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勇者凸凸と姫神子さま♂!  作者: 煮卵
第1部:勇者凸凸と姫神子様♂
5/25

5:元勇者様の凸

両性具有(ふたなり)表現、すっぽんぽん表現あります。

色気ナッシン

井口紗枝は、なりそこないにされた元勇者である。

召喚時、付与されるはずの祝福スキルをクラスメイトに盗まれた。


さらにその挙げ句、召喚陣の狂いにより身体にも恐ろしい異変が生じており、そのせいでさらにクラスメイトに疎んじられ。そのせいで、さらに過酷な生活を送った。

そんな紗枝は、湖のそばの原っぱの上で目を覚ました。


「う…」


身体が熱い。

しかし、まるで風呂上がりのような心地よさと脱力感、そして日焼けをしたときのような肌のヒリヒリ感がある。

今までとは、違う。


確か、秋野くんと話しているときに呪いが出て、湖で鎮めようとして…。

そこからの記憶はない。

とりあえず、鎮まったようなのでなにか服を着なければ。そう思って、ようやくピントのあった視界であたりを見渡す。


「あ、秋野くん!?」


自分が助けた青年が、隣に倒れている。

一体なぜ!


「しっかりして!ねぇ!」


服も着ず、良太のそばにかがんで、頬を軽く叩き、身体を揺する。

怪我はないようだが…一体、自分が記憶を失っている間になにがあったのか。


「"癒しを"」


とりあえず、低級で威力も最低クラスではあるが、治癒魔法をかける。

効くかどうかはわからないが、かけないよりはマシだ。


「う」

「秋野くん!」

「い、ぐちさ」


ぼーっとした顔で良太がこちらを捉えてすぐ。


「身体は大丈夫!?」

「えっ!?」


若者は吠え、がばりと上半身を起こして紗枝の肩を掴んだ。


「呪いとか先に言いなよ!」

「え、な、なんで!?」


召喚陣の狂いについては話したが、呪いのことは一言も言っていない。なのになぜ、良太は紗江の呪いを知っているのか。

あまりにも衝撃的すぎる事態に、紗江は驚いて目を白黒させる。


「おれが鎮めた!」

「えええ!?」

「だいたいなんだよあれ!あんな陰湿、な…」


火を噴くようにまくしたてる良太の言葉が急に尻すぼみになり、止まった。

そしてくるりと紗江に背中を向ける。

わけがわからない。


「あ、あの?」

「スイマセン、服着テクダサイ」

「…あ」


紗江は、全裸であった。

数多の傷はさておき、日本平均より少し大きめのふっくらした白い乳房は露わだし、なにより。

召喚陣の狂いによる、下半身に生えてしまった、こちらは平均よりも小さい男性器。


この2つが月に照らされて、紗枝に妖しさと神秘性を与えていた。

…というのはもちろんだが、うっかり見てしまった良太にはダメージが大きかったらしく、マントのフードが脱げているため首筋や耳が真っ赤になっているのが見えた。

だから紗江は、服を探して着ずに思わず聞いてしまった。


「あ、あの」

「なんですか」

「気持ち悪く、ないの?」

「は?」

「あ、ごめんなさい、そうよね気持ち悪」

「アホかあんたはーーーーッ!!!」

「えっ!?」


くるりと顔が真っ赤になった良太が紗江を振り返って、顔をずいと近づけてきた。


「おっぱいだぞ!何回も見たいし触ってみたいよ!井口さんの傷あるけどきれーだし!つか母さん以外の初めて見たわバーカバーカ!」

「え」

「まさかチンコ生えてるとは思わなかったけど、それはそれでなんか神様っぽいっておれは思った!スゴイの自覚して!そして服着ろ!ください!」


言いあげて、またもふいっと紗江の反対側に良太は身体を向けた。

なんだか、あまりにも衝撃的なことを言われすぎて頭がふわふわする。

恥ずかしいより、嬉しいというか、なんだか救われたような感情が湧いてきて。


「うん…服…着るね」


勝手に落ちる涙をぬぐいながら、紗枝は服を着たのだった。



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