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今日は友達と映画を観に来た。すごい怖いって評判のホラー!ハチミツ味のポップコーンとジンジャーエールが私の必須アイテムだ。食べてれば、怖くない!
「あ、席ここだね」
友達がチケットと席番号を見比べて指をさす。
私の席にモヤが座っていた。
「ん、んん〜…?」
呻く私を見て友達が首を傾げる。
「どしたん?座らんの?てかなんでこの席、既に座面降りとるん?」
それ。このコが居るからだと思うんだよな。
私はコソッとモヤに顔を寄せ、座面を確認する振りをしながら
「ゴメンけど、こっちの席に移ってもらってもいい?ほんとゴメンね、折角座っとるのに」
そうコソコソ伝えると、モヤはもやっと頷いたような動きを見せて、隣にもやもや移動してくれた。と、同時に座面が上がる。私の顎に当たる。
「いだっ!」
「えっ!?梓、大丈夫??」
大丈夫ではない。奥歯がガチンッて言った。モヤがちょっと心配してるような感じがして、私は頑張って笑顔を作った。ポップコーン噛むのしんどいかもしれん。




