1話:悪食の人喰
「さて、君たちにはこれから幾つか確認してもらうことがある」
白銀(?)の鎧を着た銀髪の男が喋った。
ざわついていたクラスメイトが一気に静かになった。
「団長、まずは自己紹介からでしょう。彼らがビビってますよ」
「そっか、忘れてた。俺はルシウス。ルシウス・ラスティだ。アルヴァスティ王国聖騎士団長であり、この国最強の剣士だ」
団長――もとい、ルシウス・ラスティはそう、自己紹介をした。
なんだろう、このカリスマ感。いや、自称国内最強剣士ってところで、胡散臭さに相殺されたが。
「まず、左手を出してほしい、魂紋が刻まれているだろう?」
各々が左手をみる中、私も左手の甲をみる。そこには薄紫の捻れた時計のような刺青が刻まれていた。
なんだこの形。
「それは魂紋と呼ばれる、魂の色、属性、霊装を表す紋様であり、この世界の住民、君たち召喚者に刻まれている紋章だ」
なるほど。生き写しみたいなものか。
「色が性格、形が属性を表しているとされる。左手の甲に意識を集中させてみろ」
言われるがまま、意識を集中させる。すると、VRMMOでありがちなホログラムウィンドウが現れた。ステータス、メッセージ、パーティ、カメラ、設定と続くそれは、私にしか見えてない模様。埋め込み式スマートフォンみたいなものか? これは。
試しに、ステータスと書かれたアイコンをタップした。
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名前:神崎明日那
種族:人喰
職業:付与術師
HP:100
MP:1000
STR:600
VIT:60
AGI:300
霊術:時空間転移 時空断絶 時間遡行 隔離空間 時間停止 物体操作 悪食 触手(翼・物体生成) 魔力貯蓄
スキル:言語理解
魔法適性:付与
称号:悪食の人喰い 異世界からの来訪者
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うん。何これ。色々とぶっ壊れてるんですけど。MPはおそらく、術師分の補正が乗ってるのだろう。その他ステータスも、転移前から人喰だから、その分高い方なのだろう、基準がないから分からないけど。霊術なるものも、悪食はおそらく、私が本来食べてない人間以外食べられないはずの人喰いの中でその制限のない特殊個体である悪食だからであろう。
問題はその前だ。なんか、色々とぶっ壊れ能力に見える物があるんですけど? あ、これ、触れば詳細が分かるんだ。何々。
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時空間転移
時、時空、空間を越えて世界を行き来する力
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……。
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時空断絶
時、時空、空間を越えて物体を切り離す力
これで切り離した物体の断面は、繋がっていた断面と隣り合う座標にあるような状態を維持される
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時間遡行
過去の平行世界の自分と入れ替える力
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隔離空間
全世界と隔絶された自分だけの世界
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時間停止
自分以外の全ての時間を止める力
発動中呼吸が必要なくなる
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物体操作
離れた物体を動かす力
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――なんか、雑。でも、やばいことしか書かれてないことはわかる。これが、召喚者の平均値なのか? これと同じスペックがあと、30人ちょっとか。すごいな、異世界。
本編で触れていませんでしたが、明日那たちの元居た世界では人喰が触手持っている種族でしたが、異世界では持っておらず、その違いが霊術の部分に出ています。




