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隠し扉のその先へ



ボスを倒した後、セレフィナは周囲を見渡した。暗いダンジョンの奥深くに、アビスゴーレムが倒れ込む音が静寂に溶けていく。セレフィナの戦いの様子がまだ彼の心に焼き付いていた。


「これで一段落ね」と、セレフィナは少し息をつきながら呟く。しかし、何かが彼女の心を引き留めた。微かな魔力の残滓が、空気の中に漂っているのを感じ取ったのだ。その感覚に導かれるように、彼女は注意深く周囲を探り始めた。


「セレフィナ殿、どうしましたか?」リリィが彼女の様子に気づき、心配そうに声をかけた。


「少し待って。何か、感じるの。」セレフィナは彼に背を向け、魔力の残り香を追って、ダンジョンの壁を撫でる。彼女の手がひんやりとした石壁に触れると、さらに微かな波動が指先に伝わってきた。その瞬間、彼女の心に何かが閃いた。


「ここ、隠し扉があるかもしれない。」セレフィナは目を輝かせ、集中する。魔力の流れに身を委ね、壁を注意深く探る。すると、彼女の手がわずかに沈む部分に触れた。


「これだ!」彼女の声が興奮で弾んだ瞬間、壁がゴリゴリと音を立てて動き出した。隠し扉がゆっくりと開いていくと、暗い空間の奥に新たな道が広がっているのが見えた。


グレンも驚き、彼女のそばに駆け寄る。「本当に隠し扉があったのか!」


「どうやら、私たちが戦ったボスの魔力がこの場所に残っていたみたい。もしかしたら、ここには別の道が続いているのかもしれない。」セレフィナは自信に満ちた声で答えた。


3人は顔を見合わせ、期待に胸を膨らませる。未知の世界が彼らを待っている。セレフィナは扉の向こうに広がる暗闇を見つめながら、彼女とグレンとリリィとの冒険が新たなステージに進もうとしていることを実感していた。彼女の心の奥底に、さらに強い決意が芽生え始める。


「行こう、グレン、リリィ。新しい発見が私たちを待っている。」セレフィナが勇気を持って一歩前に出ると、グレンもその後に続いた。彼らの冒険は、まだ終わりを迎える気配を見せていなかった。



* * *



扉をくぐった瞬間、セレフィナ、グレン、そしてリリィは異次元へと足を踏み入れた。目の前に広がる光景は、ダンジョンの暗闇とはまったく異なるものであった。薄暗い空気の中、朽ち果てた建物が立ち並び、道は砂利に覆われている。だが、その街を支配しているのは、恐ろしいほど静まり返った死の世界だった。


「ここは…?」グレンが驚きの声を上げる。まるで彼らが別の次元に引き込まれたかのような感覚が、彼の背筋を走る。


「これは…次元が低い世界のようね。アンデッドに支配された街みたい。」セレフィナは周囲を見渡し、身震いした。


リリィは不安そうに目を細めながら、周囲を警戒した。「どうしてこんな場所に? まさか、ここが私たちの次の試練なの?」


「その可能性が高いわ。」セレフィナは頷き、彼女たちの目の前に広がる無数のアンデッドを見つめた。アンデッドたちは目を持たず、音もなく動き回る様子は、まるでこの街が死者の国であるかのように感じさせた。


「ここには何があるんだ…」グレンは恐怖と好奇心が入り混じった表情を浮かべた。「まさか、このまま帰れなくなるなんてことはないよな?」


「大丈夫、私たちにはまだ力がある。」セレフィナは彼を励まそうとし、少し強気の声を出した。しかし、内心は不安でいっぱいだった。この異次元の世界で何が待ち受けているのか、彼女も見当がつかなかった。


その時、城の門が突然、重く開かれた。中から一体の強大なアンデッドが姿を現した。身の丈を超える骨の巨人で、目は青白く光り、その周囲には黒い霧が漂っている。


「アンデッドの主…」セレフィナは息を呑んだ。「こいつがこの街の支配者かもしれない。」


リリィは不安そうに目を見開いた。「どうしよう、これに立ち向かうの?」


グレンは剣を抜き、セレフィナの横に立つ。「まずは様子を見よう。敵の動きを観察してから行動を決めよう。」


セレフィナは冷静に頷き、心の中で次の一手を考えた。「私が前に出るわ。リリィはグレンをサポートして。アンデッドの主の力を確かめてみる。」


リリィは頷き、少し勇気を振り絞る。「私もできることがあれば手伝うわ!」


異次元の闇の中で、三人は新たな冒険の幕が上がったことを実感した。アンデッドに支配された街の恐怖を乗り越え、彼らはさらなる力を求めて進むことを決意したのだった。

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