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ランタンに揺れる

私は純一郎が好きなのかな?そりゃいい奴なのは知ってる。仲間だから。よく見るとイケメンの部類だし、誠実、素直、賢い、清潔間があって、優しさの塊で…。きりがないほど良いところは浮かぶ。だけど、告白と言うイベントに気持ちが盛り上がっているだけなら、仲間として、それこそ彼に失礼だ。嫌いじゃないけど、好きだけど、仲間だから自己満足で恋愛をするには、失うものが多すぎる。そう思ったとき、今までキラキラしていた純一郎を見る視界が、通常バージョンに切り替わり、ドキドキも治まった。一つ深呼吸をして、純一郎をまっすぐ見る。


「私たち仲良しだから、純一郎、勘違いじゃない?私も好きよ。…友達として…。」


そう言って、私は立ち上がり背伸びをして深呼吸をし、気持ちを冷静に保たせようとして、


「勘違い勘違い。心が友情と愛情を取り違えたんだよ。」


と続けた。すると、純一郎はしばらく私の方を見て、頭をくしゃくしゃとかいて、ため息をつく。そして立ち上がり私をまっすぐ見て、


「勘違いじゃないよ。勘違いだったら、友情壊すかもしれないのに踏み出せないよ。ずっと悩んでた。けっこうマジで考えたんだ。で、告白してるんだよ。悠、簡単にまとめないでくれよ。俺の感情。」


悲しそうな顔。悪いことをしてしまったようで、罪悪感で胸が痛い。茶化したつもりはない。ただ、受け入れる覚悟が私にはないだけ。だけど、そんな私のわがままに近い感情で、彼を傷つけてしまうのは間違っているのかもしれない。


「ごめん。」


思わず謝る。


「悠は俺の事嫌い?」


私はゆっくり横に首を振る。


「だったら、彼氏に一番近い位置に置いてよ。友達より一歩リード。彼氏候補…。じゃないな・・・、彼氏前提の彼氏。」


そう言って、純一郎は下を向く。どうして私なんかにそんなに拘ってくれるんだろう。魅力なんてない。可愛げもない。今までこんなに思ってくれた人なんていない。


「何それ?」


素っ気なく・・・返してしまうけど、本当は嬉しくて舞い上がりそう。こんなに必死な純一郎をはじみてみたから、驚いてもいる。もっと冷静な人だって思っていたから。


「悠は俺の事を友達として見ていたからさ、すぐに男として見てもらえるかは分からないけど、頑張るからさ、”勘違い”って切り捨てて、即答で断るのはなしにしてよ。」


ゆらゆら揺らめくランタンの灯りに浮かぶ彼の切ない表情。知らなかった純一郎がこんなに可愛い人だなんて…。私はにこりと笑って、純一郎に右手をさし出した。純一郎ははにかんで私の手を握った。

そうして、私たちは仲間内には内緒で交際をはじめることにした。人生初の告白。人生初の彼氏は、さっきまで友達だった彼だった。



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