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魔王 vs 亜神②



セレフィナが静かに立ち上がると、亜神の眼差しがわずかに鋭さを増し、場の空気が一層緊迫感を帯びた。二人の間に漂う静寂は、まるで嵐の前触れのように周囲の空間を圧迫していく。


「よくぞ受けると言った。」

亜神の声は深く、次元そのものに響き渡るような重厚さを伴っていた。彼の言葉が終わると同時に、空間がねじれ、異質な波動が周囲を包み込む。


「だが、覚悟するがいい――この場を去る者はただ一人だ。」


次の瞬間、亜神の姿が光をまとい、周囲の空間が激しく歪み始める。彼の意志に従うかのように形成された無数の光の矢が空中に現れ、セレフィナを狙って一斉に放たれた。矢はただ速いだけではなく、その一つ一つが次元を裂くほどの威力を秘めている。


セレフィナは微動だにせず、迫り来る光の矢を冷徹な眼差しで見つめた。

「その程度か。」

彼女の声は低く静かでありながら、相手を揺さぶる確かな威圧感を持っていた。そして彼女が手を軽く振るうと、足元に幾重もの魔法陣が展開される。


「反転魔法陣・雷域の守護(サンダーヴェイル)


魔法陣から奔流のように溢れ出した雷光が渦を巻き、光の矢を弾き飛ばす障壁となる。矢は彼女の周囲で次々に弾かれ、轟音を伴いながら霧散していった。その防御の正確さと圧倒的な力に、亜神は一瞬驚愕の表情を見せるも、すぐに険しい笑みを浮かべる。


「ほう…なかなか楽しませてくれる。」

彼は高く手を掲げると、空間の歪みから巨大な光の竜が姿を現した。その竜は雷鳴のような咆哮を上げ、破壊の化身としてセレフィナに突進していく。


「出し惜しみはしない。」

セレフィナはそう呟くと、指先をひと振りして周囲の魔法陣を再び展開した。


「雷撃魔法・蒼雷の天槍(ヴォルティクス・スピア)


竜が迫る瞬間、セレフィナは巨大な雷光の槍を生み出し、正面からそれを迎え撃った。雷槍は竜と衝突し、爆発的な光と衝撃が空間を満たす。その余波は次元そのものを揺るがすほど強大で、周囲の空間が幾層にもひび割れていく。


亜神はその様子を冷静に見守っていたが、竜が消え去った後のセレフィナの姿を見て再び口元を歪めた。彼女は無傷で立っていた。


「お前の力、予想を上回るものだ。」

亜神はその声にわずかな感嘆を込めたものの、すぐに表情を引き締め、さらなる力を解放し始める。その力が集まりきる前に、セレフィナが一歩前へと踏み出した。


「その力が偉大なのは認める。」

彼女の声には冷静さと確信があった。「だが、この場で勝者となるのは我だ。」


亜神の手の中に生まれつつあった破壊の波動が解放される刹那、セレフィナの魔力がさらに高まり、空間そのものに力を刻み込むような魔法陣が足元に展開される。


「終焉の天雷陣(ラグナロク・テンペスト)


魔法陣から放たれた膨大な雷光が、亜神の攻撃をかき消しながら彼に迫っていく。空間全体が揺れ、やがて爆発的な閃光が辺りを埋め尽くした。光が収まった後、セレフィナは冷静な表情で亜神を見下ろしていた。


「どうだ、次はどう出る?」

挑発的なその声に、亜神は静かに息をつきながら立ち上がった。


「良いだろう。お前の力、ますます興味が湧いてきた。」

その言葉には、もはや怒りの色はなく、純粋な興味と戦いへの渇望が込められていた。








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