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そうだ、未踏破ダンジョンにいこう①



ダンジョンの入り口に立つセレフィナ、グレン、リリィ。彼らの目の前に広がるのは、古代の遺跡のような巨大な扉。半ば壊れた扉の隙間からは、深い闇がじわりと広がっている。時折、内部からは不気味な風が吹きつけ、ひやりと冷たい空気が肌に触れる。


そのとき、ダンジョンの奥から誰かの叫び声が響き、数人の冒険者たちがよろめきながら出口へと駆けてきた。彼らの顔には恐怖が染み付き、息も荒い。体のあちこちに浅い傷が刻まれており、泥や血にまみれている。


「何なんだよ、あの化け物は…!」一人の冒険者が怯えた声で叫びながら、震える手で剣を握りしめたまま後退する。他の者も無言で足早にダンジョンから離れようとし、誰も振り返ろうとしない。


「…見たことのない魔物が、奥にいるらしいな」グレンが小さく呟き、冷静な顔で逃げ惑う冒険者たちを見送る。


その時、目の前を通り過ぎた若い冒険者が、セレフィナたちの姿を見て目を見開く。「おい、ここにいるのはやめとけ!中は…まるで地獄だ!一歩でも足を踏み入れれば、命はないぞ!」


しかし、セレフィナは冒険者の言葉に動じることなく、冷静な眼差しをダンジョンの闇へと向けた。彼女の横顔には、どこか冷酷さと自信が漂っている。


「そうか、地獄ね…ちょうど面白そうじゃない?」セレフィナは小さく微笑み、エターナル・ヴェイルを軽く持ち上げる。その姿を見たグレンとリリィは顔を見合わせ、同時に意気を新たにする。


「行くぞ」彼女の短い指示に、二人は頷き、覚悟を決めて古代の扉の隙間へと足を踏み入れた。闇の中へ進んでいく彼らの背後には、なおも逃げ出そうとする冒険者たちのざわめきが残されていた。



* * *



『この先に、どんな試練が待っているのか――それが私の力を試す時だ。』


彼女はもう一度、心の中で自分に言い聞かせた。数々の戦いを乗り越えてきた彼女には、もう何も恐れるものはない。だが、何故か、今は少しだけ不安が胸をよぎる。それは、まだ見ぬ真の力を使うことへの恐れなのか、あるいは失敗したくないという強い願望から来るものなのか。はっきりと自分でも分からない。


しかし、すぐにその不安を振り払った。セレフィナは薄く笑みを浮かべながら、その扉に手を伸ばす。


彼女は振り返り、グレンとリリィの顔を見た。リリィの顔に少しばかりの不安の色が浮かんでいる。セレフィナはその視線に気づき、心の中で少しだけ溜息をついた。リリィは、まだ若い。戦いに対して慎重で、どこか心配そうなところがある。セレフィナ自身も、あの頃の自分を思い出すことがある。あの頃は、あまりにも力が足りず、無謀に突き進んでいたが、今は少し違う。


『リリィにだけは、余計な不安を抱かせたくない。』


「リリィ。」セレフィナは彼女に微笑みかけ、優しく言った。「私たちなら、必ず突破できる。」その言葉を、リリィは少し驚いたように聞いた後、安心した表情を見せる。


グレンも頷き、準備を整えた。セレフィナは、二人がしっかりと自分に信頼を寄せていることを感じ、心の中で一つ決意を固める。今回は、自分がリーダーとして彼らを引っ張らなければならない。恐れるわけにはいかない。ダンジョンの奥にあるものが、何であろうと、彼女の目標はただ一つだ。


「よし、行こうか。」セレフィナは扉を開け、仲間たちに向かって力強く言った。


その瞬間、心の中で強く誓った。この試練を乗り越えた先にある、未知の力と知識を手に入れるために。誰にも負けるわけにはいかない。何が待ち受けていても、必ずそれを乗り越える。


ダンジョンの中に足を踏み入れると、暗闇が彼女たちを包み込んだ。セレフィナの心の中で、冷徹で力強い自信と、少しだけ揺れる不安が交錯する。しかし、彼女はその不安を押し込めて、前へ進む決意を固める。ここでの試練が、これからの戦いにおいて彼女をさらに強くしてくれるだろうと信じて。


『無駄なことはない。すべては私の力を高めるためにある。』


セレフィナは魔力を手に感じ、その力が自分を包み込むのを感じながら、ダンジョンの奥へと進んでいった。

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