3.
「梓ってさ、たまに変なことしよるよね。あれ、なんなん?」
「へっ?」
昼休み。お昼ご飯を頬張っている私に、友達が不思議そうな顔で聞いてくる。こないだの、映画館でのことかな?それとも、さっきのおトイレでのことかな。
「大丈夫ー?具合悪いんー?」
トイレ。ずっと閉まったままの個室を軽くノックしながら呼びかける。
ずうっと具合悪そうな雰囲気がしてるのだ。誰が居るのか分かんないけど、動けない程なら先生を呼ばないと。
「梓?なんしよーと?」
「あ!ねえ、この個室ずっと閉まっとってさ……中の人大丈夫なんかな」
「え?」
───ギィィ……
不意に開く扉。モヤが恥ずかしそうに佇んでいた。
「誰もおらんやん…こわ」
友達はそれだけ言って、先に教室に戻ってしまった。
「…えっと。大丈夫、ですか?」
モヤはもやっと頷く。あ、大丈夫そう。誰だって難産なことはあるよね、うんうん!騒いじゃってごめんね!
ということがあったのだ。母から釘を刺されているし、友達をなくしたくはないから曖昧に笑った。
「さっきのこと?あれさー、トイレのドア押すんか引くんか分からんくなってさ。閉まっとると勘違いしとった!」
「はー?もう、あんたそういうとこあるよね〜」
友達はなんだか安心したように笑った。
私、ちょっとおかしいと思われてるんだろうなー。




