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セレフィナ、召喚される③



神官長がなんとか気を取り直し、再び儀式の準備を始めた。召喚陣が再び光を放ち、地下神殿には緊張が漂う。セレフィナは壁際に立ち、リュカとともにその様子を眺めていた。


「……もう一人召喚するなんて、本当にそんなことが可能なのか?」


「技術的には不可能じゃないが、二人目を同時に維持するのはかなり負荷がかかるはずだ。まぁ、それでもやるってことは……それなりの理由があるんだろうな。」


リュカはセレフィナの落ち着いた口調に安堵を覚えつつも、不安を隠せない様子で召喚陣を見つめた。


儀式が進むにつれて、空間が歪み始めた。光の中心に裂け目が生まれ、その向こうに別の世界が垣間見える。


「おお、神よ……どうか我らにさらなる勇者をお与えください……!」


その祈りとともに、光の中から一人の人物が姿を現した。



光が収まり、召喚陣の中央には若い女性が膝をついていた。金色の髪が淡い光を受けて輝き、瞳には鋭い意思が宿っている。その手には見覚えのない剣が握られており、その存在感からただ者ではないことが窺える。


神官たちは歓声を上げた。


「新たなる勇者が降臨されました!」


女性は顔を上げ、周囲を見回した後、ゆっくりと立ち上がる。その瞳がセレフィナに一瞬向けられたが、すぐにリュカへと移った。


「……ここはどこ?あなたたちは……?」


その声には警戒心と威厳が混じっていた。リュカが一歩前に出ようとしたが、セレフィナが手で制止する。


「まずは状況を聞くべきだな。お前たちが不用意に近づくとまた変な魔法が仕掛けられるかもしれん。」


リュカはその言葉に頷き、女性を慎重に観察する。



召喚が完了し、神官長が二人の勇者を前にして宣言を始めた。


「二人の勇者よ!あなたたちはこのアルマリア聖王国に降臨された選ばれし者です。どうか魔王ゼルナを討伐し、世界に平和をもたらしてください!」


リュカは戸惑いながらも頷いたが、女性勇者は眉をひそめた。


「私はまだ何も聞かされていないわ。どうして突然こんなところに呼び出されたの?そして、魔王を倒せだなんて……勝手に言われても困る。」


その反発に神官たちは一瞬ひるんだが、すぐに説得を始めようとした。しかし、その言葉の裏に隠された焦りをセレフィナは見逃さなかった。


セレフィナ(二人目の勇者に対しても洗脳魔法を仕掛けるつもりか?それとも何か別の策があるのか……?)


セレフィナは一歩前に出て、冷静に尋ねた。


「なぁ、神官長。新たな勇者に詳細を説明するのは良いが、その後に“余計な魔法”を仕掛けるつもりはないだろうな?」


その問いかけに神官長の顔が引きつった。


神官長:「そ、そんなことは決して……!」


セレフィナは目を細め、その虚言をあっさりと見抜いた。



セレフィナが疑念を抱いていた通り、女性勇者の周囲に怪しげな魔力が漂い始めた。それはリュカに仕掛けられたものと同じ洗脳魔法だった。


「やれやれ……またか。これ以上くだらない真似をするなら、私がこの国を潰してやるぞ?」


その言葉に神官たちは震え上がり、動きを止めた。しかし、既に魔法は発動し始めており、女性勇者の表情が少しずつ曇り始める。


「……なんだか……頭が重い……」


セレフィナ:「待ってろ。すぐに解除してやる。」


再び解呪の呪文を唱え、洗脳魔法を吹き飛ばす。女性勇者の目が正常に戻ると、セレフィナは軽く肩をすくめた。


セレフィナ:「まったく……次から次へと面倒なことばかりだな。」

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