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魔王、Sランク認定される





カイは膝をついたまま、息を整えながらセレフィナをじっと見上げた。これまで幾度も帝国に渡り、数多くの魔法使いと渡り合ってきた自負があった。帝国には類まれなる強者が存在し、彼らと戦い抜いてきた自分もまた、確かな実力を持っているはずだった――だが、目の前の彼女は、そんな自信を一瞬で覆してしまった。






こんな存在、帝国でさえ一度も見たことがない─。





カイは驚愕と混乱の中で、セレフィナの力が本当に帝国から来たものなのかと疑問を抱いた。彼女の魔力の圧倒的なまでの深さ、空気すら震わすような威圧感、それはまるで異次元の存在に出会ったかのようだった。




いったい彼女は何者なんだ…?




敬意すら感じさせるその圧倒的な存在感に、カイの心は悔しさと恐れで満たされていた。帝国のどんな名だたる魔法使いであっても、ここまでの力を誇る者は見たことがない。彼の今までの戦い、積み重ねてきたすべてが無力に感じられ、自分がどれだけ狭い世界で戦ってきたかを突きつけられたようだった。





世界は広いものだな…。そう感慨深げに思いふけるのであった。






周囲の冒険者たちは、セレフィナの圧倒的な力に感嘆し、彼女の存在に興味を抱くようになった。静寂が続く中、一人の冒険者が思い切って声を上げた。




「おい、あんた、本当に帝国から来た魔法使いなのか?さっきの力、まるで異次元から来たような感じだったぜ!」




セレフィナはその冒険者を見つめ、ふわりと微笑んだ。「そう、帝国から来たのだ。だが、私の力はその帝国に留まるものではない。ここで出会った者たちと共に成長し、力を高めていくつもりなのだ。」






「セレフィナさん、本当にすごい…」「あのカイがここまで追い詰められるなんて…」






ギルド長のアルヴィンもまた、彼女の実力を確信したかのように微笑んだ。「セレフィナさん、どうやら文句なしでSランクに認定しても良さそうですね。」






その言葉に、周囲からさらに大きな歓声が上がった。セレフィナは微かに頷き、アルヴィンの方に視線を移した。「ありがとう、いい戦いぶりであったぞ」






カイはその言葉を聞き、少し笑みを浮かべながら立ち上がった。「いや、こっちこそありがとう。強い奴と戦うのは、いつだって得るものがあるからな。またいつか、もう一度挑戦させてもらうぞ。」






セレフィナもまた、彼に笑顔を返す。「いいだろう。次までにはもっと強くなっておくんだな。」






そのやりとりを見て、ギルドの冒険者たちもまた士気を高め、彼女が仲間になることに対する期待と共に、一層の活気が広がった。アルヴィンはその場をまとめるように手を叩き、皆に解散を促した。






「それでは、セレフィナさんの歓迎会も後日開催するということで!今日のところはみんな解散だ!」






歓声と拍手の中、ギルド内の緊張が緩み、皆がそれぞれの日常に戻っていく。セレフィナはギルドの仲間たちに見送られながら、一人静かに新たな冒険の始まりを感じ取っていた。その瞳には、まだ見ぬ未知の冒険への期待と、ささやかな喜びが宿っていた。






* * *





数日後─。


ギルドに呼び出されたセレフィナは、アルヴィンから依頼を受けようとしていた。





アルヴィンは資料を広げ、セレフィナにSランク任務の詳細を説明し始めた。「さて、セレフィナ殿、さっそく大きな依頼を頼みたいんだが、Sランク任務ってのは通常の冒険者じゃ手に負えないような奴らが相手だ。あんたみたいな実力者しか任されないんだよ」






セレフィナが興味を示しているのを見て、アルヴィンはさらに続けた。「今回の任務は、北の山岳地帯に出没した“魔獣リヴァイア”の討伐だ。リヴァイアはただの魔獣じゃなくて、人間の領域に頻繁に現れては村を襲ってる。これまで何度か討伐隊が派遣されたんだが、みんな返り討ちに遭っちまってな」







近くで聞いていた他の冒険者が、不安そうに一言。「確かにリヴァイアは尋常じゃない強さを持っていると聞いてますよ。魔法が効かないとか…」




アルヴィンもその冒険者に頷いてから、セレフィナに向き直った。「そうなんだ、セレフィナ殿。奴の外殻は高位の魔法すら跳ね返すほどの強度を持っていて、近接戦でもほとんど歯が立たない。でも、あんたの力があれば突破口が開けるんじゃないかと思ってる」






セレフィナは静かに微笑み、肩をすくめた。「なるほど、確かに手強そうな相手だな。しかし、我の魔法が通じないと決まったわけでもあるまい。それに、このリヴァイアとやらがどれほどのものか…試してみる価値はあるだろう」






アルヴィンも満足げに微笑んで、「頼もしい返事だ、セレフィナ殿!準備が整い次第、北の村に向かってくれ。現地の駐屯地で調査隊からさらに詳細な情報が得られるはずだ」と答えた。






セレフィナは小さく頷き、「分かった。早速準備を整えるとしよう。このリヴァイアとやらの実力、確かめてやる」と言い、期待に満ちた表情を浮かべた。

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