第1話ーー入部ーー
初めまして、猫いちごです。小説投稿は初めてなので、いろいろとおかしな所はあるかもしれませんが・・・読んでいただけると幸いです。
窓から西日がさしこむ廊下を、凪沙は一人で歩いていた。手には大量の書類を持っている。
ーー凪沙には、母親と妹がいた。父親はいない。ちょうど1年前、事故でなくなったのだ。
父親がなくなったころ、父親には数千万の借金があることが分かった。借金を返すため、住んでいた家を売り、前住んでいた家よりも安く、古いアパートに引っ越した。母親は引っ越し先のとある会社で正社員として働き、妹も新しい小学校でなじもうと頑張り、凪沙も新しい中学校で頑張っていた。--
凪沙は、ほっとため息をつく。入る部活が決まらないのだ。新しいクラスはなんとか馴染めそうだが、部活の事だけは、真剣に悩んだ。なにしろ、凪沙の家は、部費を払う余裕など無い。しかし、部費を払わなくていいという部活は、なかなか無い。
とりあえず、一通りの部を回り終えたかな、と思ったとき、一軒の小さな建物が見えた。近づいてよく見てみると、「探偵部」と書いてある。
【こんな所にも部があったの?とりあえず、見学だけでもさせてもらおうかな・・・】
「す、すみませーん、ちょっといいですか?」
えんりょがちに、部室?のドアを開けると、
「あ、はい!何かご相談でしょうか?」
そう言って出てきたのは、どう見ても先輩であろう、女の人だった。その人を見た時、凪沙は雰囲気に圧倒されてしまいそうだった。ボブくらいの黒髪を持つその人は、少しつりあがりぎみの大きな目に長いまつげ、赤く小さな唇に白く透き通るような肌をしていて、他とは違った雰囲気だったからだ。
「あの、私、今日この学校に転入してきて、その・・・この部の見学だけでもさせてもらえたらって・・・」
凪沙がおずおずと言うと、ボブの先輩は少し目を見開いた。
「あら、この部に入りたいって人が来たのは、ひさしぶりよ、ねえ、みんな」
そう言いながら先輩が後ろを振り向くと、数人の声が聞こえた。
「そうだな、僕たち以来じゃないか?」
「たしかに、あたしたち以外に入りたいなんていう子、聞いたことないもんな。」
「てゆーか、よくここを見つけたな。」
【どうしよ、入りたいなんて言ってないのにな、私・・・】
「あの、失礼かもしれませんけど、ここの部費って、どのくらいなんですか?」
凪沙が聞くと、先輩は間の抜けたような顔をしたが、すぐに元の表情に戻って、
「ああ、ここはタダよ、大した活動しないんだもの。さ、入って、部の説明を・・・」
「私、決めました。この部に入ります!」
「えっ?」
「私、正直に言うと、お金のかからない部なら、どこでも良かったんです。家の事情があって・・・」
先輩はしばらくだまっていたが、すぐに口を開いた。
「・・・分かったわ、入部決定ね、ちょっと、この部の事を、ざっと説明するわね。
この部は名前通り、学校で起こった事件や揉め事を解決するために創られた部なの。みんな、自分の得意 分野で、捜査や分析を進めていくの。・・・まあ、この部を知っている人の方が、少ないくらいマイナー な部なんだけどね。そうそう、あなた、なんて名前なの?私は、部長の桜音凛華
よ。」
凪沙は、少しほっとした。
「わ、私は、風谷凪沙、1年です。よろしくお願いします。」
「1年の風谷さんね。それじゃあ、この入部届に書いて提出しといてくれないかしら。」
「はい!わかりました。」
凪沙が部室を出ると、もうあたりは茜色にそまっていた。凪沙は、心配事が少し減って軽く感じる身体を走らせながら、帰路についた。
ーー続くーー
最後まで読んでくれた方、本当にありがとうございました!これからも続けていこうと思っておりますので、どうぞ、これからもよろしくお願いします。