表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方学園の怪談話  作者: アブナ
序章 東方学園へ
3/82

傲慢な吸血鬼

久しぶりの更新

今回はちょっとグダグダかも…



「いやーまさか吹奏楽部にぬえがいるなんて!」


「私も驚いたよ!いつから入学したんだ?こいし!」


「今日から!」


「へえ〜、ぬえとこいしって友達だったんだ」


「うん!前から結構遊んでたんだ〜!」


「いやーまさかフランがこいしを連れてくるとは!びっくりだよ」


「ところでぬえって何組なの?」


「私はこいしの隣のBだよ!Bは妖怪が集中しててねー!」


「へえー!」


ぬえとこいしが、とても楽しそうに話し出した。

フランはふと、時計を見た。


「…そんじゃ、私はここらでお暇するよ」


「え、フランも話そうよー!」


「待ってこいし…!…わかった、レミリアには先に帰ったって言っとくよ」


「よろしく。じゃあね二人共、また明日!」


「うん!またねー!」


フランが急ぎ足で帰って行った。


「…ぬえ、フラン急にどうしたの?」


「…実はフランには姉がいてね。名前はレミリア・スカーレット。聞いた事あるんじゃない?」


「ああ…紅魔館の当主の!」


「そうそう。何でも学校に興味があったらしくてさ……それでここに入ってるんだよ」


「ふ〜ん…それでそれがどうしたの?」


「……実はね……


レミリアは、学園一位の成績の持ち主なんだ」


「……ええ!?」


「まあ学園一位と言ってもまだ一学年しかないけどね……けど、学校が始まってから成績一位でずっと君臨してるんだ」


「す、凄いなぁ……」


「……そこからが問題なんだ」


「え?」


「フランの話によるとね?学校に入る前はとっても優しくて面白い人だったんだって。フランともすっごく仲良しだったしいつも明るい笑顔で館の人達と接してたんだってさ……だから館のみんなからの信頼も厚かったしフランもそんな姉の事を誇りに思っていた」


「へえー…!やっぱり姉妹は仲良くないとね!」


「……けどね……」


「…?」


ガチャ


その時、部室の扉が開いた。


「御機嫌よう、みんな?」


結び目が右側になるように周囲を赤いリボンで締めているナイトキャップを被っていて、衣服は薄いピンク色で、太い赤い線が入り、レースがついた襟。両袖は短く、袖口には赤いリボンを結んでいて、左腕には赤線が通ったレースを巻いている。

小さなボタンで、レースの服を真ん中でつなぎ止めている。

腰のところで赤い紐で結んでいて、その紐はそのまま後ろに行き、先端が広がっていた。

スカートは踝辺りまで届く長さで、これにも赤い紐が通っている。


少し薄めの紫色の、ウェーブのかかったミディアムくらいの長さの頭髪で、身長はこいしと大して変わらない。


こいしは一目見て思った。

目の前にいるこの人物が、レミリア・スカーレットだ、と。


「あら、今日はぬえ一人なのね……そこの子は誰かしら?」


「あ、えと…見学者です!」


「あらそう……」


「あ、初めまして!私、古明地こいしって言うの!フランの友達なんだ!よろしくね!」


「こ、こいし!敬語で!」


「え?でもこの人私達と同学年で……」


「身の程を弁えろ、ちっぽけな小娘」


「…え」


レミリアが、邪悪な笑みを浮かべてこいしを睨みつけていた。


「へえ、あの出来損ないの友達か……やはり出来損ないの友達は礼儀を知らんな」


レミリアの雰囲気が変わった。


「…!?」


「いいこと?貴女と私が、同等の存在だと勘違いしないでちょうだい。私はこの学園の頂点……即ち王よ。貴女のようなちっぽけな小娘がタメ口を聞いていいような存在ではないわ」


「……」


こいしはレミリアをじっと見つめる。

その顔には、若干の苛立ちが見える。


「今度から私の事はレミリア様と呼びなさい……下等な生き物」


「…なーんだ、フランのお姉ちゃんって言うくらいだからどれくらい高貴な人なんだろうと期待してたのに……期待外れだなー」


こいしがレミリアを馬鹿にするようにそう言った。


「……は?」


「こ、こいし!やめて!」


「あんたはそうやって人に煽てて貰わないと成り上がることの出来ない下等な生き物って事だね。自分の力じゃ何もできないんだ」


「……あんた、いい度胸してるじゃない。この学園で私に逆らう事がどういう事か……わからないようね」


「わからないね……教えて欲しいもんだよ」


こいしとレミリアがお互いをにらみ合っている。


「……いいわ、明日からせいぜい気をつける事ね。あんたの名前は覚えといてあげる。古明地こいし」


「えぇー忘れてよ。あんたみたいな奴に存在を覚えられるなんてこっちから願い下げだよ」


「あんまり調子に乗るなよクソガキがァッ!!」


レミリアが鬼の形相で、こいしに怒鳴った。

そしてそのまま、部室を後にした。


「あっ、待ってレミリア様!!」


「…お〜…怖い怖い。それよりぬえ、あんな思い上がり野郎の事を様呼ばわりする必要なんて…」


「こいしの馬鹿!!これまでレミリア様に逆らった人達がどうなったか……知らないの!?」


「…!?」


「表向きには学校を退学したっていう風になってるけど……違う…!」


「…た、退学?」


「レミリア様に逆らった人達はみんな、学校から除外されていくんだよ……!」


「…え…?」


「この学校は言わばレミリア様の支配下にあるようなものなんだ……この学校にレミリア様に勝てる奴がいないから!」


「…そ、それが何なの?」


「レミリア様の命令には絶対に逆らえない……つまり、学校中から貴女は攻撃を受けるって事なんだよ…!!」


「……学校中……?」


「そうだよ!!今すぐに謝りに行こう!?そうすればまだきっと…!!」


直後、こいしの横の窓が割れた。

石が飛んできたのである。


「いたっ!」


その石が、こいしの右腕に当たった。


「な、何急に…!こんなの絶対意図的じゃん!」


「まさかもう始まって…!」


さらに、部室のドアが蹴破られる。


「!?」


「うい〜〜っす、ここに古明地こいしって奴いますか〜?」


入ってきたのは、またもこいしと身長が大差ない、橙色の頭髪に頭に二本の角を生やした右手に酒と書いてある瓢箪を持った少女だった。


「だ、誰…!?」


「…鬼の萃香だ……!!」


「…え!?」


鬼はこの学校内でも人間に変えられない。

正確には、学校側に変える権利がないのだ。


「おーあんたかい。悪いけどちょっち付き合ってもらえるー?


伊吹萃香……ああ、私の名前ね。よろしく」


そう言って萃香がこいしの手を掴んだ。


「んじゃ、こっち来な」


「えっ…!!」


「だーいじょぶだいじょぶー、痛い目見るのなんてほんのちょっとだってば!ほれ、行くよ」


こいしが、連れて行かれてしまった。


「……」ガタガタガタガタ


ぬえは体が震えて何もできなかった。

逆らったら、自分も消されていってしまうのではないかと考えたからだ。


「……ごめん、こいし…ごめん……」


同時に罪悪感が襲ってきた。

自分は友達を見捨てたのだ。









「はーい着いた。ここ、私らの溜まり場ね」


「…!!」


そこは、学校の裏側の少し空いているスペースに色んなものが置いてある場所だった。

そこには、他にも二人鬼がいた。

一人は、おそらく校内から持ってきたであろう椅子の背もたれの部分に座って、こちらを見ている。黒いローブのようなものを被っていて、フードの間から黄金色のセミロングの髪が見えている。

もう一人の方は額の部分から一本の角が生えてきており、金髪の髪は腰のあたりまで伸ばしていた。


「おや、そいつ誰だい?」


「こいつが古明地こいしだよ。言われた通り連れてきた」


「おーそいつが今回のね……」


「…ひっ…!」


こいしは、本格的に危機を感じ出した。

今の状況がどれだけ危険なのかを理解したのだ。


「……!!」


「……怯えちゃって……まだ気付かない?」


黒いフードを被った少女がそう言った。

こいしはこの声に聞き覚えがあった。


「……え?」


少女がフードを取った。

すると、そこに居たのは


何と……


「…フ、フラァァンン!?」


「よっ、こいし」


何と、フードの少女はフランだったのだ。

こいしの反応を見て、ケラケラと笑っている。


「な、何でフランが…ええ!?」


「まー落ち着きな。何となくこうなる事はわかってたよ」


「え?」


「…お姉様は貴女の一番嫌いなタイプの人だもんね」


「…!」


フランが突然真剣な顔付きになった。


「ここからが話の本題ね。…率直に言うよ


こいし、私達の下剋上の手伝いをしてくれない?」


「……えっ…?」


「私達の下剋上の手伝い」


「……ぜんっぜんオッケーだよ!むしろ手伝わせて!!」


「こいしならそう言ってくれると思ってた!ありがとうね」


フランが笑顔で言った。


「…ところでどうしてわざわざこんなところにまで?」


「…お姉様は今まで、そこにいる萃香と勇儀の二人を利用して学校から追い出すようにしていたんだ。だから、貴女はこの二人に狙われた……そう思うじゃん?」


「…う、うん」


「それにここの方が人目が付きにくいしね……それじゃあ、こいし。お姉様を倒してこの学校を自由な学校するために……いっしょに頑張って行こう」


「うん!よろしくね!二人共も!」


「ああ、よろしく」


「よろしく〜」


こいしが、また一つ新しい道を歩き始めた瞬間であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ