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東方学園の怪談話  作者: アブナ
絶望の未来篇
33/82

迫り来る不穏

この頃アイデアが思い浮かばなくて悲しいです…笑



時は遡り、レミリアが過去へと飛ぶ少し前。


「私を殺して」


「…それは一体どういう事かしら」


「そのままの意味」


そういうフランは、とても儚げな表情だった。

辛いことをやらせようとしている事を分かっている目。

そして自らが解決すべきだった問題の決着を他ならぬ姉に頼むとは、なんて最低な奴なんだ…と自嘲しているようにも見えた。


「……」


レミリアはどう返答すればいいかわからなかった。

フランの言った事をしようとしても、恐らく自分ではできないだろう。

妹が苦しむ姿は見たくない。死ぬ姿など尚更だ。


「…フラ…」


「でも、今の私を、じゃないよ」


「…え」


レミリアの言葉を遮って、フランが少し微笑みながら言った。


「未来に行って、完全に”アイツ”に支配された私を倒して欲しいの」


「…未来…」


「私だって死ぬのは嫌よ。だから私を助けて欲しいの」


「そ、そう。でも未来に行くなんてどうやって……」


「その為のオレだよ」


「!」


伸介が扉を開けて入ってきた。


「…なるほど。でもあんた、魔力の負担の方は大丈夫なの?」


「ああ、それなら問題ない。一年先に飛ぶだけだろ?なら大丈夫だ」


「そういうわけだから、お願いねお姉様。…その、嫌だったら別にいいから。自分で行くよ」


「…いいわ、私が行く。貴女が直接行くのは危険でしょ?その封印を解かれてしまう可能性が高いわ」


「それは、そうだけど」


フランは申し訳なさそうに俯く。


「…もう!らしくないわねぇフラン。お姉ちゃんが癒してあげようか?ふふふっ」


レミリアが手をくねくねさせながらフランに歩み寄っていく。


「い、嫌らしい…!手つきが嫌らしい!」


「心配いらないわ、こっちのテクも私はそうとう持ってるからね…!」


「やめんか!!空気を読め空気を!!」


フランは思わずツッコんでしまった。


「よしよし、調子が戻ってきたわね」


「…はぁー…お姉様に気を使われるとか…!」


フランがため息をついた。


「ちょい!?その反応は割とつらいかもしれない!」


「…冗談よ、冗談。ありがとうね」


「…ええ。それじゃあ、行ってくるわ。ちゃちゃっと倒してすぐに戻るから」


「うん、待ってる。…待ってるから」


フランは心配そうにそう言った。


「全く、誰の心配をしてるの?」


笑顔でそう言うと、レミリアはフランの頭を撫でる。


「私を信じなさい。ね?」


「…うん」


「…それじゃあ、そろそろ飛ぶぞ。いいか?」


「ええ、お願い。帰る時はどうすれば?」


フランがレミリアの右手を両手で握った。

その時に、何かを手渡される。


「その時計に魔力を少し注げば帰ってこれるよ。…それだけは壊されないようにね。お姉様が二日以上帰ってこなかったらすぐに私達も…」


「心配しすぎよ。任せておきなさい、フラン。


貴女は私が守るって言ったでしょ?」


「…!」


そういうと、レミリアはフランから離れた。


「伸介、お願い」


「ああ。…気を付けろよ」


「ええ。帰ってくるまで、フランの事お願いね」


「ああ、任せろ」


レミリアの周りの空間が歪み出す。


「…お姉様!」


「!」


「頑張ってね!」


「…ええ!」


笑顔で、返事を返した。








「……ここが、一年後の幻想郷。さてまずは……


どうして空が、こんなドス黒い雲に覆われているのかしら」


空は黒い雲に覆われ、辺りは薄暗くなっていた。

そしてもう一つ言えること。それは……


「…こういうのを、壊滅って言うのかしら」


目の前にある博麗神社は、破壊されていた。

社は原型をとどめておらず、鳥居は右側の部分が吹っ飛んでいる。

当然、霊夢の姿はない。


「……まさか、霊夢すら倒す力を持っているのか?だとしたら…」


−一先ず、紅魔館に行ってみよう。


レミリアは紅魔館に向かった。





「…やっぱり、か。でも、これは…」


紅魔館は激しく燃え盛っていた。

庭や門は破壊されている。


「これだけ火がついているということは、まだ火がついてそれほど経っていないって事ね」


−つまり、アイツはこの中に……。


「お、お嬢様…?」


「!」


背後から声が聞こえたため、勢いよく振り返る。

そこにいたのは……。


「咲夜……」


「はい…咲夜です…!あなたの従者、咲夜です!」


涙目の咲夜が、そこに立っていた。

そして、勢いよく抱きついてくる。


「…頑張ってたのね…咲夜……」


「…お嬢様……!」


「そう…この時代の私はもう死んでるのね」


「…!」


「おそらく、奴にやられたのでしょう?」


「…はい。私も襲われたのですが…何とか生き延びて……」


「紅魔館が燃えているのは、何故?」


「…この世界のお嬢様が奴を紅魔館から引き離してくれたんです。その時、かろうじて生き延びていた者たちで崩壊していた紅魔館を復旧させていたんです。


奴に見つからないように、私が空間を操って崩壊しているように見せていましたが…今日、見破られてしまったようで…」


「そう…ねえ、今の幻想郷で生きているのはどれくらい?」


「……おそらく、ですが……永遠亭の人達のみ……かと……」


「……まさか、そこまでなんてね。紫もやられたって言うの?」


「はい……」


レミリアは、思った以上の強敵であることを再認識した。


「ありがとう、咲夜。貴女は隠れていなさい。私が奴を倒すわ」


「なっ…!お一人だなんて無茶です!!私も…!」


「大丈夫よ、私を信じなさい?」


「……わかり、ました」






紅魔館に入ると、辺りは火の海だった。

レミリアは魔力を放出させて炎を跳ね除けている。


「…酷いことをするものね……」


辺りには惨殺された妖精メイドの死骸がたくさんあった。

首を刎ねられているもの、真っ二つにされているもの、下半身が吹き飛んでいるもの……とにかく悲惨な死骸だらけだった。


「……」(どこだ……どこにいる)


その時、レミリアの頭上の天井が崩れ、落ちてくる。


「…ふん」


ドオォーーーーンッ


レミリアは落ちてきた天井を粉々に消しとばした。


「全く…私の紅魔館に何てことするのよ」


その時だった。


パチッ


「!!」


パチパチパチパチパチ、と、二階へ続く階段の上から拍手をする音が聞こえてくる。

何故か階段だけは炎に包まれていなかった。


「お見事、お見事。木っ端微塵だ」


その声は、とても聞き覚えがあった。


「…お前か。


紅魔館をこんなにしたのは…!」


レミリアが睨みつけた先に居たのは……。


挿絵(By みてみん)


「如何にも。私がこれの犯人だよ。お姉様」


フランそっくりの謎の人物が、笑みを浮かべて立っていた。


フランが普段きている服とは違い、黒を基調とした服を着ている。

帽子は被っておらず、髪も結んでいない。


「…あんたの正体はもうわかってる。容赦はしないわよ」


「へえ?正体はわかっていると?…なら演技は無意味ということか」


「倒させてもらうわよ……フランのためにね!!」


そして、レミリアは偽フランに挑み、敗北した。


これが、絶望の始まりだったのだ……。

絵を上手くかけるようになりたい!!

偽フランの足が短くなってしまった…笑

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