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異世界悪食日記  作者: さくらいよう


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4/10

3話:二人の人喰

明日那のメガネは度が入ってないブルライトカット用の眼鏡です。

 どうやら、部屋は2人部屋らしく、今日香と同じ部屋だった。

「食事の準備ができましたらお呼びいたします」

 とのことなのでちょっとした自由時間だろう。


「今日香、魂紋の機能みた?」

「ステータス、メッセージ、パーティだっけ」

「そう、メッセージ」

「……あぁあ! もう、スマホじゃん」

 今日香が驚いたように声を上げる。

「何かあったら怖いし繋げとこ」

「そうしよう」

 そう言って、メッセージを開く。なぜか付いている良心的なヘルプを頼りに、魂紋同士を付ける。

【個体名《秋山今日香》とフレンドになりました。

パーティ登録をしますか? Y/N】

という、システムウィンドウとともに、今日香の名前がリストに現れた。一応、登録しておくか。その横には見慣れた感じの吹き出しのアイコンと、受話器のアイコン。

「通話機能?」

 ボソリと声が漏れる。興味本位でタップする。すると、今日香の方にも通知が入ったようだ。

「聞こえる〜?」

 今日香が少し大きな声で魂紋に向かって話すが、何も起こらない。だが、おかげで分かった気がした。

『これ、念話じゃない?』

 口を動かさずに念じるように話す。

「うわぁ、なんだかむずかゆいね」

「なれるよ、きっと」

「なんだか、悪用できそうな機能だな」

 そう思いつつ、設定画面を開く。って、これだと、埋め込み式のスマホだな。えっと、思念操作。これは、いちいち、ウィンドウをタップしなくても操作できるということか? オンにするか。視界へのオーバーレイ表示……、ゲームのUIみたいなやつか。オンにしておこう。

 視界の左上の隅にサイズの違う緑色のバーが2本、その間に青色のバーが出現した。一緒に書かれた数字的に緑色がHP、青色がMPだろう。HPに関してはパーティのも表示されるのか。回復役じゃないけど、こうやって表示されるとダメージコントロールがしやすくてよさそうだな。思念操作も試してみるか。ステータス。ちゃんと表示された。一応、手でも操作できるみたいだな。カスタマイズできる点は、評価高いな。なんだか異世界と言うより、近未来に来たって感じだな。あ、パーティの項目も見ておくか。

 その時だった。

「なんでよ! なんで早く言ってくれなかったの!?」

 急に今日香が抱きついてきた、泣きながら。

「どうして、早く言ってくれなかったの? 明日那が、明日那が人喰グールだって!」

 なんで、

「なんで今日香が知ってんの? 誰にも言ってなかったはずだけど……」

 通報しないと、犯罪になるから。人喰グールは人間に危害を与える。だから駆逐の対象だった。人間には自分から人喰グールだと明かさない。それが暗黙の領解だった。

「パーティメンバー画面」

「へ?」

「パーティメンバー画面から、パーティのステータスが見える」

 言われるがまま、開きっぱなしだったパーティウィンドウを操作し、今日香のステータスウィンドウを開く。


***

秋山今日香

種族:人喰グール

職業:魔法剣士

HP:100

MP:600

STR:900

VIT:100

AGI:500

霊装:時空破壊ディストーション 隔離空間パンドラスペース 空間転移テレポート 時間停止ワールドストップ 時間遡行タイムトラベル 物体操作サイコキネシス 悪食 触手(物体生成) 魔力貯蓄オーバーライド

スキル:言語理解

魔法適正:風

称号:悪食の人喰 異世界からの来訪者

***


 以外だった。

 人間だと思っていた、親友が人喰グールなうえ、悪食持ちだったとは。

「ごめんね、言わなくて。私も知らなかった、今日香が人喰だって」

「あたし知ってたんだ、明日那が人喰グールだって。でも、逆光でよく、見えなかったし、自分でも疑ってて、言い出せなかった」

「別に、今日香は悪くないよ、私が本当は人喰グールじゃなかったら、捕まってたわけだし」

「でも、あの時、明日那を止められてたら、明日那はあんなことをしなくてもよかったかもしれないし、一人で背負わなくてもよかったんだよ!」

 あんなこと……思い当たるのは一つしかない。

 それは、

今日香の能力は明日那の能力よりはっせいがはやかったりします

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