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第1話:消えた記録
都市の夜景を背景に、翔子は薄暗い図書館の一角でパソコンを操作していた。
「…このデータが消されている」
ログファイル、監視映像、資料の一部――どれも不可解に欠落していた。
ロンは隣で古い新聞記事をめくりながら眉をひそめる。
「単なる技術的なミスじゃない。意図的に消された痕跡だ」
翔子は指先でスクリーンを叩き、微細なデータの欠落箇所を確認する。
「都市伝説として語られている事件…でも、この消えた記録には現実の証拠が隠されている」
遠くで蛍光灯がちらつき、図書館内に静かな緊張が走る。
ロンは声を落とし、窓の外の暗い街路を見つめる。「誰かが監視している…」
翔子は深呼吸し、ペンを握り直す。
「小さな痕跡でも、見逃さなければ真実に辿り着ける」
都市の闇に潜む消えた記録――
それは過去の事件や伝承と繋がる、新たな陰謀の兆しだった。
翔子とロンは互いに目を合わせ、静かに頷く。
「証拠を追えば、必ず核心にたどり着ける」
都市の夜風が図書館の窓を揺らし、街のネオンが微かに反射する。
微細な痕跡が、新たな冒険の扉を静かに開いていた。




