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4話K:回想
ちなみに、人喰の起源ですが生物兵器です。
それは、小六の春に遡る。明日那の母さんが急に亡くなった。亡くなったというよりも、殺された。
同族であったであろう、人喰によって。
人喰には、同族である人喰を食べることを好む変た――特殊癖を持つ者がいるらしく、明日那の母さんはそいつらによって殺されたらしい。
その時の、絶望の中に鋭い殺意がこもった、明日那の声は、今でも鮮明に覚えている。
「母さんを殺した人喰は絶対に許さない。強くなって、私がこの手で、自分で仇を討つ」
確か、お葬式の帰りに言っていたんだったか、黒い喪服からにじみ出た殺意、圧迫感でその頃のあたしは足がすくんでしまって、立てなかったんだっけ。よく思えば、あたしはこの時のことで明日那が人喰であることに確信が持てなかったんだっけ。それからあまり、学校のみんなとも遊ばなくなっていった。それから2年後、中二の冬至の日、黒いポンチョのような外套を纏った明日那を塾の行きの夕陽の下で見たのは。
今日はもう一話続きます




