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8.
父の葬儀が終わった。泣かない私とは別に、隣の母はずっと泣いていた。なんの涙なんだろう。裏切られたのが悲しいのか、居なくなったのが悲しいのか。
私は特に何の感慨も湧かず、ただぼんやりと立っていた。皆慰めてくれるけど、私にそれは必要無いのにな。
休み明け、学校帰り。気晴らしに本屋さんに行った、その途中。友達を見掛けて声をかけようとした。そのとき。
隣に、私が片想いしている先輩が居た。ふたりとも、楽しそうに笑ってた。
ああ、ああ。そういうことだったんだ。
ふたりが乗り込んだバスを見送る。
「……ね、あのバス。…潰してくれん?」
その直後、左折しきれなかった大型トラックがバスに突っ込んだ。電柱とトラックに挟まれて、車体が一気にひしゃげた。そのとき。
───♪
メッセージアプリの着信音。機械的な動きで、スマホを取り出して確認した。
「あんたが大好きな先輩から、好きなもの聞き出したよ!これでぷれ」
途中送信されたらしいメッセージ。
私はその場で立ち尽くしていて。ただ涙が後から後から流れてきたのだった。




