表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/78

未踏破区域③



アンデッドの支配者が放つ怨霊が広間を埋め尽くし、重苦しい闇が三人を飲み込むように広がっていく。リリィの防御の壁が怨霊たちの攻撃を防ぐものの、その数があまりにも多く、徐々に壁が押されていくのが感じられる。


「数が多すぎるわ…このままじゃ防ぎきれない!」リリィが息を詰めて呟く。


「ならば攻めるのみだ!」グレンは剣を構え直し、怨霊の群れに突進していく。彼の剣が闇を裂くたび、怨霊が一体ずつ消滅していくが、それでも次から次へと新たな怨霊が現れる。


その様子を見たセレフィナは、静かに杖を構え、低い声で呟いた。「これではキリがないな。そろそろ一掃させてもらう…」


彼女が杖を大地に突き立てると、周囲の空気がさらに重く変わり、まるでその場の全ての魔力がセレフィナに引き寄せられていくようだった。冷たい光が彼女の瞳に宿り、その圧倒的な魔力の気配にグレンもリリィも思わず息を呑んだ。


「――冥府の鎖よ、全ての魂を捕らえ、静寂へと導け…《魂縛の結界こんばくのけっかい》!」


セレフィナの一声と共に、広間全体に漆黒の鎖が無数に現れ、怨霊たちを次々と絡め取っていく。怨霊たちは悲鳴を上げながら鎖に引き寄せられ、その存在が薄れていくように消え去っていった。鎖はまるで意思を持っているかのように、周囲のあらゆる闇を吸収しながら広間を静寂に包んでいった。


やがて最後の怨霊が消え、闇の支配者だけが残された。


「見事だ…だが、それで終わると思うな。」支配者は不気味な笑みを浮かべ、玉座の前に立ちふさがるように立ち上がった。彼の鎧から放たれる暗黒の力が一層増し、まるでその場の全てを飲み込もうとするかのようだった。


「そちらこそ、まだ続けるつもり?」セレフィナが挑発するように微笑みながら一歩前に出た。その背中に感じられる圧倒的な自信に、リリィもグレンも勇気を取り戻すような感覚を覚えた。


支配者は低くうなり、闇の力を手に集中させると、大地が揺れるような衝撃が広間を走った。「ならば、我が力の全てを見せてやろう…!」


その言葉と共に、支配者は両手を広げ、闇のエネルギーを解き放った。広間が一瞬で暗闇に包まれ、視界が奪われてしまう。


「リリィ、グレン、私の指示に従って!」セレフィナの声がその暗闇の中で響き、二人は瞬時に彼女の方を向いた。


「了解!」グレンが剣を握りしめ、リリィも魔力を集中させながら、次の攻撃のタイミングを待った。


セレフィナは一瞬瞳を閉じ、次の一手を計算しながら、冷静に闇の支配者の力を見定めていた。そして目を開いた瞬間、彼女は静かに言い放つ。


「全てを終わらせる――覚悟しなさい。」


その言葉が、戦いの終結を告げるように響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ