたいのですが、貴女は何故そこまで奴らを警戒するのです?」
「用心するに越したことはない。それに、その油断からオレは一度失敗をしていてな。…お前も、そのうちわかるはずだったのだが。まあそれはいい」
「…?」
「とにかく油断は禁物だということだ。如何に不死身であろうとな」
「…ふ、そんなものは杞憂であるとすぐにわかりますよ」
イザベルが二人に突っ込んでいく。
「……」
クロはその場に留まった。
「まさか一人で突っ込んでくるとはね」
「好都合ね。こいし、やるわ。少し離れていなさい」
「うん」
こいしがレミリアから離れる。
「ふん…何をする気かは知りませんが、私には何も通じませんよ!」
「それはどうかしらね」
パチンッ
レミリアが指を鳴らす。
「…!」
すると、イザベルの足元から無数の鎖のようなものが飛び出し、イザベルを拘束する。
「…ふん、こんなもので私を…」
「封印!!」
レミリアがそう叫ぶと、レミリアの手前に空間の穴ができる。
「んん…?…ッ!?
うあぁああぁあぁあああ!?」
イザベルはそこに円を描くように吸い込まれていく。
「あぁあぁああ!!なっ!何だ、この技はあぁ!?」
「どうだ!これなら不死身なんて関係ない!!」
イザベルは抵抗しようとするが、全く無意味だった。
レミリアが魔力で押さえつけているようだ。
「おのれえぇえ小癪なぁあああ!!この程度の封印術で私をォ!!」
「油断のしすぎというものなのよ!あんたは!」
その様子を見て、クロが動き始める。
「…やはりこうなったか。全く」
刃を作り、高速でレミリアの隣に移動する
かと思われたが……。
「はっ!」
「!」
ガキィンッ
「行かせないよ!」
こいしが双剣で斬りかかり、クロを抑えていた。
「ふん…止められるものなら止めてみろ!」
「行かせるか!!」
クロが高速移動する。
こいしもそれに合わせて高速移動をし、クロを先へ進ませないようにしていた。
「があぁああぁあああ!!」
「よしっ!」(あと少し…!!)
「私の理想郷が…!!こんな……こんなことで…!!こんな形で終わるだとおぉおおぉ!?」
イザベルは空間の穴の直近まで来ていた。
「終わりだイザベル!!」
「ァァァァあぁああああぁぁぁァァーーー…」
イザベルが完全に空間の穴に飲み込まれた。
「や、やった!」
「よぉし!」
「…ちっ…」
クロが一旦後退した。
「間に合わなかったか……まあいい」
「これであんた一人!不死身じゃないあんたになら勝ち目はあるわ!」
「二対一…さっきとは逆だね。さあ、私たちの攻撃にどれだけ耐えられるかな?」
「ふん、試してみるか?オレに貴様らの力が通用するかどうか……オレはあいつのように甘くはないぞ」
「はっ、どうかしら……
ね!!」
レミリアが凄まじいスピードでクロに突進していく。
レミリアがグングニルでクロを攻撃するが、クロは刃でそれを抑える。
「おぉっ!!」
レミリアが連続で突き攻撃をする。
クロはそれを全て防ぎ、刃でグングニルを弾いた。
「なっ…!」
レミリアが無防備となる。
「受けてみろ!」
刃をレミリアの腹部に突き刺そうとする。
「ちっ!!」
レミリアはそれを右に逸れて躱す。
クロはそれを追うように刃を左に向かって振るう。
ガキィンッ!
グングニルでそれを防いだ。
「こいし!」
「!」
こいしがクロの背後に現れる。
両手には刀剣発動によって作った双剣が持たれている。
その双剣でクロに斬りかかる。
「もらった!」
「…ふん」
クロがその場から姿を消す。
「なっ!?」
「え!?」
次の瞬間、こいしがクロによって蹴り飛ばされる。
「ぎゃっ!!」
「こいし!?」
「ふん…!」
ドガァッ!
「がっ!?」
クロがレミリアの腹部に右足による蹴りを入れた。
そのまま蹴り飛ばされる。
さらにクロは紅い光弾をレミリアに向けて飛ばした。
「ぐっ…!…!?」
ドオオオオオオオオオオオンッ!!
レミリアに着弾した直後、凄まじい大爆発が起こる。
「…ふん」
爆煙の中からレミリアを抱えたこいしが勢いよく飛び出してきた。
「はあっ…!はあっ…!」
レミリアは息を荒げている。
「……」
こいしはその様子はないが、ダメージは受けているようだった。
「…二対一ならオレに勝てると思ったか?」
「…くそっ…!」
「レミリア、逃げるよ」
「…ええ」
「オレがそれを許すと思うか?無意識能力も通用せんぞ。何なら目くらましの技を使ってきても構わないが?」
その時、クロの足元に何かの術式のようなものが浮かび上がる。
「ん…?」
それを見計らってこいしが即座に飛び下がり、逃げていった。
「…二重結界か。この程度の結界で抑えられるとでも?」
バリィーーンッ
クロが一瞬でその結界を破壊してしまった。
「さて、奴らは………!!まさか!」
クロが高速移動で一気に追いかけてくる。
しかし、こいし達は既に現代へと飛びかけていた。
「悪いわね、逃げさせてもらうわよ!」
「博麗の巫女……意識を取り戻していたか……
ふん、いいだろう。今回は見逃してやる。
せいぜい、"我々"に対する対策を考えてくるんだな」
クロが不敵な笑みを浮かべてそう言った。
「我々…?」
「イザベルっていう奴がいたんだけど、そいつはもう封印したから大丈夫よ。きっとあの発言は脅しみたいなものだわ」
「…だといいけどね」
三人が消えていった。
「……さて、救出してやるか」
クロが刃を元のオーラに戻す。
そして、先程イザベルが吸い込まれていった場所に手を翳した。
すると、異空間が開き、中からイザベルが飛び出してきた。
「ぐあっ!」
「戻ったな、同志よ」
「!……まさか、私は封印されたのか…?一時期だけとはいえ…?」
「そういうことだ。…油断はしすぎるなと言ったはずだが」
「…すまない。少し慌ててしまったようね……奴らは逃げたの?」
「ああ、逃げた。奴らの時代にな」
「……次は真剣に戦うよ」
「そうすることだ。お前がやられてしまっては我らの計画が台無しになってしまうのでな」
「…!」
レミリア達三人が戻ってきたことを察知したフランが急いで外へ出る。
「あっぶなかったー…危機一髪だったわね」
「霊夢が目を覚ましてくれなかったらどうなっていたことか…考えたくもないわ」
「…そんなことより、クロを倒す策を考えないと……」
「三人とも!無事!?」
フランが駆け足で三人の所へ来る。
「フラン…ごめんなさい、倒せなかったわ」
「大丈夫、まだ時間はあるし…お姉様達が無茶をする必要はないよ」
「え、ええ…」
その後、隠れ家にてフラン達に未来であった話を話す。
未来に行った三人と、伸介とフランだけで話し合っているようだった。
他の三人には、今は別の場所に居てもらっているらしい。
「…イザベルとクロは別人……スカーレットデビル…」
「ざっくり言うとこんな感じね」
「…ねえフラン、フランはクロがあの形態になるかもしれないって思ってたでしょ?」
こいしが唐突に言った。
フランはそれを聞いて紅茶を入れていた手を止める。
「あの時、何か言おうとしてやめたよね。それはクロが紅悪魔になることを危惧してたってことでしょ?」
少し悩むそぶりを見せた後、小さく答えた。
「……うん」
「…やっぱり、そうだったんだ」
「まさか本当になるなんて思わなかったから、言わなかったけど……それでみんなが危ない目にあったわけだし、反省してる。ちゃんと言うべきだったね…ごめん」
「気にしないで。正直教えてもらってようともらってまいと、こうなってたと思うから。それはそれとして……イザベルのことについて教えて欲しいの」
「イザベルについて?」
「うん。どんなことをしようとしたのか気になって……」
「……」
「おい、こいし」
伸介が少し声を強張らせる。
「……でも、私は気になる。それを知らないまま戦いに臨むより、私は知っておいた方がいいと思う」
霊夢は何も言わず、目を閉じて話を聞いている。
「……」
フランが俯いているのを見て、レミリアはこいしに言った。
「…こいし、その…あまり話せるような内容ではないのよ。アイツがしたことは」
「…わかった。話すよ」
「え!?」
フランがそう言ったのを聞いて、レミリアは心底驚いた。
伸介も同様だった。
「私があいつに何をされたのか…教えてあげる」
「フ、フラン……!」
「大丈夫よ、お姉様。それとも私がそんなに引き摺ってるように見える?」
「……わかったわ」
「伸介も、別にいいよね?」
「…お前がそう言うなら、別に」
「ありがとう」
こいしの方を向き直し、話を続ける。
「あれはまだ、私が生まれて5年くらいの事」
続きが気になる終わり方って難しいね…




