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むかしばなし
「梓。他の人には見えんモノに、お願いごとはしたらいかんよ」
なかなか眠ろうとしない幼い梓の頭を、ゆっくりと撫でながら祖母は言う。
「おねがいごとー?」
不思議そうに祖母を見上げる梓。
「そう。友達になってもいい。一緒に遊んでもいい。でも、お願いごとだけはいかんよ。」
「なんでだめなのー?」
「交換に、梓の大事なもんが無くなっていくけんね」
「ふーん…?」
分かったような、分かっていないような声を漏らして、梓は眠りについた。あどけない寝顔を眺めながら、祖母は祈る。
この子が間違わないように。
幸せに、なれるように。




