表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2枚目のドックタグ〜喫茶店すのうどろっぷへようこそ〜  作者: jetts
7年ぶりの嵐

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/16

過去へのリベンジ

足元の振動から巡回していた二人が走ってくるのが分かる。顔を出し、彰の様子を見る。


 いない。


 殺気を感じ右の太ももに仕込んである直径三センチ長さ二十センチほどの筒を取り出して、ストッパーを外す。


 一瞬で百三十センチ程のチタン合金製の短杖が現れる。バネ式の奇術師が使うステッキと同じ原理のチタン合金の短杖はマンベレの重さも十分に耐えられる。


 刹那、彰がマンベレで切りかかってくる。短杖で受け流し、肉薄して左の膝蹴りを狙うが右手で軽くいなされ距離を取られる。


 後ろに居る心春に彰の視線がいかないように位置取りをする。この位置関係はあいつに有利、なぜならマンベレは投げることで最大の殺傷力を発揮する。


 保護対象がいる場合、避けると保護対象が傷つく位置取りは致命的。今がそれだが、好機でもある。


 「お下品教授!お久しぶりですね~」


 気軽にかつ、煽るように声を掛ける。


 「あぁ、ホワイト。相変わらず絶妙にムカつきますねぇ」


 沸点の低いあいつはみるみる顔を赤くしていく。

 

 「アス! 確かこんな名だったですかね?」


 わざと、ケツや侮辱の言葉にとれるスラングで呼びつける。


 「ハァぁ〜?どんな耳をしてやがるぅ。アッシュだ、Ash。Assと間違えるとか、てめぇふざけてんのかぁ?」


 もう頭から湯気が出そうな勢いだ。さぁ、神経を研ぎ澄ませリベンジの時だ。


 「ん? もう少し長かったですか。ア◯ホールでよかったですかな? 」


 「てめぇ、ふざけんな!」


 彰は必殺のマンベレの横投擲を行う。ほぼモーションから全身のバネを使って放たれる投擲。初速は遅いが手首のスナップで強い回転が与えられていて距離感が取りづらい。タイミングが分からなかければ対応は非常に困難な攻撃。


 事実、俺はコイツを受け損ねて額に一文字の傷をつけられた。傭兵を辞めてリベンジの機会は無いと思っていたが神様の粋な計らいで与えられたチャンス。活かしてやるぜ。


 今回は、煽ってやったお陰で虚を突かれていないので対応可能。後は、回転により尻上がりに加速するのを計算に入れて短杖をけん玉のように下から上に突き上げる。


 同時に、皿回しのように先端を激しく回す。九年間イメージトレーニングした成果だ、恐怖に打ち勝ちタイミングさえ合えばこのようにマンベレ回しに早変わりだ。杖先を傾けるとあさっての方向に飛んでいくマンベレ。


 彰は避けた所をついて心春に近づく予定が俺が動いていない為、虚を突かれ唖然としてしている。


 その隙を逃す俺じゃない。振り上げた短杖をそのまま下に振り下げながら彰に肉薄し、彰の鎖骨に柄を叩きつける。鈍い音がし叫び声を上げながらのたうち回る彰。床に転がして後ろ手で親指を結束バンドで止める。


 同じく無力化していた男たちを結束バンドで拘束していく。突如、扉がバーンと蹴り開けられる。だが、走ってきた振動で予測済み。横っ飛びしながらガスガンを構える。


 ベレッタM70なんていう洒落た銃を構えて警戒している若い奴と、刃渡り三十センチ程の大型ククリナイフを構えてドアを蹴破った初老の男。


 銃を構えた男に向けて二連射し、ガスガンを手放しククリナイフの男に低空の高速タックルを仕掛ける。


 「ぐぇあ」


 眉間と喉にラバー弾を食らった男が声を上げる。その声に反応してしまったククリナイフの男の致命的な隙を突き、足に組み付いて一気に引き倒す。仰向けにぶっ倒れた男の右手首を踏みつけてナイフを手放させてからの、胸元への掌底。


 「ぐぼっ」


 衝撃で白目をむく初老の男。そのまま、のたうち回る若い奴を組み伏せて後ろ手で結束バンド。続けて足元のやつも足で裏返してから拘束。


 のたうっているテロリストどもを一箇所にまとめ。出入り口を一箇所残して瓦礫で封鎖してから心春と一緒に部屋を出る。


 「マスター、助けに来てくれてありがとう。」


 心春はそれだけ言って俺の後ろについてくる。しばらく進んだ後、前方で今回の戦闘に全く気がついていない二人のテロリストが雑談をしている。


 心春に小部屋で隠れているよう声をかけ、男たちに音の無く死角から近づく。


 右手の男に向かってフォークを投擲。ふくらはぎに当たり、大袈裟に痛がる。もう一人が狼狽えている隙に一気に近づきガスガンを股間に当て、容赦なく最後の一発を叩き込む。


 絶叫をBGMに二人を拘束していると。


 「ゔぁおあいとぉお!うぅるすぅわぁあねぇえ!」


 目を血走らせ、よだれを垂らし右手のマンベレを振りかざした彰が廊下を走ってくる。左手は血まみれで、親指は千切れブランブランと力なく揺れている。


 薬の力で強引に拘束を解いたか。それほど恨まれていたか………傭兵同士で任務が対立すれば戦うのが当たり前。そこに恨みなど持ち出していたらきりがないのだがな。


 恨みの縁はここで切らせてもらう。


 身構えると、心春の隠れている扉が少し開き何かを廊下に投げつける。それを見たと同時に俺は目を瞑り彰に向かって走り出す。


 目を瞑っていても光を感じる。


 フラッシュボム、護身の為に虎の子を心春に渡しておいた。彰の声を聞き機転を利かしたのだろう。


 俺は少しチカチカする目を開けてマンベレを落とし目を押さえて苦しむ彰を押し倒し、右肩を力任せに折る。座り込み右膝をねじり込み外す。


 まさか心春に助けられるとは……………


 足元でギャアギャアと喚き散らす彰だった物を一瞥し心春のもとに向かった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ