3話:二人の人喰
明日那のメガネは度が入ってないブルライトカット用の眼鏡です。
どうやら、部屋は2人部屋らしく、今日香と同じ部屋だった。
「食事の準備ができましたらお呼びいたします」
とのことなのでちょっとした自由時間だろう。
「今日香、魂紋の機能みた?」
「ステータス、メッセージ、パーティだっけ」
「そう、メッセージ」
「……あぁあ! もう、スマホじゃん」
今日香が驚いたように声を上げる。
「何かあったら怖いし繋げとこ」
「そうしよう」
そう言って、メッセージを開く。なぜか付いている良心的なヘルプを頼りに、魂紋同士を付ける。
【個体名《秋山今日香》とフレンドになりました。
パーティ登録をしますか? Y/N】
という、システムウィンドウとともに、今日香の名前がリストに現れた。一応、登録しておくか。その横には見慣れた感じの吹き出しのアイコンと、受話器のアイコン。
「通話機能?」
ボソリと声が漏れる。興味本位でタップする。すると、今日香の方にも通知が入ったようだ。
「聞こえる〜?」
今日香が少し大きな声で魂紋に向かって話すが、何も起こらない。だが、おかげで分かった気がした。
『これ、念話じゃない?』
口を動かさずに念じるように話す。
「うわぁ、なんだかむずかゆいね」
「なれるよ、きっと」
「なんだか、悪用できそうな機能だな」
そう思いつつ、設定画面を開く。って、これだと、埋め込み式のスマホだな。えっと、思念操作。これは、いちいち、ウィンドウをタップしなくても操作できるということか? オンにするか。視界へのオーバーレイ表示……、ゲームのUIみたいなやつか。オンにしておこう。
視界の左上の隅にサイズの違う緑色のバーが2本、その間に青色のバーが出現した。一緒に書かれた数字的に緑色がHP、青色がMPだろう。HPに関してはパーティのも表示されるのか。回復役じゃないけど、こうやって表示されるとダメージコントロールがしやすくてよさそうだな。思念操作も試してみるか。ステータス。ちゃんと表示された。一応、手でも操作できるみたいだな。カスタマイズできる点は、評価高いな。なんだか異世界と言うより、近未来に来たって感じだな。あ、パーティの項目も見ておくか。
その時だった。
「なんでよ! なんで早く言ってくれなかったの!?」
急に今日香が抱きついてきた、泣きながら。
「どうして、早く言ってくれなかったの? 明日那が、明日那が人喰だって!」
なんで、
「なんで今日香が知ってんの? 誰にも言ってなかったはずだけど……」
通報しないと、犯罪になるから。人喰は人間に危害を与える。だから駆逐の対象だった。人間には自分から人喰だと明かさない。それが暗黙の領解だった。
「パーティメンバー画面」
「へ?」
「パーティメンバー画面から、パーティのステータスが見える」
言われるがまま、開きっぱなしだったパーティウィンドウを操作し、今日香のステータスウィンドウを開く。
***
秋山今日香
種族:人喰
職業:魔法剣士
HP:100
MP:600
STR:900
VIT:100
AGI:500
霊装:時空破壊 隔離空間 空間転移 時間停止 時間遡行 物体操作 悪食 触手(物体生成) 魔力貯蓄
スキル:言語理解
魔法適正:風
称号:悪食の人喰 異世界からの来訪者
***
以外だった。
人間だと思っていた、親友が人喰なうえ、悪食持ちだったとは。
「ごめんね、言わなくて。私も知らなかった、今日香が人喰だって」
「あたし知ってたんだ、明日那が人喰だって。でも、逆光でよく、見えなかったし、自分でも疑ってて、言い出せなかった」
「別に、今日香は悪くないよ、私が本当は人喰じゃなかったら、捕まってたわけだし」
「でも、あの時、明日那を止められてたら、明日那はあんなことをしなくてもよかったかもしれないし、一人で背負わなくてもよかったんだよ!」
あんなこと……思い当たるのは一つしかない。
それは、
今日香の能力は明日那の能力よりはっせいがはやかったりします




